風邪
喫煙
アルコール性肝障害
薬と健康食品の相互作用



ほかの薬や飲食物との相互作用
相互作用とは?
  • 薬と薬の飲み合わせや、くすりと飲食物の飲み合わせによって、副作用が強くなったり、くすりの効果が弱くなったりすることを相互作用といいます。


(体内動態)
くすりが体内で@吸収 A分布 B代謝 C排泄という「体内動態」のプロセスで起こります。
  • @吸収・・・小腸
    • 消化管のpHの変化や傷寒運動の亢進・抑制などを引き起こす成分は、併用薬の吸収率や吸収速度に影響を与えることがあります。
    • 薬物の吸着性や溶解性・分解性なども相互作用を引き起こすことがあります。
  • A分布・・・血液
    • 血液に入ったクスリの一部はアルブミンなどの血漿タンパク質と結合します。
    • クスリの効果をあらわすのは血漿タンパク質と結合しなかった遊離型の成分です。
    • 血漿タンパク質と結合しやすい併用薬があると、血漿タンパク質との結合に競合が生じて、遊離型の成分量が増えて作用が強くなる可能性があります。
  • B代謝・・・・肝臓
    • クスリの代謝は薬物代謝酵素(チトクロームP450=CYP)によって、おもに肝臓で行われます。
    • CYPには多くのグループがあり、どの薬の分解・解毒をするかが決まっています。
    • 薬の成分の中には、このCYPを阻害して併用薬の代謝を抑制したり、逆にCYPを誘導して併用薬の代謝を促進することがあります。その結果、併用薬の作用が強くなったり、弱くなったりします。
  • C排泄・・・・腎臓
    • クスリの成分や代謝物は刺し週的に尿や胆汁へと排泄されます。
    • 腎臓では薬物の再吸収も行われ、尿のpHの変化などによって排泄が促進されたり、成分が長期間残留することがあります。


CYP(薬物代謝酵素)の阻害・誘導と作用の発現
未変化体+代謝物
  •    未変化体が薬効を発揮し、代謝物は排泄される
未変化体+(代謝物)
  •    代謝が抑制され、未変化物が増加し、作用が増強される
(未変化体)+代謝物
  •    代謝が促進されて代謝物が増加し、作用が弱まる


アルコールとの併用で(相互作用)
  • アセトアミノフェン
    • 『アルコール・アセトアミノフェン症候群』は
    • 約10年前から英国。数年前からは米国で話題になっている。
       米国で一番飲まれる解熱剤アセトアミノフェンはほとんど肝臓で分解されるが、少量の肝臓毒素が出来る。大量のアルコールがあると、この毒素を無毒化するのに必要な物質が出来ない。肝細胞が壊れて有害物質が脳に回って意識を失う。48人の死亡を報告した医師もあり、アルコール中毒の死者のかなりの者がこの症候群だった可能性がある。昏睡時は8時間以内にアセチルシステインの注射で救命治療をする。埼玉県で起きた保険金殺人事件で風邪薬が「凶器」に使われていたことが分かり、多くの人が驚いた。欧米では風邪薬の主成分である[アセトアミノフェン]をアルコールと一緒に飲むと重い肝障害を招くことは良く知られており、社会問題にもなっている
  • 睡眠薬
    • アルコールとの相乗作用では、睡眠薬・精神安定剤、大麻やモルヒネなども命に関わる。
      いずれも脳の働きを抑える作用があるが、アルコールと一緒になると呼吸中枢の働きまで抑えて、一晩で死に至る危険もある。
      睡眠薬を常用していたマリリン・モンローやエルビス・プレスリーらの死因がこの種のものだったと見られている
  • 精神安定剤
    • 一時的な精神錯乱を引き起こすことも知られている。精神安定剤ジアゼパムを飲んで錯乱状態になった女性が男友達を撃ち殺した事件の法廷で証言したことがある。もう少し軽い状態では、記憶喪失などがある
  • 酔いが加速される
    1. アルコール分解酵素の働きを抑制するH2ブロッッカー(シメチジン) 
    2. 血糖降下剤の大部分
    3. セフェム系抗生物質
    4. 睡眠薬(少量)
    5. 大麻(少量)
    6. モルヒネ(少量)
    7. ロヒプノール
  • 作用が緩和する
    1. 痛風薬
    2. 中性脂肪を下げる薬







異なる薬を一緒に飲むと、薬に効き目が打ち消されたり、強まったりして、思いもかけない作用に合うことがある。服用時間の違いで薬の効き目や副作用が異なることもある。薬の飲み合わせが悪いと死に至るケースがある。自分の薬の適切な飲み方などをきちんと知ることが大切だと専門家は口をそろえる。
1993年の秋、抗ガン剤と抗ウイルス剤を併用した患者16人が亡くなるという事件が起きた。免疫力が低下したガン患者の帯状疱疹を抑えるために投与した抗ウイルス剤が、抗ガン剤の代謝(分解)を妨げたのが原因だった。
●吐き気・血圧低下
薬は肝臓の酵素によって代謝され、血液とともに全身を巡り吸収される。薬は代謝されやすさをあらかじめ計算して投与量などが決められている。しかし、異なる薬を同時に使うと、お互いの代謝や吸収に影響を及ぼし、作用を変化させる場合がある。
例えば、
(1)呼吸器など様々な感染症の治療に使うニューキノロン系の抗生物質は、金属イオンと結合すると水に溶けにくくなる。このため、金属イオンを多く含む胃腸薬と飲み合わせると、ほとんど吸収されず抗菌効果を発揮できない。カルシウムを多く含む牛乳と一緒に飲むのも禁物で、普通の水で飲まなければ効果が無い。
(2)喘息治療薬のテオフィリンは消化器潰瘍の治療薬であるシメチジンと併用すると代謝しにくくなり、吐き気などを引き起こす。異なる薬同士の相互作用は点眼薬と内服薬の間でも生じる。眼圧を下げる目薬と虚血性心疾患薬を併用した結果、脈拍が正常の1/2程度に落ち込んだ例がある。
●正確な知識が必要
共立薬科大学の吉山有二助教授は、薬を飲むタイミングも重要だと指摘する。
生体には1日の周期的なリズムがあり、血圧やホルモンバランスが変化するためだ。
高血圧薬の服用時間をそのリズムに合わせて変えただけで症状が改善した例がある。
米国では、抗ガン剤の投与時間を変えると生存期間が延びたという研究結果も出ているという。
糖尿病治療薬などでは、食前に飲まないと低血糖を起こす場合もある。
東京大学付属病院の伊賀立二薬剤部長は「薬を受け身で処方してもらうだけでなく、医師や薬剤師のアドバイスをきちんと聞いて、薬について正確な知識を持つ必要がある」と強調する







「ニコチン、一酸化炭素、タールなど多くの有毒物質を日常的に体に取り込んでいる喫煙者は、肝臓の薬物分解酵素の働きが強くなり、薬も分解されて効き目が悪くなることが多い。禁煙すると、分解酵素は弱まるから、薬の量を減らす必要がある。
<1>この種の薬には、
 1.抗喘息剤(テオフィリン)、
 2.狭心症治療剤や血圧降下剤として広く使われる(ベータ遮断剤)、
 3.鎮痛剤
 4.非ステロイド系抗炎症剤
 5.胃潰瘍薬「(シメチジン
 6.抗不安薬
 7.精神安定剤などがある。
<2>「タバコは血管収縮作用があるので、糖尿病薬インスリンなど皮下注射薬の吸収が悪くなる。
不整脈治療や局所麻酔薬として静脈注射するリドカインなども喫煙者には量を増やすが、多すぎると、危険である






2005年、東京慈恵会医科大学の松浦知和講師らは、複数の薬剤を同時に投与した場合の相互作用を予測できる手法を開発した。肝細胞を培養した『人工肝臓』を使うのが特徴。ほぼ実用化レベルにある。
ヒトの肝細胞をつかった人工肝臓は直径2cm、高さ2cmの容器中に、直径20マイクロb(1マイクロ=1/100万)ほどの肝細胞を約5億個入れた構造。この人工肝臓に調べたい薬や新薬候補物質を血液代わりの培養液などと一緒に投与し、作用を分析する。培養液は循環するようになっている。
人工肝臓は、シャーレ上に水平に並べたシステムと違って立体的なうえ、培養液を効率的に流せるので、本物の肝臓に近い反応を示す。
動物実験で、肝臓の機能を一部代替できることを確認した。
細胞を培養するため、容器内にセラミック製ビーズを詰めた、培養液を上下左右からまんべんなく流すので、細胞を高密度に培養できる。
新手法の性能を調べるために、リファンピシンという抗結核薬が男性ホルモンの代謝に影響を与えるかどうか実験。容積が5mlの人工肝臓に容器に血液代わりの培養液を流し、リファンピシンを2回投与した。投与量は培養液1ml当たり41mg。
次に男性ホルモンを5回投与。投与量は1ml当たり144mg。30分ごとに男性ホルモンの濃度を計測して計算したところ、男性ホルモンの代謝率が2倍に上がっていた。
従来のヒトの細胞を使った実験では、代謝を担う酵素が十分活性化しないことがあり、複数の薬を同時に投与した場合の肝臓の反応がわかりにくかった。薬が肝臓で代謝されなければ、投与量を守っても副作用が強く出る恐れがある。



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