神経変性疾患

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タンパク質 タンパク質が変異
「欧米で開発中の抗がん剤『17-AAG』に、神経変性疾患を引き起こす変異タンパク質を分解する働きがあることを、名古屋大の祖父江元教授(神経内科)のチームが突き止め2005年9/12付けのネイチャーメディシンに掲載。
神経変性疾患の1つである球脊髄性筋萎縮症(手足のふるえ・筋肉萎縮)の原因タンパク質の遺伝子を組み込んだマウス54匹のうち、半数に17-AAGを投与。
投与しなかったマウス・・・生後25週目までにすべて死んだ。
投与したマウス・・・・・・生後25週目で約8割が生存し、
16週目の筋肉量・・・投与していないマウスの半分。
16週目の変異タンパク質量・・・投与していないマウスの1/4」
化合物で防ぐ 名古屋大学の祖父江元教授と勝野雅央研究員らは、神経細胞の変性を防ぐ化合物を特定した。胃薬の成分として実用化されている物質で、動物実験では神経細胞に異常タンパク質が蓄積するのを防ぎ、『球脊髄性筋萎縮症』と呼ぶ病気の治療に役立つことが確認された。
アルツハイマー病など他の神経変性疾患も飲み薬で治療できる可能性が出てきた。
特定したのは胃薬に使われる『GGA』と呼ぶ化合物。異常な細胞内タンパク質をなおす「HSP」と呼ぶ物質をGGAが増やすことに着目。球脊髄性筋萎縮症を発症する遺伝子改変マウスを使って寿命が延びるかどうかを調べた。
GGAを0.5%、または1%含む水などを使って治療したマウスでは筋肉の萎縮が抑えられ、9割近くが150日生きた。治療をしない場合は萎縮が進み150日まで生きるのは約2割だった。
GGAは一般的な胃薬に含まれているので安全性は問題ないという。研究グループはGGA以外でもホルモン剤など2種類の化合物に治療効果があることを動物実験で確認済み。患者の状態に合わせてうまく薬を使えば高い効果が発揮できる蚊もしれない
CCT 科学技術振興機構と京都大学などのチームは、細胞内のタンパク質が正常に働くのに欠かせない『分子シャペロン』と呼ぶ物質が、神経細胞で異常なタンパク質が凝集するのを妨げていることを突き止めた。
異常タンパク質が溜まると、神経細胞が死んでアルツハイマー病などの深刻な病気が発症する。神経変性疾患の新しい治療法や予防法の開発につながる成果。2006年917のネイチャー・セル・バイオテクノロジーに掲載。
細胞内では、分子シャペロンの力を借りることで、新たに合成されたタンパク質はきちんと機能できるようになる。
研究チームは、代表的な分子シャペロン『CCT』が、ポリグルタミンタンパク質の凝集を妨げ、細胞死を防ぐことを突き止めた。凝集体のタネが出来る段階を、CCTがジャマしていた。
ポリグルタミンタンパク質の凝集は、神経変性疾患の1つであるポリグルタミン病を引き起こすことで知られる。
CCTには、[アルツハイマー病]や[プリオン病][パーキンソン病]など他の神経変性疾患でも、異常タンパク質の凝集を妨げる効果があると見られる。


小胞体ストレス応答
  • ストレス
    • 京都大学の森和俊教授が切り開いた分野が、「小胞体ストレス応答」で、細胞が作るタンパク質の品質管理に関わっている。
      2009年のカナダの国際的な医学賞「ガードナー国際賞」が授与された。この賞は1959年に創設され、受賞者の4人に1人がノーベル賞を受賞している。
      小胞体内腔に折り畳み不全のタンパク質がたまるようになる状態を小胞体ストレスという。
      小胞体ストレスが加わると細胞は直ちにストレスから回避するための防御システムを活性化させる。これがいわゆる小胞体ストレス応答といわれる応答機構である。
      小胞体ストレス応答系は酵母から哺乳細胞に至るまで真核細胞に広く保存されており、タンパク質の成熟を支える重要なシステムであるとともに、非常時に細胞死から身を守るのにも不可欠な役割を演じている。
  • 異常タンパク質
    • 2009年、奈良先端科学技術大学院大学の河野憲二教授らは、糖尿病アルツハイマー病などの発症原因の1つとされる生体内の異常タンパク質を修復・分解する詳しい仕組みを解明した。
      成果は4/24の米科学誌セル・モノキュラーに掲載。
      異常タンパク質を修復・分解し、生体の品質を管理する仕組みは『小胞体ストレス応答』と呼ばれる。
      タンパク質を作る細胞内の小胞体にあるこの仕組みが正しく機能しないと、異常タンパク質が増えて細胞死が起こり、糖尿病などの発症原因の1つになると考えられている。
      研究グループはセンサー役の『IRE1』というタンパク質と、処理システムを促すスイッチ役の『XBP1』タンパク質の関係を詳しく調べた。
      タンパク質が作られる過程では、DNA(デオキシリボ核酸)の遺伝女王がいったん伝令RNAに写し取られる。XBP1では、まず原型となる伝令RNAができ、IRE1のそばに移動。その後、自らの一部を取り除いて新しい伝令RNAとなり、XBP1タンパク質を作っていた。
      小胞体のIRE1のそばで動く際には、伝令RNAが小胞体の膜とくっつきやすいタンパク質を作る。これがイカリのように働き、その場所にとどまるようし向けていた。
      伝令RNAはIRE1から異常タンパク質の情報を素早く受けとってXBP1を作り、処理システムを稼働させていた。
      異常タンパク質がたまるのを捕らえる「センサー」のすぐ近くに、メッセンジャーRNA(伝令リボ核酸)が移動し、そこに留まり修復・分解システムをすばやく働かせていた。

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