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水素 宇宙で一番多い元素
反水素原子 通常の水素原子とは逆に、マイナスの電気を持つ反陽子とップラスの電気を持つ陽電子からなる「反水素原子」の大量合成に日本や欧州の国際共同実験チームが成功。2002年9/18付けの英科学誌ネイチャー電子板に発表した。
反水素原子と水素原子の違いを探り、物理学の基礎を検証する実験に道を開く画期的な成果。
実験チームは欧州合同原子核研究所(CERN、ジュネーブ)に反陽子と陽電子を作る装置を建設。真空にした金属管の内部で、強い電磁力で閉じこめた約1万個の反陽子と、約3億個の陽電子を混合させた。
反陽子と陽電子が1個ずつくっついて反水素原子が出来ると、電気的に中性となり、電磁気力の閉じこめから逃げだし、周りの物質にぶつかって消えるという特有の反応が起きる。チームはこの反応を検出、約3分間の混合で反陽子全体の1/4が陽電子とくっついて反水素原子になったことが分かった。東京大学の早野龍五教授は「20時間で少なくとも約5万個を合成した証拠を得た」と話している。
反水素原子の合成はスイスなどのチームが1995年、、最初に成功した。ただ、できた反水素原子は9個、ほぼ光速で飛び約40ナノ秒(1/2500万秒)で消滅した。
プロトニウム 反陽子水素原子
早野龍五東京大学教授と欧州合同核研究期間などの研究グループは、通常の物質と、それとは電気的性質が反対の『反物質』とを化学反応させ、原子始を作ることに成功した。
電気がLの水素分子イオンとYの反陽子を反応させ、『反陽子水素原子(プロトニウム)』をつくった。こうした反応で原子を作ることが出来たのは世界で初めて。
この原子の直径は理論計算では約0.1ナノbだが、実際の観測値は約0.5ナノメートルで、約5倍大きかった。
7重水素 これまでで最も重い水素の同位体である7重水素を作ることに谷畑勇夫・理化学研究所主任研究員らの国際共同チームが世界で初めて成功、3/14米物理誌フィジカル・レビュー・レターズに発表した。
普通の水素の原子核は陽子1個で出来ているが、7重水素の原子核は陽子1個と中性子6個が結びついた構造。
普通の水素の約7倍の重さがある。
7重水素をつくったことで陽子や中性子の間に働く力の理論を検証するのに必要なデータがそろった。
 水素をつくる 水から分離
二酸化炭素を出さない「人類究極のエネルギー」と言われている水素を安価なシリコンを使い、従来の30倍の効率で水から取り出せるチップ型の触媒の開発に。関西学研都市の財団法人「地球環境産業技術研究機構」(RITE)が世界で初めて成功した。
光に反応して水素を分離させる働きを持つ光触媒で、水素燃料の自動車やジェット機の実用化に大きく道を開くことになりそうだ。
これまでの光触媒は主に酸化チタンや酸化鉄などの粉末で、光のエネルギーに変換できる率は0.1%に過ぎなかった。しかも酸素と混合して出てくるため、分離が困難だった。
これに対し、RITEが開発に成功したのは、シリコン素子半導体とコバルトモリブデン、鉄ニッケル酸化物などの金属を重ねて厚さ2ミクロンの膜状にしたもので、光を当てると膜から水素と酸素が分離してできる水素への変換率は従来の30倍にあたる3%にまで向上。チップ型で、用途に応じて加工もしやすい。
可視光線で
独立行政法人の産業技術総合研究所は太陽光の半分を占める可視光の力で水から水素と酸素をつくる触媒を開発した。無尽蔵の水と太陽光でクリーンな水素エネルギー製造に道を開く成果という。
開発した光触媒はニッケルを混ぜた無機酸化物半導体(インジウムタンタレート系化合物)の微粉末。
水に入れて波長402ナノメートル(1ナノ=1/10億)の可視光を当てたところ、水素と酸素ができた。
水素の量が酸素の2倍できるほか光を消すと発生しないことから、触媒の働きで水が水素と酸素に完全分解しているという。
太陽光のわずか3%の紫外光で水を水素と酸素に分解する触媒はあったが、可視光で成功したのは初めて。
DMEから安価に
東大の菊池隆司准教授らと京都大学、出光興産、科学技術振興機構のグループは、ジメチルエーテル(DME)を原料に水素を効率よく作る触媒を開発した。
成果は2008年9月の触媒検討会で発表。
開発した水素製造触媒は、酸化鉄の表面に微少な銅が分散して結合した立体結晶構造をしている。新触媒は、350℃という低い温度で反応できる。1000時間の利用も可能。劣化しても空気中で加熱すれば再利用できる。
水素イオン 日本原子力研究所関西研究所(京都府木津町)などは、2003年11/18、レーザーを使って高エネルギーの水素イオンを発生させる実験に成功した。実験は原研関西のほか、東京大学・京都大学・広島大学の研究グループが参加した。最大出力3兆ワットのレーザー光を50フェムト秒(フェムト=1/1000兆)秒照射し、鏡で反射させて水素を含む金属の薄膜に集光する。
レーザー光はまず、強度の弱いタイプが発生し、物質がプラズマ(電離ガス)状態になり電子とイオンに分かれる。数ナノ秒遅れて本来の強いレーザーが発生し、レーザーの進行方向に電子と水素イオンが加速されてビームになる仕組み。
細胞内のエネルギー生産で重要な働きをしている水素イオンを、1平方ナノbレベルで監査できる技術を東京大学・奈良女子大学・英クイーンズ大学のグループが開発した。
脳梗塞 日本医科大学の太田成男教授らは、水素に脳梗塞の治療効果が期待できることを動物実験で確認した。
水素には細胞を傷つける活性酸素の働きを抑える抗酸化作用があるため。
成果は2007年5/7のネイチャーメディシン電子版に掲載。
脳の血管の一部が詰まった後に活性酸素が発生して脳を傷つける『虚血再灌流』状態の脳梗塞ラットで実験した。2%の水素を含んだ空気を2時間吸わせた後、1日経過してから脳を詳しく調べた。吸わせなかったラットと比較すると脳の神経細胞が死滅した範囲が半分ぐらいだった。
現在、脳梗塞に使っている薬剤よりも効果が大きかった。
活性酸素には体に有害なものと、必要なものがある、現在使われている抗酸化物質の一部は、どちらも抑制してしまうため体に害を与える可能性が指摘されている。
太田教授らによると、水素には有害な抗酸化物質だけを抑制する作用があるという。
見る 蛍光物質を使って水素イオン濃度(pH)の分布を視覚化することに内山誠一・東京大学薬学系研究科助教が成功した。
成果は2008年5月のドイツ化学誌「アンゲバンテ」に掲載。
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