筋ジストロフィー

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筋ジストロフィー 遺伝性の筋の変性疾患。筋肉細胞が徐々に壊れて脂肪細胞に置き換わり、筋肉の機能が失われる難病。
筋力の低下と萎縮を特徴とする。
進行性で、子供の頃に発症し、20歳代になると呼吸や心臓の機能にも異常が出てきて死に至る。
原因遺伝子の違いからタイプが分かれる。
最も症状が重くなるのが「デュシェンヌ型」
原因遺伝子
2008年、京都大学の竹島浩教授らは米ニュージャージー州立大学と共同で、全身の筋肉が衰える病気である筋ジストロフィーの原因と考えられる遺伝子を発見した。
この遺伝子を欠いたマウスは病気と同じ症状になった。
成果は12/1のネイチャー・セルバイオロジー電子版に掲載
筋ジストロフィーは筋肉が衰えて歩けなくなり、やがて呼吸障害を起こす難病。発見したのは『ミツグミン53』と呼ばれる遺伝子。筋肉の細胞で壊れた細胞膜を修復する働きがあり、マウスはこれがうまくいかず症状を起こすと見られている。
病気の原因遺伝子はいくつかあるが、患者の約4割は原因が分からない。今後患者の遺伝子を調べていく。
ミツグミン53は人でも同様の働きをするとみられ、東京所痔医科大学などと協力し原因が分からない患者の遺伝子解析を始める予定。
病態 遺伝性進行性かつ原発性の骨格筋の障害
検査 血清クレアチンキナーゼ(CK)・・・・上昇(軽度〜著明)
月経血 治療に月経血を利用
2007年、国立成育医療センター研究所の梅沢明弘・生殖医療研究部長らのグループは、細胞治療技術を使い、筋ジストロフィーの治療につながる基礎実験に成功した。
女性の子宮内膜の細胞から筋肉組織を作り、欠損するとこの病気になるタンパク質をマウスの中で作り出した。患者への負担や倫理的問題が起きない技術。
研究グループはまず、女性ボランティアに提供してもらった月経血を培養。この血液中には子宮内膜の組織が混ざっており、分化の機能を備えた間質細胞も含まれる。この中から薬12%の比率で骨格筋の細胞を分化、成長させた。
筋ジストロフィーは、遺伝子異常によって筋肉の細胞膜にあるジストロフィンというタンパク質が作られないために発症する。生まれつきジストロフィンが作れないマウス免疫不全のモデルマウスの筋肉に、培養した筋肉細胞を注射した。すると注射した細胞とマウスに元々ある筋肉細胞が融合し、マウスの筋肉細胞から正常なジストロフィンが分泌されるようになった。
ES細胞 2008年、遺伝子操作した胚性幹細胞(ES細胞)を注射して、筋肉の機能を一部回復させた。と米テキサス大学のチームが、2008/1/20付けのネイチャーメディシン電子版に掲載。
筋ジストロフィーのマウスを、あらゆる細胞に分化する能力を持つES細胞の移植で治療したのは初めて。
筋ジストロフィーのうち冠者数の多いディシェンヌ型は、筋細胞の形を保つタンパク質「ジストロフィン」が遺伝子変異のため作られず、筋力の低下や筋萎縮が起きる。
ピカチュリン 大阪バイオサイエンス研究所の古川喜久研究部長らは、動く物体を目でハッキリと捉える「動体視力」に深く関係するタンパク質を見つけた。このタンパク質を欠いたマウスは動体視力が低下した。
人間でも同じ仕組みが働いていると見られる。
成果は2008年7/21、ネイチャー・ニューロサイエンス(電子版)に発表。
発見したタンパク質は『ピカチュリン』と命名。
網膜では視細胞が光の情報を電気信号に変換し、複数の細胞を経て脳に伝えている。細胞同士は神経回路でつながっており、ピカチュリンは視細胞と別の細胞をつなぐ「シナプス」という部分で働いていた。ピカチュリンを欠如したマウスはシナプス形成が不十分で、情報を伝える速度が正常型の約1/3に低下するとともに、動体視力が低下した。
情報伝達の遅れは筋ジストロフィー患者でも報告されている。このため、異常があると筋ジストロフィーを引き起こす遺伝子について調べたところ、ピカチュリンと目で結合し、シナプスを正しく形成するのをジャマしていた。
プロスタグランジン
D2
筋肉破壊抑制
「2009年、大阪バイオサイエンス研究所の裏出良博研究部長と大阪大学の毛利育子順境移住らは、
筋ジストロフィーのモデルマウスに薬物を投与して、筋肉が壊れるのを防ぐ実験に成功した。
デュエンヌ型は筋肉細胞の構造を維持するジストロフィンの遺伝子に異常があることが分かっている。
デュエンヌ型患者の壊れかけた筋肉では炎症やアレルギーなどに関連する物質『プロスタグランジンD2』がたくさん作られ、炎症を悪化させていることから、プロスタグランジンD2を合成する酵素の働きをジャマする薬物を5日間与えた。その結果、体内のプロスタグランジンD2が減少し、壊れた筋肉の体積が半分になり、マウスの筋力も3割以上増加した。」
犬で実験 2010年、大阪バイオサイエンス研究所と国立精神・神経医療研究センターなどは、筋ジストロフィーのモデル犬に薬物を投与し、病気の進行を遅らせることに成功した。
研究チームはデュシュンヌ型のモデル犬に、プロスタグランジンD2を合成する酵素の働きを妨げる薬剤を毎日投与した。双子の一方に生後3ヶ月から薬を与え、もう一方と比べた。
投与1ヶ月後でみると、治療した犬は病状進行が抑えられ、走れた。しかし投与しない犬はほとんど歩けず座り込んでしまった。


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