不安神経症
パニック障害
西洋オトギリ草
恐怖症
ウツ病
不安
不登校




社会恐怖症=「社会不安障害」
  • 人前でスピーチすると極度に緊張する人や、大勢での会食が苦手な人で、会社を休んだり会議を欠席したりする。
    10代半ばから発症するケースが多い。症状を性格の問題と考え、受診しない人が多い。
    発症のメカニズムは不明だが、精神を安定させる神経伝達物質「セロトニン」のバランスが崩れることが原因と考えられている。
    有病率:
    1. 日本・・・0.7%
    2. 米国・・・6.8%

    2005年10月に、抗うつ剤「ルボックス」の効能に社会不安障害が追加された




診断基準(DSM-W):
 以下のA〜Hの各項目を満たすことが必要です。
  1. 良く知らない人々の前で注視されるかもしれない社会的状況、または行為をするという状況の、1つ以上に対する顕著で持続的な恐怖。
    患者は恥をかいたり、恥ずかしい思いをするような形で行動(または不安症状を示したり)することを恐れる。
  2. 恐怖している社会的状況によって、ほとんど必ず不安反応が誘発され、それはパニック発作の形をとることがある
  3. 患者は恐怖が過剰であること、または不合理であることを認識している。
  4. 恐怖している社会的状況または行為を患者は回避しているか、そうでなければ、強い不安または苦痛を伴っても患者は耐え忍んでいる。
  5. 恐怖している社会的状況または行為の回避。不安を伴う予期、または苦痛のために、その人の正常な毎日の生活習慣、職業上(学業上)の機能、または社会活動や他者との関係に障害が起きている。
    また、その恐怖症があるために著しい苦痛を感じている。
  6. 18歳未満の患者の場合、持続期間は少なくとも6ヶ月である。
  7. その恐怖または回避は、物質(例:乱用薬物・投薬)または一般的な身体疾患の直接的な生理的作用によくものではなく、他の精神疾患(例:広場恐怖をともなう、又は伴わないパニック障害、分離不安障害、身体醜形恐怖、広範性発達障害、又は分裂病質人格障害)ではうまく説明できない。
  8. 一般的な身体疾患や他の精神疾患が存在している場合、基準Aの恐怖はそれに関連がない(例:吃音症、パーキンソン病の振顫、または神経性無食欲症または神経性大食症の異常な食行動を示すことへの恐怖でもない)




人前で字を書くと、
首〜肩、ひじ〜手にかけてこわばり、手がふるえてしまう
  • Dさんは36歳の家電会社の営業事務員です。大学卒業後、現在の会社に就職して15年になります。結婚して妻の両親と同居していますが、家庭内に取り立てて問題ななく、Dさんにストレスになるようなことは見あたりません。
    彼が医師を訪れたのは、人前で字を書くと、首〜肩、ひじ〜手にかけてこわばり、手がふるえてしまうという悩みのためでした。
    Dさんが、人前で角の緊張感を意識したのは高校時代です。16歳の時に国語の授業で緊張して本が読めなくなり、それ以来、自分は緊張しやすいタイプだと考えるようになりました。人前で字を書くと手がふるえる(書痙)という経験は、大学在学中からあったようですが、そのうち良くなるだろうと放っておいたそうです。
    書痙を深刻に悩むようになったのは35歳のときで、社長や来客の前で字を書こうとすると、手先がふるえ首から肩に掛けて突っ張ったようになり書くことが出来ず、とても恥ずかしい思いをしてからです。それからはパーティなどで記帳しようとしても手がふるえ、無理に字を書こうとすると書くにつれて字が小さくなってしまうのです。ますます人前で字を書くことが嫌になり、会社の中でも仕事中に誰かが見ていると思うだけでも、手がふるえるようになってきました
    その後、精神科にかかり、抗不安薬のエチラゾラムを服用しましたが、唇がしびれるなどの副作用が出るのみでいっこうに良くならず、薬物の治療にこりて心理療法を希望し、別の医療機関を訪問した。
    Dさんの病気は、最近の精神医学では「社会恐怖」と診断される状態です。その中心にあるのは、自分が相手に対して好ましくない印象を与えるのではないか、恥をかくのではないかというおそれです。日本人の場合、この状態がさらに進んで、相手に失礼なことをするのではないか、相手の気持ちを傷つけてしまうのではないか、といったことを恐れます。
    どちらにせよ、この恐れの根底には、自分の状態や行動の結果を他人に低く見積もられてしまうという恐怖感が潜んでいます。
    このような恐怖感を「社会不安」と呼んでいますが、これが過剰になり、その恐怖場面を回避したり強く悩んだりするようになると病気ということになります。Dさんのような人前で書くことを恐れる以外に、社会恐怖には、人前での発表を恐れる『スピーチ恐怖症』、客にお茶を差し出す時に手のふるえを恐れる『接待恐怖症』、人前で顔が赤くなる『赤面恐怖症』、電話に出ると声が震える『電話恐怖症』、人前で大汗をかく『発汗恐怖症』、他人の注目を浴びると顔が硬くなる『視線恐怖症』、他人と食事をすると喉が詰まってしまう『会食恐怖症』などがあります。
    治療は薬物療法に、クロナゼパムを用い、心理療法として行動療法を採用しました
    まず、臨床心理士が面談して、Dさんが不安を感じる場面を具体的に聞き、不安階層表を作りました。
    次に、不安階層表に従って、不安度の低い書字場面から不安度の高い場面に向かって徐々に直面させる方法[エクスポージャー(暴露)法]を行いました。
    さらに、「自立訓練法」を併用しました。自立訓練は意識的に筋肉の力を抜き(脱力)、呼吸を整え(腹式呼吸)、体のリラックスを得る方法です。
    体をリラックスさせると、精神交互作用によって、心もリラックスします。心のリラックス状態と不安が同時に存在することは出来ません。ですから、まず、はじめに不安と相容れないリラックス状態を作ると、不安を引き起こす刺激を与えても、不安状態は起こりません。これを行動心理学では『逆制止』と呼んでいます。このようにリラックス状態を作っておき、不安階層表の点数の低い場面から徐々に点数の高い場面のイメージを浮かび出させて、恐怖や不安を除去する方法を『系統的脱感作療法』と呼んでいます。
    Dさんが暴露法と系統的脱感作療法を受け始めてからの様子は、以下も通りです
    第1回:
     「デパートでアンケートに答えた。少し肩が突っ張る感じがした。同僚の前では積極的にメモを取るようにしている。自立訓練法では両腕の重感を感じられるようになった。」
    第2回:
     「同僚や顧客の前でメモを取るようにしている「ふるえがくるかな」という不安はあったが、実際には無かった。」
    第3回:
     「1日に1錠服用する薬は効いている用に感じている。かなり大切な顧客が来て、その前で代筆したが、以前ほど緊張しない。自立訓練法の練習をする際には眠らないようにし、また、両腕と両足の重さを感じ取れるようになった。」
    第4回:
     「課長と顧客の前でサインをした。課長にサインをしてくれと言われた時から、ドキドキして緊張した。手のふるえは無かったが、少し字が縮んでしまった。一方、課長と部長との話し合いの場でメモととった時は、ほとんど緊張しなかった。同僚の前での書字については不安は無くなっている。
      自立訓練法で両腕両足の重感が感じ取れるようになったので、全身脱力しリラックスした状態で書字場面のイメージを、「車のディーラーなどの前で住所などをサインする」とした。このイメージによって不安はおこら中田。もっと不安度の高い場面をイメージすれば不安が生じるかもしれない。系統的脱感作療法を自宅でも行うことにした。
    第5回:
     「自立訓練法では両腕両足の重さに加えて、両腕両足の温かさまで感じ取ることが出来るようになった。自立訓練をしていると気持ちが静まってくる感じがするようになった。
      4〜5人の顧客を前に書類を鉛筆で簡単なメモをとったが何ともなかった。外でで記帳する機会があったが、つい妻にサインをさせてしまった。まだ不安は高いと思った。自宅で系統的脱感作療法を行っているが、不安度の高い場面をイメージしても、ほとんど不安が感じられなくなった。書字場面に対する自信が少しずつ出てきたことを自覚するようになった。
    第6回:
     「大きな会で署名したが何ともなかった。健康診断があり、その際に名前の記入があった。去年はとても緊張してたのに今年は通常通りかけた。不安階層表の段階1、2は機会があれば積極的に挑戦しようと思うが、なかなか機会がない。段階3の場面には少し不安を感じているが、段階4〜9間ではずいぶんなれた。」
    このように、Dさんの不安はどんどん軽くなっていきました。
  • 行動療法の基本的な考え方は、心の葛藤が症状を引き起こしているという推定を排除し、ただひたすら症状を取り除くことに集中するのです。そして、症状が取り除かれることが、治ったことと考えます。
    精神分析学に代表される従来の精神療法には、症状の根底に、
    [心の深層メカニズム]
    [コンプレックス]
    [無意識の中の心因]
    などを仮定しており、それらの無意識の病理が表面に出てきたものが、症状であると想定してきましたが、このような考え方を立証する科学的事実は何一つ無く、いわゆる精神療法の治療成果を客観的・科学的に証明する論文は見あたりません。大部分の不安症の心理療法には現在のところ行動療法がベストです」(貝谷久宣著「脳内不安物質」p128〜136)







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