躁病(そうびょう)
(躁鬱病)
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(おけつ) 「うつ病
躁鬱病(躁うつ病)
  • 躁うつ病
    • 躁うつ病は気分が高揚する躁状態と沈むうつ状態とが交互にあらわれる病気で、生涯の内に日本人の50人に1〜2人がかかるといわれている。うつ状態のときの症状はうつ病と似ているが治療薬などが異なる。
  • 治療指針
    • 2011年、うつ状態と躁状態を繰り返す躁うつ病の治療指針を日本うつ病学会が3月に公表。
    • 治療薬の優先順位や対話による精神療法の取り入れ方を示す。
    • 薬だけに頼っているケースが多いため、指針には患者や家族と対話しながら、病気の情報を正しく伝えたり正しい生活リズムを身につけるように指導したりする精神療法を取り入れる。
    • また、治療に適さない薬や推奨されない治療法なども掲載。
  • 双極性障害
    • 躁の状態とウツの状態が交互に表れる双極性障害は脳の神経の機能がおかしくなって起きる。
    • 決して、周りの人が甘やかしているからでも、本人がわがままだからでもない。
    • 本人はもちろん、周りの人が一生懸命に努力しても症状を抑えきれないことが多い。
      日常生活のストレスを調整すると同時に、薬物療法が必要になる。躁状態に対しては気分安定薬と呼ばれる薬剤を用いる。炭酸リチウム、バルプロ酸、カルマバゼピンなどだ。バルプロ酸をカルバマゼピンはケイレン発作などを起こすテンカンの薬だが、躁状態にも効果的だと分かり積極的に使われるようになった。一般に、気分爽快で強い幸福感に浸っているような状態のときには炭酸リチウムを、気分が悪くてイライラして怒りっぽくなっている時にはバルプロ酸を使うことが多い。
      気分安定薬の治療は2〜3週間で効果が表れることが多い。効果が認められなければ作用の仕方が違う別の気分安定薬を試したり、2つの薬剤を併用することもある。これらの薬剤は血液の中の濃度を調べられる。検査結果を見ながら薬の適切な量を調節する。
      治療初期に、躁状態のためにイライライする気持ちが強まったり怒りっぽくなったり、幻覚や妄想を体験したりしている場合には、気分安定薬の効果が表れるまで待てないことも多い。そのようなときには抗精神病薬でまず気持ちを落ち着かせる。注射で急速に鎮静して危険を避けなくてはならない場合もある。
      症状が改善しても予防のため1年以上は薬物療法を続けるようにする。特に躁状態を2回以上体験した人は出来るだけ長く続けた方がよい。再発を防げるし、かりに再発しても軽い症状で終わることが多いからだ

躁病 躁鬱病の躁状態をいう。
躁病になりやすい人の性格特徴は社交的、善良、親切、情味ぶかく、明朗でユーモアがあり、活発で熱しやすいことが挙げられる。症状としては気分は爽快となり、誰にでも話しかけたりする。自信過剰となり、周囲の人を見下げ、バカにする。よどみなく話すが、一貫性が無く、脱線したり繰り返しが多い。浪費が多く、卑わいな言動も目立ち、非常識な行動をとる取るようになる。
躁病相だけという人は少ない。ほとんどの場合、躁病相と鬱病相を繰り返すことが多い。双方を合わせて躁鬱病という。ゲーテは躁鬱病で5、6年の鬱病相ではほとんど何もせずに過ごし、約7年ごとにくる躁病相(約1年間)では活気に満ち溢れて行動し、恋愛もし、多くの作品を書き残したことは有名である。
(副作用で躁病になる医薬品)
症状 1.爽快気分
2.活動欲亢進
3.自己評価の亢進
4.楽天的態度
5.思考奔逸
6.行動の脱線
夜もあまり眠らず、家族にいろいろ話しかけて寝かせず、家族全員が疲れ果ててしまった。
深夜にもかかわらず、知人に長電話をしたり、
必要のないものを買ったり、
無謀な株式投資を始めたり
頭の回転が速くなり、アイデアが泉の如く湧いてくるように感じ、突発的な行動に出るようになる
臨床分類
  1. 単極型・・・うつ病相がないもの
  2. 双極型・・・うつ病相があるもの
  3. 遷延ないし難治型
診断に 光トポグラフィー検査
うつ病は、症状が多様なため診断が難しい精神疾患です。また、躁鬱病(双極性障害)や統合失調症とも区別がつけにくい。躁鬱病の患者は、“気分の高揚が激しい”などの躁状態と、“やる気が出ない”などのうつ状態を繰り返すが、躁状態でないときにはうつ病との見分けがつけにくい。
正確な診断に役立つと期待され、厚生労働省が診断の補助として使うことを許可したのが、「光トポグラフィー検査」。
トポグラフィーは「地形図」という意味であり、この地形図づくりの「近赤外線」が使われる。
光トポグラフィーの別名は「近赤外線分光法」(Near-InfraRed Spectroscopy)「NIRS(ニルス)」
近赤外線は、1960年頃から植物や人体の水分量や酸素量を調べるのに使われてきた。脳は活動するときに酸素を消費する。酸素を運ぶのは血液中の「ヘモグロビン」だ。ヘモグロビンは肺で酸素を受取り、脳の特定の場所で酸素を引き渡して、肺へ戻る。
この酸素有りのヘモグロビンと酸素無しヘモグロビンは、それぞれ吸収しやすい近赤外線の波長が異なることが知られている。脳に近赤外線を照射すると、近赤外線は2〜3cmの深さまで入り込み、一部はヘモグロビンに吸収され、一部は反射して戻ってくる。そこで、異なる2波長の近赤外線を同時に照射し、戻ってきた波長を計測すると、ヘモグロビンの濃度を推定することができる。
検査では、近赤外線を照射するヘルメット型の装置を患者の額(前頭葉)をおおうように取り付ける。この装置には検出器をそなわっており、反射してきた近赤外線を0.1秒ごとに計測する。患者は「え」や「ま」などから始まる単語を思い出しながら発声する課題を約60秒間おこなう。精神疾患の患者にはもともとこうした課題がうまくできない経口があるため、脳の活動の違いを調べるのに適している。こうして得られた画像の特徴は、疾患によって明確な違いがある。総合失調症ではほとんど脳の活動が無く、うつ病ではわずかに活動が増える。躁うつ病では、さらに活動の領域が広くなる。一方、健常者では前頭葉全体が活発に活動する。
ウツ
から
躁へ
先日、ある地域の保健所でうつ病について話をした。聴衆の方から質問を受けた。1つは「うつ病の治療の結果、患者が躁病状態になることがあるか?」という質問だった。確かにそう言うことがあるので注意しなければならない。
うつの状態と躁の状態が交互に認められる双極性障害(いわゆる躁鬱病)の患者では、まずウツ状態が表れ治療でそれが改善した後に躁状態が表れる場合がある。抗ウツ薬が効きすぎて躁状態になることがある。
もう1つの質問は「患者が躁状態になっているのに気づいた家族は、それを医師に知らせなくても良いか?」というものだ。精神科医が躁状態に気づけるかそうかはケースバイケースだ。
明らかに精神状態が変化して、服装が急に派手になったり、診察室で大きな声で一方的に話し続けたりするようになれば気づく。患者によっては、自分の気持ちが少し効用しているようだと医師に教えたりもする。しかし、症状の変化がわずかだと精神科医が躁状態に気づかないこともある。長く続いた鬱状態を患者と一緒になって乗り切ったあとなど、状態が良くなったとつい喜んで、行きすぎて軽い躁状態になっていることに気づかない。これは抗ウツ薬を日本医上位に広く使っている米国でも議論にもなっている難問だ。患者も気持ちが楽になったことを喜んで、元気になりすぎているとは自覚できない。
こうしたときは家族からの情報がものをいう。ともすれば家族は「医者は忙しいので口を差し挟むと悪いのではないか?」とか、「自分が甘やかすから極端な行動をとるのではないか?」などと考えて、医師に相談することをためらいがちだ。しかし、精神の病気は患者と医師だけでなく、家族も一緒になってケアすることが大切だ。患者と一緒に診療室に入っていいかもしれないし、それが難しい場合には医師に手紙を書いて具体的な問題を伝えてもイイかも知れない。そうした家族からの手助けは必ず治療に役立つはずである
治療 「金属リチウムが使われる。」(躁鬱病になぜ効くか分からないが効く)
【西洋薬】「リーマス(炭酸リチウム)」
脳神経 再生を促す
2008年5/27、愛知県岡崎市にある自然科学研究機構・生理学研究所の等誠司准教授らのグループは、躁鬱病に使われる藥に脳神経の再生を促進する働きがあることを世界で初めて確認した。
脳の万能細胞である神経幹細胞の働きを藥が活発にする。
神経再生の働きを見つけたのは、躁鬱病患者の感情の起伏を安定させる薬として広く使われている[リチウム][バルプロ酸][カルバマゼピン]の3種類。
患者の投与するのに相当する量をマウスに3週間与え、変化を調べた。薬を飲ませ続けると、神経幹細胞の働きを活発にする特殊なタンパク質が盛んに増える。これによって幹細胞も5割りぐらい増え、細胞全体の数も増える。
体内の万能細胞を薬で活性化する手法として注目。
体内濃度 体内のリチウム濃度測定、容易に
1996年、工業技術院物質工学工業技術研究所は、躁鬱病の予防・治療薬に使われる金属リチウムの体液中の濃度を簡単に測定する方法を開発した。リチウムにだけくっつく特殊な有機化合物を開発。結合に伴い色が黄色から褐色に変わり、色に応じて濃度が分かる。体液中のリチウムはナトリウムと見分けにくいが、約10000倍の選択性で判別するという。
NIM 躁鬱症状を抑える
2010年、理化学研究所の加藤忠史チームリーダーらは躁状態とうつ状態をくり返す躁鬱病の症状を抑える物質を突き止めた。
免疫抑制物質の一種に神経細胞を保護する働きがあるとみられる。
遺伝子操作で躁鬱病の症状を再現したマウスや躁鬱病の患者は「シクロフィリンD」というタンパク質を作る遺伝子に異常がある。免疫抑制物質の一種で環状ポリペプチドの「NIM」は、異常なシクロフィリンDの作用を抑えることが分かった。
躁鬱病の症状がある舞うUSに、体重1kgあたり40mgのNIMを投与した。
このマウスは普通のネズミが本来寝ている昼間に活動するなど異常行動がある。昼間に運動用の車輪に乗ったり、回したりする。
NIMを投与すると、昼間に運動用の車輪を回す回数が減少。層うつ状態が改善されたとみられる。
躁鬱病患者は脳の神経細胞内のミトコンドリアに異常があると考えられている。
異常なシクロフィリンDがミトコンドリ穴井で細胞を傷つけると見られている。