消炎鎮痛薬
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関連情報
抗炎症薬」「疼痛

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
Non-Steroidal Anti-Inhlammatory Drugs
末梢(痛みの発生部位)に発生した炎症を抑えたり、中枢(脳の視床下部)に働いて熱を下げる作用のある薬です。
成分名 商品
プロピオン酸 ロキソプロフェンナトリウム 「ウナスチン」
「オキミナス」
「オプロニック」
「カンファタニン」
「キサイニン」
「ケンラン」
「コバソニン」
「コバロキニン」
「サンロキソ」
「シラブル」
「スリノフェン」
「ツルメリン」
「ノブフェン」
「ピナプロフェン」
「ポナベルト」「リンゲリーズ」
「レトラック」
「ロキソート」

ロキソニン
「ロキソプロフェンアトリウム」
「ロキソマリン」
「ロキフェン」
「ロキフラン」
「ロキプロナール」
「ロキペイン」
「ロゼオール」
「ロブ」
「ロベニット」
「ロルフェナミン」
ザルトプロフェン ソレトン
「ペオン」
プラノプロフェン 「イチオパン」
「エスチダン」
「エリカプリック」
「ケロスット」
「コバプロフェン」
「セスフラン」
「セブノン」
「タクペイン」
「タツプロフェン」
「テイプロフェン」
「トランセプトン」
ニフラン
「ノイペイン」
「ハオプラ」
「パルトフェン」
「プラフェニック」
「プランサス」
「プランドフェン」
「プロプラノン」
「マブール」
「ルポック」
イブプロフェン
l5年以上の長期にわたり毎日使用すると[乳ガン]リスクが増加し、特に[非限局性癌]はリスク増加が顕著だった(厚労省

m500mgを超えると。高血圧発症リスクが有意に高まった(厚労省
「サブヘロン」
「セデナフェン」
「ナギフェン」
「ナバセチン」
「ファステリン」
「ブフロン」
ブルフェン
「ブルファニック」
「モギフェン」
「ランテールン」
ケトプロフェン 「オルヂス」
「カピステン」
「メナミン」
フルルビプロフェン 「アップノン」
「フロベン」
フルルビプロフェン・アキセチル 「ロピオン」
オキサプロジン 「アモリンタン」
「アルセロジン」
「アルボ」
「アルテルボ」
「イナミジン」
「オキサチリン」
「オキシアシドン」
「オキネスジン」
「オセファジン」
「オロサルジン」
「キサプジン」
「サルボナート」
「パピルジン」
チアプロフェン酸 「サムナント」
「スリメン」
「スルガフェン」
「スルガム」
「チオガム」
ナプロキセン 「サチルロン」
「ナイキサン」
「ナロスチン」
「モノクロトン」
「ラーセン」
フェノプロフェンカルシウム 「フェノプロン」
アルミノプロフェン 「ミナルフェン」
アリール酢酸 インドメタシン 「インダシン」
「インテバン」
インドメタシン・ファルネシル 「インフリー」
「インフリーS」
ジクロフェナクナトリウム 「アスピゾン」
「アデフロニック」
「アデフロニックL」
「アナバン」
「イリナトロン」
「ガウテリン」
「クロルギー」
「サピスミンTP」
「サフラック」
「サンナックス」
「シーコレン」
「ジクロード」
「ジクロニック」
「ジクロニックl
」「ジクロフェナクナトリウム」
「ジクロフェナック」
「ジクロフェノン」
「ジフェナック」
「ソファリン」
「ソレルモン」
「ソレルモンSR」
「ダイスパス」
「ダイスパスSR」
「チカタレン」
「ドセル」
「ドンジャスト」
「ドンジャストA-SR」
「ナポールSR」
「ニフレリール」
「ネリオジン」
「パレタン」
「ピナナック」
「フェナシドン」
「フェニタレン」
「ブセトン」
「プレシン」
「プロフェナチン」
「ベギータ」
「ボナフェック」
「ボラボミン」
ボルタレン
「ボルタレンSR」
「ボルマゲン」
「ボンフェナック」
「メクロフェン」
「メリカット」
「ヨウフェナック」
「ワンフェロン」
スリンダク 「クリナックス」
「クリノリル」
「クリローレル」
「スカノーリン」
「スクリノール」
「スリンペン」
フェンブフェン 「ナパノール」
アセメタシン 「コバメタシン」
「ランツジール」
アンフェナクナトリウム 「フェナゾックス」
ナブメトン 「レリフェン」
マレイン酸プログルメタシン 「ミリダシン」
エトドラク オステラック
「ハイペン」
モフェゾラク 「ジソペイン」
オキシカム アンピロキシカム フルカム
ピロキシカム 「アムテネン」
「アルディン」
「アルビラック」
「キメタジン」
「キュウメート」
「キョワカルム」
「ドラフトン」
「バキソ」
「パルパシン」
「ピアテック」
「ピオパール」
「ピペタネン」
「ピリポ」
「ピロカルミン」
「ピロキパール」
「ピロリッチ」
フェルデン
「ベリーズ」
「ボウエス」
「ボンビコール」
「ラピスリン」
「ルメリーム」
テノキシカム 「ゲスコリル」
「チルコチル」
「リツトリア」
「ルコルナート」
メロキシカム 「モービック」
ロルノキシカム 「ロルカム」
サリチル酸 サリチル酸ナトリウム 「サルソニン」
「ザルソロン」
「ネオザルベリン」
「ハフトロン」
「ヘパルス」
アセチルサリチル酸 アスピリン
サリチルアミド サリチルアミド
フェナム酸 フルフェナム酸アルミニウム 「オパイリン」
「オパフェリミン」
「ヨウフェリン」
メフェナム酸 「オコーナー」
「スパンタック」
「タカピロン」
「トヨネクタール」
「ナムフェン」
「ノイリトールC」
「バファメリチンM」
「ペロトニック」
「ボナボール」
ポンタール
「マイカサール」
「ミルレスト」
「メッフェナムサン」
「メフェナム酸」
「ヨウフェナム」
「ルメンタール」
「ロイヒールS」
「ワンメデー
トルフェナム酸 「クロタム」
ピリミジン系 ブコローム 「パラミジン」

塩基性抗炎症薬
成分 商品
塩酸チアラミド 「アリシドン」
「コレンソール」
「ソランタール」
エピリゾール 「アナロック」
「カルマーテ」
「ノイリトン」
「メプロキサール」
エモルファゾン 「セラピエース」
「ペントイル」

非ステロイド性抗炎症薬による蕁麻疹/血管性浮腫   
厚生労働省
英語名:NSAID(Non-steroidial Anti-inflammatory Drug)-induced Urticaria/Angioedema
じんましん/血管性浮腫は、
皮ふが地図状に盛り上がり、かゆみをともなう、もしくは急にくちびるやまぶた、顔面がふくらむなどの症状がみられる病態です。
アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(解熱消炎鎮痛薬)を服用していて、特に次のような症状がみられた場合には、緊急に医師・薬剤師に連絡して、すみやかに受診してください。
  • 急にくちびる、まぶた、舌、口の中、顔、首が大きく腫れる」、
    のど のつまり」、
    息苦しい」、
    話しづらい
※ 息苦しい場合は、救急車などを利用して直ちに受診してください。
1.非ステロイド性抗炎症薬によるじんましん/血管性浮腫とは?
  • アスピリンに代表される非ステロイド性抗炎症薬(解熱消炎鎮痛薬)を使用後、数分から半日して、地図状に盛り上がったかゆみをともなうじんましん、もしくはくちびるやまぶた、顔面がはれてしまう(血管性浮腫という)副作用があった場合、解熱消炎鎮痛薬によるじんま疹/血管性浮腫の可能性
    があります。
    じんましん/血管性浮腫の原因はさまざまですが、医薬品が原因となる場合があり、なかでも非ステロイド性抗炎症薬によるものが多いことが知られています。慢性じんましんの患者さんの20〜35%は、非ステロイド性抗炎症薬で悪化するとされていますが、普段まったく症状がなくて、非ステロイド性抗炎症薬を使用した時だけ、じんましん/血管性浮腫が出る場合もあります。
    一般には、効き目の強い非ステロイド性抗炎症薬ほど、このような副作用がおきやすいことが知られています。じんましんだけでなく、のどが狭くなったり、息苦しさ、せき、腹痛、アナフィラキシー症状(血圧低下など)なども現れることがあります。
2.早期発見と早期診断のポイント
非ステロイド性抗炎症薬を使用してから、数分から半日以内に、
  • じんま疹、もしくは
  • まぶた、くちびる、顔、口内のはれ(血管性浮腫)
がおきた場合は、この副作用の可能性が十分あります。
  • 「急に、くちびる、まぶた、舌、口の中、顔、首が大きくはれる」、
    「のどのつまり」、
    「息苦しい」、
    「話しづらい」
など症状がみられる場合であって、医薬品を服用している場合には、緊急に医師・薬剤師に連絡して、すみやかに受診してください。
重い副作用の方ほど、原因医薬品の使用から副作用がでるまでの時間は短いことがわかっています。
じんましんは通常、24〜48 時間以内で消えることが多いのですが、血管性浮腫は、翌日にさらに悪化し、数日持続する場合がよくあります。
  • 皮膚の副作用以外に、咳、息苦しさ、腹痛、吐き気、のどの狭くなる感じがおきる場合があり、このような場合は、重い副作用(ショックなどのアナフィラキシー)につながりやすく、緊急に医療施設を受診してください。その際は、使用した医薬品と服用時間を医療関係者に必ず伝えてください。
以前、非ステロイド性抗炎症薬でじんましん/血管性浮腫の経験がある方は、十分注意する必要があります。また、以前に湿布薬(非ステロイド性抗炎症薬を通常含んでいます)で、かぶれたことのある患者さんは、同じ種類の非ステロイド性抗炎症薬の飲み薬や坐薬でも副作用が出る可能性があります。
1.早期発見と早期対応のポイント
(1)副作用の出現時間:
解熱消炎鎮痛薬を使用してから、数分から半日以内に、全身の蕁麻疹もしくは血管性浮腫が生じる。
重篤な症例ほど、原因医薬品の使用から症状発現までの時間は短い。
蕁麻疹は通常、24〜48 時間以内で消失することが多いが、血管性浮腫は、翌日にさらに悪化し、数日持続する。
(2)患者側のリスク因子や素因:慢性蕁麻疹患者の20〜35%は、NSAIDsの使用により増悪する。
慢性蕁麻疹患者では、皮膚症状が不安定な患者ほど、誘発されやすい。
一方、基礎疾患の無い患者でも強い蕁麻疹/血管性浮腫を生じる場合もある。
過労なども誘因になりやすいことが知られている。したがって、使用時の患者の体調により、副作用の発現程度が異なり、同じ原因医薬品や量で必ず誘発されるわけではない。その機序は、アレルギー機序に基づくのではなく、NSAIDs がプロスタグランジン合成酵素であるシクロオキシゲナーゼを阻害することにより生じる、いわゆるイントレランス(intolerance、不耐症)とされる。このNSAIDs 不耐症は、小児には少なく、成人に多い後天的過敏体質である。類似病態であるIgE を介するNSAIDs アレルギーと異なり、原因NSAIDs を初めて使用した場合でも起こりうる。遺伝的な体質は証明されていない。NSAIDs アレルギーでも全身皮疹やアナフィラキシーが生じることがあるが、症状からは両者の鑑別はむずかしく、救急対応にも大きな差はない。

(3)投薬上のリスク因子:
@薬剤による誘発力:
  • NSAIDs 不耐症は、シクロオキシゲナーゼ阻害により生じる薬理学的変調現象であるため、原因NSAIDs のもつシクロオキシゲナーゼ阻害力で誘発症状の強弱が決まる。すなわち解熱鎮痛効果の強い薬剤ほど、誘発されやすく、またその誘発症状も強い。
A原因薬の剤型:
  • NSAIDs は、使用頻度に応じて、内服薬>坐薬>注射薬の順で原因になることが多い。坐薬や注射薬は急速な症状をきたしやすい。時にNSAIDs を含んだ貼付薬、まれに塗布薬や点眼薬でも生じるが、使用された皮膚局所に皮疹が出やすいわけではない。
B誘発症状の発現と持続:
  • 坐剤や注射剤は、薬剤の吸収が早いことから、誘発症状は、30 分以内に生じることが多いが、内服薬では、1-2 時間以内に生じやすい。一方、貼付剤では、数時間から半日後に症状が出現することが多い。ただし、軽度の皮疹の場合は、症状発現に気づくのが遅れる場合もある。効果が持続する薬剤(たとえば1 日1 回投与のNSAIDs)では、誘発症状も1 日以上続く。
(4)患者もしくは家族などが早期に認識しうる症状:
  • @早期に認識しうる症状:
    • 主に顔面や頚部、四肢に軽度の蕁麻疹から始まることが多いが、口唇や眼瞼、顔面の軽度浮腫から始まるケースもある。
  • A重篤な症状に進行する可能性のある(前駆)症状:
    • 頚部狭窄感、咳、息苦しさ、腹痛、嘔吐は、アナフィラキシー症状に先行して認めやすいため、早急な対応を要する。同様に、広範な蕁麻疹や急速な血管性浮腫の出現も、全身症状を生じやすい。
(5)NSAIDs 蕁麻疹/血管性浮腫の予防と早期診断に必要な問診方法
@既往歴の問診:
  • ○ NSAIDs 不耐症のハイリスクグループである慢性蕁麻疹と喘息がないか。
    さらに運動誘発アナフィラキシーなどのようなNSAIDsが誘因となる疾患の既往がないか。
  • ○ 過去のNSAIDs 使用歴とその際の副作用の経験について問診する。NSAIDs は総合感冒薬ではなく、効果の強いNSAIDs を具体名を挙げてたずねる(たとえばバファリンなど)。ただしNSAIDs 不耐症は、初回使用例に認めるだけでなく、過去にNSAIDs を安全に使用できた例でもおきうる(後天的過敏体質のため)。
A早期診断に必要な問診:
患者が、NSAIDs 使用と蕁麻疹/血管性浮腫出現の関連を自覚している場合は、NSAIDs 使用時間と皮疹出現のタイミングが副作用として矛盾しないかを判断する。時にNSAIDs 蕁麻疹/血管性浮腫は、時間が遅れて症状に気づくことがあり、前日も含めたNSAIDs 使用を確認する。また患者は、貼付剤や塗布剤も原因となりうることを自覚していないことが多く、その使用の有無は必ず確認する。

(6)原因医薬品の確認:
NSAIDs 不耐症と確定できない場合や、NSAIDsアレルギーとの鑑別が困難なケースは、専門医を紹介する。原因と推定された医薬品は記録を残し、NSAIDs 蕁麻疹/血管性浮腫と診断された場合は、今後の誤使用を避けるための指導を行う
2.副作用の概要
(1)概要
原因となるNSAIDs 使用後、数分から数時間を経て、頚部、顔面、四肢などに蕁麻疹が出現する。血管性浮腫は、口唇と眼瞼に生じやすく、蕁麻疹よりも通常遅れて出現し、数日持続する。広範囲な皮疹、ならびに気道症状や消化器症状は、重篤な症状の始まりであることが多く、早急な処置が必要である。原因となるNSAIDs は内服薬や坐剤が多いが、全ての剤型(注射剤、貼付剤、塗布剤)で起こりうる。NSAIDs 不耐症は、NSAIDsのもつCOX-1 阻害作用(≒解熱鎮痛効果)に応じて生じる非アレルギー学的過敏症状であるため、その構造を問わず、COX-1 阻害作用を有する全てのNSAIDs が原因となりうる。いまだその機序や診断法は無いため、適切な問診と(専門施設で行う)負荷試験で診断するしかない。

(2)自覚症状
原因となるNSAIDs 使用後、数分から数時間を経て、頚部、顔面、四肢などに蕁麻疹が出現する。血管性浮腫は、蕁麻疹を伴う場合と、単独の場合があるが、蕁麻疹よりも通常遅れて出現し、数日持続する。薬剤使用から、症状発現までの時間が短いケースほど、症状は強いことが多い。
広範囲な皮疹、ならびに皮膚以外の症状(頚部の狭窄感、咳、息苦しさ、腹痛、嘔気など)は、重篤な症状やアナフィラキシーの始まりであることが多いので、緊急な処置が必要である。

(3)他覚症状
典型的な蕁麻疹/血管性浮腫であり、NSAIDs 不耐症に特有の皮疹や部位はない。典型的な蕁麻疹は、頸部や顔面、四肢などに認めやすい。血管性浮腫は口唇と眼瞼に認めやすい。蕁麻疹と血管性浮腫は、それぞれ単独の場合も、併発する場合もある。喘鳴、喉頭浮腫症状、血圧低下傾向は、アナフィラキシーの前駆症状としてとらえる。時にNSAIDs 過敏喘息/鼻炎症状を併発する場合がある。

(4)臨床検査所見
急性期:血圧と酸素飽和度の確認は必須であるが、診断に有用な検査法はない。マスト細胞の活性化によりシスティニルロイコトリエン(Cys-LTs)とヒスタミンの過剰産生が生じるため、研究室レベルでは、それらの活性化マーカーや尿中代謝産物の増加を確認することができる。
原因診断法:通常のアレルギー学的検査は、皮膚テストを含め全て陰性である。IgE 抗体やヒスタミン遊離テストも陰性で、問診と負荷試験による診断しかない。

(5)発症機序
NSAIDs 不耐症は、厳密な意味ではアレルギー反応ではなく、イントレランスとされ、NSAIDs のもつシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害作用により、内因性のプロスタグランジン(PG)E2 が減少し、過敏症状が生じる薬理学的な変調体質である。近年このCOX には、定常的に発現しているCOX-1 と、炎症時に誘導されるCOX-2 が存在することが判明しているが、NSAIDs 不耐症患者は、このCOX-1 阻害に強く反応する。したがって、COX-1 阻害作用の強いNSAIDs、具体的にはアスピリン、インドメタシンなどに対し過敏反応が強く現れ、アセトアミノフェンや近年開発された選択的COX-2 阻害剤(セレコキシブ)では、副作用が生じにくい。この過敏体質は、成人後に後天的に獲得され、家族内発症はほとんどなく、不耐症獲得の機序は不明である。試験管内の特異的反応は見つかっておらず、動物モデルもない。

(6)薬剤ごとの特徴:
@ NSAIDs のCOX-1 阻害作用の強さに応じて誘発症状の強度が影響される。このCOX 阻害作用は、おおむね解熱消炎鎮痛効果と相関するため、強いNSAIDs(アスピリンやインドメタシンなど)はより危険である。アセトアミノフェンはCOX-1 阻害作用をほとんど有さないため、原因となりにくいが、高用量(1 回500mg)で誘発する場合がある。
A 剤型により、過敏症状発現のタイミングが異なる。すなわち、坐薬や注射剤では、数分から数10 分以内に過敏症状が現れ、内服薬では、数10 分から数時間後に、貼付薬では、数時間後からゆっくり現れる。ただし、内服薬でも、腸溶剤の場合は、その発現は数時間以降になりやすい。過敏症状の持続時間は、その医薬品がもつ解熱消炎鎮痛効果の持続時間とおおむね相関する。
3. 副作用の判別基準(判別方法)
急速に生じた典型的な蕁麻疹/血管性浮腫を認めた場合、原因となりうるNSAIDs の使用の有無を確認する。その際、数時間以内に使用したNSAIDsの可能性が高いが、前日に使用したNSAIDs も否定できない。
治療方法
(通常の蕁麻疹/血管性浮腫と同様の対応法であるが、急速な浮腫が生じるため、早期にアドレナリンを用いる)
(1)軽症例:通常の蕁麻疹/血管性浮腫と同様の対応。ただし、翌日に悪化する可能性あり
(2)中等症:抗ヒスタミン薬と全身ステロイド。ロイコトリエン拮抗薬を考慮(ただし適応外)。
(3)重症例、気道もしくは消化器症状合併例:2 次救急施設へ搬送するのを原則とする。血圧低下に対し、下肢を挙上するセミファーラー体位をとらせる。搬送する前に、できるだけ酸素とアドレナリン
筋肉注射(0.1-0.3ml)は、開始しておく。さらに抗ヒスタミン薬と全身ステロイドの点滴投与を開始する。急速な進行例ではアドレナリンの筋肉注射だけでなく、点滴静注も考慮する。
【症例】30 歳代、女性。
既往:
生来健康。アレルギー疾患や薬剤アレルギーの既往なし。2 年前、頭痛の際に、市販のアスピリンを初めて内服し、3 時間後に口唇の腫れに気づくも、2〜3 日で自然消失。その2 ヵ月後に、同じアスピリンを内服し、口唇と眼瞼の浮腫、頸部の蕁麻疹、および軽度の咳が出現したが、自然消失。以後、アスピリンなどの内服は避けていた。今回、感冒様症状で近医を受診した際、ロキソプロフェンと抗菌薬の処方を受けた。内服30 分後から、蕁麻疹と口唇浮腫に気づき、さらに1 時間後に全身蕁麻疹、血管性浮腫、呼吸困難、嘔気をきたしたため、救急車で搬送される。
来院時の理学所見:意識清明。体格中等度。SpO2 95%、血圧76/38、脈拍112/分、整。心音:純。口唇、眼瞼に特に強い血管性浮腫と全身の広範囲な蕁麻疹を認める。喉頭の発赤と腫脹あり。胸部では、軽度の喘鳴を聴取。
経過:
NSAIDs 不耐症による蕁麻疹/血管性浮腫、アナフィラキシーと判断し、経鼻酸素2L 開始し、下肢挙上の後、アドレナリン0.2 mL(0.2 mg)筋肉内注射施行。その後、末梢ルートの確保に時間を要したため、マレイン酸クロルフェニラミン5 mg を先に筋肉内注射した。これにより、血圧は96/50 まで上昇し、呼吸困難と喘鳴、皮疹は改善した。次に、ベタメタ15ゾン10 mg+アミノフィリン250 mg+マレイン酸クロルフェニラミン5 mg+ヒスタミンH2 拮抗薬を乳酸加リンゲル液500 mL に溶解し、2 時間で点滴静注。その後、再び息苦しさと血管性浮腫が増悪したため、2 回目のアドレナリン0.2 mg を投与し、奏効した。再燃や遷延化のリスクがあるため、その後は病棟で、補液を続けながら、経過観察としたが、血管性浮腫、蕁麻疹はゆっくり消退し、全身状態も安定したため、NSAIDs 不耐症の説明を十分に行い、患者カードを携帯させ翌日退院となった。
解説:
30 歳代にアスピリン内服で発症した典型的NSAIDs 不耐症(皮疹型)である。このようなケースは、アスピリンのみに対するアレルギーと誤解されやすいが、頻度からいっても、NSAIDs 不耐症のほうが多く、使用歴がなくてアスピリンで蕁麻疹/血管性浮腫を生じていることは、強くNSAIDs 不耐症を疑う。したがって、NSAIDs 全般が禁忌となる。誘発症状は、アナフィラキシーまでいたっており、アドレナリンが第1 選択薬であり、奏効する。静注ステロイドは、NSAIDs 過敏喘息例で、コハク酸エステル型ステロイドの急速投与で、悪化することが確認されており、NSAIDs 過敏皮疹でも、悪化の可能性を考え、リン酸エステル型ステロイドを点滴で用いることが望ましい。遷延化症例も多いため、1 日は経過観察入院が必要であり、今後のNSAIDs 誤使用を防ぐための、指導と患者カードも大切である。

セレコキシブ(選択的COX-2 阻害剤)の副作用
平成20年10月1日〜平成21年2月28日 急性心筋梗塞1
アナフィラキシー様反応1
狭心症2
不安定狭心症1
不整脈1
血中クレアチニン増加1
心不全1
脳梗塞1
薬疹3
粘膜疹1
紅斑2
多形紅斑1
異常感1
胃癌1
胃潰瘍2
胃腸出血1
肝機能異常1
帯状疱疹1
高カリウム血症1
肝障害1
口腔内出血1
心筋梗塞6
肺炎1
発疹2
全身性皮疹1
急性腎不全1
スティーブンス・ジョンソン症候群2
くも膜下出血1
白血球数減少1
急性汎発性発疹性膿疱症1
深部静脈血栓症1
中毒性皮疹1
好酸球増加と全身症状を伴う薬疹2
閉塞性動脈硬化症1
骨髄機能不全1