| 葬儀費用 |
| 葬 儀 費 用 |
■事前に研究を 身内に突然の不幸があったとき、葬儀にいったいどのくらい費用がかかるのか。他人に聞きにくいだけに、イザというとき、とまどう人も多いだろう。知っておいて損はない、納得できる葬儀の在り方を探った。 “もっと父が喜ぶ方法があったかもしれない”首都圏に住む団体職員のAさん(65)は、最近、知り合いの通夜や告別式に出かけるたびこんな思いを抱く。一昨年に父親を亡くしたが、生前、葬儀についての希望は聞かずじまい。このため葬儀会社が「このくらいが一般的です」とすすめるプランに従った。 しかし他人の葬儀をよく観察すると、祭壇は質素だが通夜に参列した人々への「通夜振るまい」と呼ばれる食事の席で、故人が好きだった日本酒を振る舞ったり、香典返しに故人の希望を反映したりしたケースがあった。「お金のかけ方にメリアリをつけることで、参列者に故人の人柄を感じてもらう余地がある、と感じた。自分の時はどんな葬式にしたか考えておきたい」とAさんは話す。 平均228万7千円。日本消費者協会が1999年に全国約1000人を対象に実施した調査で分かった葬儀費用の総額だ。宗教や宗派、地域の慣習によって異なるため最低で11万円、最高で1200万円と開きも大きいが、一般的ニはある程度まとまったお金が必要になる。 葬儀費用は、祭壇や棺など、通夜・告別式に伴う設備や人的サービスなど葬儀本体にかかる費用、参列者などへ振る舞う飲食代、そして寺院など宗教者へ払う費用の3種類から成り立っているのが一般的。同協会の調べでは、 葬儀本体にかかる費用の平均は130万9千円、 飲食代が45万4千円、 寺院へ払うお経料と戒名料(いわゆるお布施)が49万8千円だった。 これまで「料金体系が不透明」と批判の多かった葬儀業界だが、競争激化を受けて、葬儀費用を明確にして、選択肢を増やす動きが広がっている。 業界最大手の公益社では、個人葬の場合、白木、花など祭壇の格や修飾の量に応じ30万〜400万円まで16段階(自社式場の場合)の料金をパンフレットに明示。これを棺と会場の受付用品などを含む基本葬儀料金として設定し、遺影や生け花装飾といった項目は数種類の選択肢を用意している。 同社では2000年11月から、インターネットのホームページ上で見積もりができるシステムも導入した。 掃除に関する著書のある行政書士の中井博文さんによると、満足いく葬儀を実現するには、事前に費用面の情報収集が不可欠だという。「葬儀をタブー視するのではなく、生前から資料を複数取り寄せ、何が含まれ何が足りないのかについて、家族と一緒に研究し業者を選んでおくとよい」という。 費用の中で意外にかかるのが、参列者への礼状や香典返し、飲食代。 故人が勤め先を退職して長くなる場合などは、特に参列者数を判断するのが難しい。そこで役立つのが故人の年賀状の枚数。「礼状などは多めに見積もるので足りないことはないが、思ったより参列者が少ないと式場がガランとしてしまって寂しさが増すので、年賀状や手紙などで故人の交遊状況を把握しておきたい」と東京葬祭の本部長、大坪義文さんは助言する。 葬儀は支出だけでなく収入もある。参列者から送られる香典に加え、国民健康保険に加入していれば葬祭費が、企業の健康保険なら埋葬料が支給される。とはいえ、東京都が96年にまとめた調査では都民の59.1%が「支払額は香典では全く足りなかった」と回答。 寺院や葬儀社への支払いは数日以内に現金で済ませるのが一般的だ。 故人の預金口座は死亡届が出された後は閉鎖され、引き出しには煩雑な手続きが必要。こんな場合に対応し、米プルデンシャルグループ傘下のジブラルタル生命保険は、契約者が死亡したら300万円を限度に即日保険金を支払うサービスを昨夏から実施している。 意外に忘れがちだが、通夜や告別式の費用、僧侶や寺院へのお布施などは相続税の控除対象。ただし領収書が必要なので、葬儀業者や寺院に依頼し、確実に入手しておきたい。 |
| 心付け | 葬儀の混乱の中で「心付け」などの名目で不要な金を支払わされたとして、兵庫県川西市の男性が、冠婚葬祭の大手「ベルコ」(兵庫県西宮市)に約90万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁伊丹市支部は2004年6/25日までに、約30万円の支払いを命じた。 判決理由で裁判官は「顧客と業者では葬儀の知識に関し格段の差異があり、顧客が圧倒的に不利な立場にある」と指摘。「心付けについて、支払いが任意であると告知せずに支払いを受けたことは社会的に相当性を欠く」とのべ、10万円の慰謝料などを認めた。20046.25《日本経済新聞》 |
| パック商品 | 不透明で高額と指摘されてきた葬儀料金。だが核家族化に伴い葬儀を簡素化する世帯が増えている。 日本消費者協会(東京千代田区)が2003年に実施した調査では、葬儀社に支払った費用(飲食接待と戒名などの寺院費用を除く)の平均額は150万円。だがこれが相場火と言えば、一概にそうとはいえないようだ。葬儀料金は葬儀の規模や、葬祭場を利用するか自宅で行うかどうかで大きくばらつく。同協会の調査でも10万〜400万円と大きな幅があった。 葬儀社側では料金を見直す動きが広がっている。石山葬祭社総本店では2年前に祭壇や霊柩車、火葬料などが込みで84万円のパック商品「安心花プラン」を売り出した。「一式にかかる費用を明示することで消費者の利便性を高める」ねらいだが、実質的には値下げの意味合いが強い。 最近はフランチャイズ方式で全国展開する業者も増えてきた。 「家族葬のファミーユ」のブランド名で葬儀サービスを提供するエポック・ジャパン(東京港区)は40万〜120万円までの5プランを用意。外資系葬儀社のオーネルイションズ・ソサイティ(米コロラド州)も一式で\295000という料金を提示し、消費者の低価格志向に対応している。 一方で、サービス内容を拡充して単価上昇を狙う葬儀社もある。最大手の公益社(大阪市)は高付加価値戦略で単価の引き上げを実現している。同社では「エンバーミング」と呼ぶ遺体衛生保全サービスをオプションで提供。10数万円の施術料は罹るが、死に顔を自然な表情に戻せるとして需要が伸びており。利用率は4割を超える。 葬儀業界には法外な料金を要求する悪徳な事業者が業界イメージを損ねてきた歴史がある。 |