hemorrhagic diathesis
出血傾向(
出血性素因
トップへ戻る病名・症状>出血性素因
ドクトルアウン・毒をとってあうんの呼吸で元気にキレイになりましょう
関連情報
出血」「不正出血」「機能性出血」「下血」「不正性器出血」「痔出血」「血便」「紫斑病」「壊血病」「血栓症」「異蛋白血症

出血傾向 Bleeding tendency
(スクリーニング検査) (病態・疾患)
血小板数減少 再生不良性貧血
急性白血病
腫瘍の骨髄転移
特発性血小板減少性紫斑病
血栓性血小板減少性紫斑病
薬剤性血小板減少症
全身性エリテマトーデス(SLE)
溶血性尿毒症症候群
PT延長 肝硬変
ビタミンK欠乏症
第Ⅶ、Ⅹ、Ⅱ、Ⅰ因子欠乏症
ループス・アンチコアグランド→出血傾向はまれで、血栓傾向を示す。PT延長よりAPTT延長の頻度が高い
APTT延長 血友病A・B
von Willebtand病
第Ⅻ因子欠乏症
第Ⅺ、Ⅹ、Ⅱ、Ⅰ因子欠乏症
ループス・アンチコアグランド→出血傾向はまれで、血栓傾向を示す。PT延長よりAPTT延長の頻度が高い
PT延長
APTT延長
肝硬変
ビタミンK欠乏症
第Ⅹ、Ⅱ、Ⅰ因子欠乏症
抗凝固剤(ヘパリンワーファリン)投与
ループス・アンチコアグランド→出血傾向はまれで、血栓傾向を示す。PT延長よりAPTT延長の頻度が高い
PT延長
APTT延長
フィブリノゲン減少
フィブリノゲン減少
フェブリノゲン分子の構造異常
血小板数減少
PT延長
フィブリノゲン減少
FDP増加
播種性血管内凝固症候群(DIC)
すべてが正常 単純性紫斑病
老人性紫斑
血管性紫斑病
腎不全
血小板機能異常症
第Ⅻ因子欠乏症


出血性素因 特別な原因が無いor極めて僅かの刺激で出血しやすく、一度出血したら容易に止血し難い状態
出血傾向 Bleeding tendency
同義語: 出血
出血
傾向
外傷を受けもしないのに自然に出血し、しかも止血しにくい状態を出血傾向または出血素因という。止血には、血小板の他、血液中にある凝固因子が重要な役割を演ずる。凝固因子は、Ⅰ番からⅧ番まであり(Ⅵ番は欠番)、これらが作用して血漿中のフィブリノゲンをフィブリンに変えて血を止める。
血小板と凝固因子のいずれに異常があっても、出血傾向が起こる。血小板の異常には特発性血小板減少性紫斑病、凝固因子の異常には血友病などがある。出血傾向は、脳出血などの重い病気にもなりかねないので、原因をきちんと調べて適切な治療を受けなければなかない。
出血傾向の検査では、まず血小板数を調べる。血小板の数は正常でも、その機能が異常なこともあるので機能も検査する。解熱鎮痛薬としてよく使用されるアスピリンには血小板の機能を抑制する作用がある。風邪薬などを服用していて、皮膚にアザが出るような場合には、医師に相談してほしい。
凝固因子の異常は、試薬を混ぜて血が固まるまでの時間であるプロトロンビン時間や活性化部分トロンボプラスチン時間などの検査で判断する。異常がある場合には、さらに精密検査を実施する
症状 「手足に点状出血」、
「青あざができやすい」、
「皮下出血」、
「鼻血」、
「過多月経」、
「歯ぐきの出血」
出血性素因を
引き起こす疾患
(1)血管障害:(血管のもろさ)
(2)血小板障害
(3)血液凝固障害
(4)抗凝集素の血中増加
(5)線維素溶解性紫斑病
(6)異蛋白血症(過粘稠度症候群)
血管障害

(血管のもろさ)
<1>血管壁の先天性異常:
1.遺伝性出血性血管拡張症(Osler)
2.血管拡張性輪状紫斑病(Majocchi)→「マヨッキー紫斑
3.Ehler-Danlos症候群
<2>血管壁の後天性異常:
1.壊血病
2.血管脆弱性増加:
3.アレルギー性紫斑病→「アレルギー性紫斑病
4.単純性紫斑病→紫斑病
5.老人性紫斑病
6.電撃性紫斑病
7.症候性紫斑病
8.Waterhouse-Friderichsen症候群
血小板
障害
<1>血小板減少症:
1.特発性血小板減少性紫斑病(werlhof症)ITP
         急性型
         慢性型
2.症候性血小板減少性紫斑病
3.中毒性血小板減少性紫斑病
4.薬剤性血小板減少性紫斑病
5.血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
6.輸血後血小板減少性紫斑病
<2>血小板の質的障害:
1.先天性血小板機能異常症
   (ア)血小板無力症(von Glanzmann)
   (イ)放出奇効異常症(トロンボキサン合成欠損症)
   (ウ)本態性アトロンピア(essential )
    (エ)Bernard-Soulier症候群
   (オ)storage pool disease:
     (a)α顆粒欠損症
      (b) Dense顆粒欠損症:
          1.特発性
          2.Heransky-Pudlak
          3.Wiskort-Aldrich症候群
2.後天性血小板機能異常症
       (後天性血小板無力症)
<3>血小板増加症:
     本態性血小板増加症(血小板血症)
血液凝固
障害
先天的に血管内の血液凝固システムが正常に働かない体質を持ったもの。<1>トロンボプラスチン形成障害:
   血友病:血友病A(第Ⅷ因子欠乏症)
        血友病B(第Ⅳ因子欠乏症)
   第Ⅴ因子欠乏症(パラヘモフィリア)
   第Ⅶ因子欠乏症
   第Ⅹ因子欠乏症
   血友病C[PTA欠乏症]
   後天性第Ⅷ因子欠乏症
   von Willebrand病
<2>トロンビン形成障害:(低プロトンビン血症)
   特発性(先天性)
   症候性:ビタミンK欠乏症
        肝硬変
<3>フィブリン形成障害:
   無~低フィブリノーゲン血症
   異常フィブリノーゲン血症
   第Ⅷ因子欠乏症
<4>フィブリン溶解亢進(α2-plasmin inhibitor欠乏症)
異蛋白血症 <1>アルブミンの異常:
    低アルブミン血症
<2>グロブリンの異常:
    免疫不全症候群
    低γグロブリン血症
    多発性骨髄腫
    H鎖病

von Willebrand病 (病態)
von Willebrand 因子(VWF)の量的減少、または質的異常により、止血障害を来す先天性出血素因
(検査)
出血時間・・・・延長
血小板数・・・・正常
血小板形態・・正常
血小板凝集(ADPやコラーゲン)・・・正常
リストセチン凝集・・・・低下
VWF活性・・・・低亜k
VEF抗原量・・・・低下or正常
血友病 (病態)
血液凝固因子Ⅷ因子(血友病A)または
第Ⅸ因子(血友病B)が欠乏する遺伝性かつ先天性出血性疾患
(検査)
プロトロンビン時間(PT)・・・・正常
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)・・・延長
第Ⅷ因子凝固活性
・血友病A・・・・は低下
・血友病B・・・・は正常
第Ⅸ因子凝固活性
・血友病A・・・基準内
・血友病B・・・低下
血小板数・・・・・基準内
出血時間・・・基準内

出血傾向厚生労働省
英語名: Bleeding tendency
同義語: 出血
何らかの原因で血が止まらない、あるいは出血しやすくなったりする「出血傾向」は、医薬品によって引き起こされる場合もあります。何らかのお薬を服用していて、次のような症状が見られた場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。
「手足に点状出血」、「あおあざができやすい」、「皮下出血」、「鼻血」、「過多月経」、「歯ぐきの出血」
1.出血傾向とは?
何らかの原因で止血に異常が生じたり、線溶系(止血の最終過程で血管内の中に出来た血の固まりを溶かす仕組み)が著しく活性化されたことにより、血が止まらない、あるいは出血しやすくなったりしている状態を言います。
最初に、「あおあざができる」、「鼻血」「歯ぐきの出血」などの症状が出現して気づくことが多いのですが、出血傾向が放置され、急激に大量出血があるとショック状態になり、危険な状態になる例もみられます。
出血が進行すると次第に貧血状態になり、さらに慢性的な出血の場合は鉄欠乏性貧血をきたします。また、頭蓋内出血、呼吸器系出血、消化器系出血、泌尿器系出血など出血部位により様々な症状が出現します
(薬剤性の血小板減少でも出血傾向をきたしますので、血小板減少症のマニュアルも参照してください)。
出血の原因としては、血管の障害、血小板の機能障害、凝固機能障害、著しい線溶系の亢進のほか炎症反応などが考えられます。なお、出血部位や医薬品により、出血が起こる仕組みは異なります。
2.早期発見と早期対応のポイント
ショック、貧血、心不全、意識障害などの全身性の症状が出現してからでは遅いので、「手足に点状出血」、「あおあざができやすい」、「皮下出血」、「鼻血」、「過多月経」、「歯ぐきの出血」などの症状により早期に出血傾向に気づくことが重要です。以上のような症状がみられた場合で、医薬品を服用している場合には、放置せずに、ただちに医師、薬剤師に連絡して下さい。
また、ワルファリンは、投与量の調節をしながら使用していますが、効き過ぎにより、出血傾向を起こすことがあります。この場合は、勝手に薬の量を減らしたり中止したりせず、主治医に相談してください。
ワルファリンを服用されている場合は、PT(INR)(プロトロンビン時間の国際標準化比)やトロンボテスト値を参考にしてください。ワルファリンとある種の医薬品(解熱消炎鎮痛薬)の飲み合わせにより、ワルファリンの作用が強くあらわれ、出血しやすくなることもあります。
(参考)臓器症状
(1)頭蓋内出血には、脳出血、出血性脳梗塞、硬膜下血腫、くも膜下出血、硬膜外血腫、脳室内出血などがあり、重症の場合は死亡する恐れや、片麻痺、言語障害、てんかんなどの後遺症が残る恐れがあります。吐き気、めまい、頭痛、項部硬直、意識障害、麻痺、視力障害、感覚障害などに気づいたら医療機関を受診して、CT やMRI などの画像診断を受けましょう。
(2)消化器系出血には、食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・腹腔内出血などがあり、吐血、下血、血便、腹痛、腹膨満感などの症状が出現し、大量出血の場合はショックとなり、中等度の場合は貧血の原因となります。大量下血や吐血の前に、食欲不振、腹痛、吐き気、腹部膨満感などの症状が現れることがあります。また、黒色便(タール便)がみられることもあります。早めに便の潜血テストを受けましょう。
(3)泌尿器系出血には、腎・尿管・膀胱・尿道などからの出血があり、症状としては頻尿、排尿時痛、下腹部痛、尿潜血、血尿などがあります。生命にまで影響は及びませんが、重症化すると腎不全になることもあります。早めに検尿検査を受けることを受けましょう。
(4)眼部出血では、初期には目がかすむなどの視力障害が出現します。ひどい場合は失明の危険性があり、早期の眼科受診をお勧めします。
(5)呼吸器系出血には、咽頭、気管、気管支、肺胞などからの出血があり、血痰、喀血などの症状により診断されますが、吐血との鑑別が必要な場合もあります。喀血などの前に咳、呼吸困難などが出現することがあります。早期に喀痰検査や胸部のレントゲンやCT 検査を受けることをお勧めします。
医薬品の副作用として発症する血液疾患は、血球と凝固の異常に大別される。血球異常は、造血幹細胞から成熟血球にいたる分化・増殖過程が、薬剤自体またはその代謝産物によって直接障害される場合と、成熟血球が薬剤自体またはその代謝産物によって惹起される免疫学的機序によって破壊される場合に分けることが出来る。いずれの場合も、結果は成熟血球の減少とそれに伴う症状(貧血、感染、出血)として認識される。また、血球異常には、血球の量的異常だけではなく、薬剤による質的異常(=機能障害)という病態が含まれる。一方、医薬品による凝固障害の病態は、凝固因子と抗凝固因子のアンバランスに伴う血栓形成とそれに伴う臓器症状、線溶亢進あるいは血栓形成後の凝固因子消費に伴う出血に分けることできる。
このように、薬剤性の血液疾患は、貧血、感染症、出血、血栓症として認識されることがほとんどであるが、医薬品が血球・凝固異常を起こす機序は多岐に渡る。1 種類の医薬品が1つの血球・凝固異常を起こすとは限らず、中には同時に複数の異常を発症する可能性があることも念頭におく必要がある。
血液領域のマニュアルは、医薬品の副作用として発症する主要な血球・凝固異常として、再生不良性貧血(汎血球減少症)、薬剤性貧血、出血傾向、無顆粒球症(顆粒球減少症、好中球減少症)、血小板減少症、血栓症(血栓塞栓症、塞栓症、梗塞)、播種性血管内凝固(全身性凝固亢進障害、消費性凝固障害)を取り上げ、個々の病態に関するマニュアルで構成されているが、同時に各々が相補的に機能するように構成されていることを理解して活用することが望ましい。
血球減少症を引き起こす頻度が最も高い薬剤は抗がん剤である。しかし、一部の例外を除いて、抗がん剤は用量依存性に造血幹細胞/造血前駆細胞の分化/増殖を障害し血球減少を起こすので、抗がん剤を投与する場合は、血球減少の発症を想定して治療計画が立てられることが基本である。従って、原則として抗がん剤により一般的に起こる用量依存性の血球減少に関する記載は割愛した。
重篤な血液疾患に関して、その発症が予測できれば理想的である。高脂血症や自己免疫疾患などの基礎疾患を認める場合には、ある程度薬剤に伴う血球・凝固異常の発症頻度は高まることが知られ注意が喚起されるが、重篤な薬剤の血液毒性の発症頻度は低く予測は多くの場合困難である。しかし最近では、薬物代謝関連酵素活性の特殊な個人差(遺伝子多型)を調査することなどにより、その予測が可能となりつつある。本マニュアルでは、可能であればこの点についても簡単に概説することとした。
1.早期発見と早期対応のポイント
(1)早期に認められる症状
医薬品の服用後に、皮下出血斑、鼻血、口腔内出血、血尿、下血、採血後の止血困難、創部やドレナージからの出血症状や過多月経などがある場合は、医薬品の過量投与などの副作用1)を疑う。
特に、ワルファリンの場合、抗凝固作用が過剰に発現して、出血傾向を来す場合があるが、患者の判断による休薬や減量は血栓症を引き起こすおそれがある。このため、ワルファリンを使用中の患者には、出血傾向を来すおそれがあることを事前に十分に説明しておく必要がある。
血小板数、出血時間、血小板機能、プロトロンビン時間(INR)、トロンボテスト、フィブリノゲン、FDP などのチェックを行う。また、意識障害、麻痺、呼吸困難、血圧低下などの臓器症状が出現したような場合には、出血を疑い画像診断などにより確定診断のための検査を行う。
また、受診した際には、服用した医薬品の種類、服用後にどのくらい経っているのかなどをチェックする必要がある。

(2)副作用の好発時期
医薬品投与後数時間で発症する場合から(t-PA 製剤やヘパリンなどによる出血)、1~数日立ってから顕在化するもの(ワルファリンなど)、数日から数週間以上経過するもの(アスピリンや解熱消炎鎮痛薬など)まで、種々の場合がある。

(3)患者側のリスク因子
ワルファリンに関しては、その標的分子や代謝酵素の遺伝子多型によりワルファリンの薬効、代謝が異なること、また、同じ代謝経路の併用薬を飲むことにより、ワルファリンの作用が増強されて出血に至ることがある。将来、ワルファリン服用時にはワルファリン関連遺伝子多型の検討が推奨される可能性がある(「7.その他、早期発見・早期対応に必要な事項」参照)。
また、消化器系の異常などの原因により、ビタミンKの摂取が不十分な場合も、ワルファリンが効き過ぎる恐れがある。また、解熱消炎鎮痛薬との併用など、ワルファリンと他剤との相乗作用により、ワルファリンの作用が増強される場合もある。
t-PA やウロキナーゼに関しては、半年以内の脳出血の既往のある患者では再出血の危険があり禁忌である。脳梗塞患者に対しては、発症後3時間以上経過してt-PA を投与すると梗塞後出血を起こすリスクが高くなる。
ダナパロイドナトリウム(ヘパリン類に属する医薬品)などの腎代謝性の医薬品は、腎不全患者では血中の半減期が長くなり、出血のリスクが高くなる。
胃腸粘膜に障害がある患者では、解熱消炎鎮痛薬の投与により消化管出血のリスクが高くなる。
肝機能障害、血小板減少症、血友病などの先天性の出血性素因を有する患者では出血のリスクがあり、t-PA、ヘパリン、ワルファリン、抗血小板薬の投与は慎重に行う必要がある。

(4)投薬上のリスク因子(投与量、投与期間等のリスク因子を想定)
ワルファリンやヘパリンの代謝には個人差があり、投与量の決定にはそれぞれPT-INR やトロンボテスト、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)や活性化凝固時間(ACT)などによるモニターが必要である。t-PA 投与に関しては、心筋梗塞では発症後6 時間以内、脳梗塞では発症後
3 時間以内の投与が推奨されており、特に脳梗塞発症後3 時間以上経過すると、梗塞後出血のリスクが増大する。
アスピリン、その他の解熱消炎鎮痛薬(NSAIDs)、血小板機能抑制薬は過量ならびに併用投与されると、粘膜障害増強とともに血小板機能が抑制され、潰瘍ならびに出血のリスクが増大する。
第三世代の抗生物質を長期に使用すると、ビタミンK欠乏による出血傾向が出現することがある。
L-アスパラギナーゼの長期投与により、肝での凝固因子や抗凝固因子の産生障害が遷延して、血中の凝固因子や抗凝固因子量が低下することがある。

(5)患者もしくは家族等が早期に認識しうる症状
点状出血斑、紫斑、皮下出血、鼻出血、歯肉出血、過多月経などが見られる。また、進行するとショック、貧血、心不全、意識障害などの症状が見ら
れる。

早期発見に必要な検査と実施時期
(医薬品) (項目) (測定間隔)
ワルファリン PT(INR)、トロンボテスト 毎日~毎週(安定すれば毎月)1 回
ヘパリン/ヘパリン類 APTT、ACT、抗Xa 活性 直後~毎日~数日に1 回
tPA、ウロキナーゼ フィブリノゲン、FDP、APTT、PIC、α2PI 投与後、翌日から数日
画像診断 投与翌日~数日
アスピリン、抗血小板剤、NSAIDs 皮膚所見、血小板機能 1~4 週に一度
抗生物質の長期投与 PT、APTT、トロンボテスト 適宜
L-アスパラギナーゼ APTT、PT、フィブリノゲン 2~3 日に1 回

副作用の概要




最初は皮膚・粘膜・運動器の出血症状が出現することが多く、紫斑、点状出血斑、創部や穿刺部の出血・止血困難、血腫、関節の腫れ、鼻出血、歯肉出血、過多月経などで気づき、出血部位に疼痛を伴うことがある。出血が進行した場合あるいは大量の場合は、ショック、貧血、心不全、意識障害などの全身性の症状が出現する。また、稀に最初から以下の臓器症状が出現することもある。
頭蓋内出血 吐き気、めまい、頭痛、項部硬直、意識障害、麻痺、視力障害、感覚障害など。
消化器系出血 食欲不振、腹痛、吐き気、腹部膨満感などの症状があり、進行すると大量下血や吐血がみられる。
泌尿器系出血 顕在化する前には頻尿、排尿時痛、下腹部痛の症状がみられ、進行すると肉眼的血尿が出現する。
眼部出血 初期には目がかすむなどの症状があり、進行すると視力障害が出現する。重症の場合は失明の危険性がある。
呼吸器系出血 血痰、咳、胸痛、呼吸困難などがあり、進行すると喀
血が出現する。





(所見)
最初は皮膚・粘膜・運動器の出血症状が多く、紫斑、点状出血斑、鼻出血、歯肉出血、過多月経、創部や穿刺部の出血・止血困難、ドレナージからの出血量の増大、血腫、関節の腫れなどがあり、圧痛を認めることが多い。出血が進行した場合あるいは大量の場合は、ショック(血圧低下)、貧血(顔面蒼白)、心不全(心臓の拡大など)、意識障害などの全身性の症状が出現する。以下に臓器別の所見を示す。
頭蓋内出血 項部硬直、意識障害、麻痺、視力障害、感覚障害腱反射の亢進、異常反射の出現など。
消化器系出血 便潜血陽性、血便、
泌尿器系出血 血尿、尿潜血
眼部出血 視力障害、視野欠損
呼吸器系出血 血痰、画像の異常

臨床検査値
t-PA フィブリノゲンの低下、フィブリンならびにフィブリノゲン分解産物(FDP)やプラスミン-α2 プラスミンインヒビター複合体(PIC)の増加
ヘパリン APTT の延長
ワルファリン、抗生物質の長期投与 PT の延長(INR の増加)、PT%値やトロンボテストの低下、ワルファリン療法関連遺伝子多型
抗血小板薬 出血時間延長、血小板機能低下
便潜血、尿潜血 陽性

画像診断検査等
頭蓋内出血 CT、MRI など
網膜の内出血 眼底検査など
肺出血 胸部XP、CT など
腹腔内出血 CT、エコーなど
消化管出血 内視鏡

出血傾向の発症機序
t-PAウロキナーゼの過量投与
線溶系が著しく亢進して、プラスミンが大量に生成され、止血血栓が溶解して、止血部位が再出血する。
ワルファリン
何らかの理由でワルファリン量が過量になり、ビタミンK依存性凝固因子であるFⅡ、FⅦ、FⅨ、FⅩ活性が著しく低下し、血液の凝固反応が不良となる。
ヘパリン/低分子ヘパリン/ダナパロイド
何らかの理由で医薬品が過量になり、AT が過度に活性化されるか、凝固因子活性が低下していることにより、止血不良となる。DIC に使用した場合、DIC による出血か薬剤性の出血かの鑑別が難しい場合がある。
アスピリン、チクロピジン、シロスタゾール、ベラプラストナトリウム等の血小板機能抑制薬、NSAIDs:
血小板機能が抑制されることにより、止血不良となる。
インターフェロン
血小板減少と炎症反応による血管壁の障害などによる。
一部の抗生物質
ビタミンK 欠乏によりFⅡ、FⅦ、FⅨ、FⅩ活性が著しく低下し、出血傾向を呈する。
L-アスパラキナーゼなどの抗癌剤
肝での凝固因子や抗凝固因子の産生を抑制する




医薬品の副作用による出血が疑われた場合には、速やかに疑われた医薬品の投与を中止する。また、血液専門医と相談しながら以下の治療を行う。
ワルファリン ビタミンK の投与(経口投与が有効でない場合は経静脈的投与)、あるいはより緊急性が高い場合は新鮮凍結血漿の輸血を行う。
t-PA トラネキサム酸が有効な場合もある。
アスピリン、チクロピジン、シロスタゾール、ベラプラストナトリウム等の血小板機能抑制薬 致命的出血例では血小板輸血が必要となる。
粘膜障害 粘膜保護剤の投与
頭蓋内出血 手術、減圧剤の投与

【症例1】70歳代、男性
ワルファリンの副作用により脳出血を来たした示唆に富む症例報告5)を紹介する。
患者は、7ヶ月前に重症の大動脈弁狭窄症に対して人工弁置換術が行われ、INR 3~4を目標にワルファリンによる抗凝固療法が行われていたが、ある日突然右半身の脱力および構語障害が出現し入院した。この時のINR 3.6であった。
頭部CTにより、左脳内出血が明らかになった。
入院当初は、INR 2.0にまでワルファリンコントロールを減弱させる方針としたが(血栓症誘発を懸念して完全に中和することは考えなかった)、院内症例検討会での討論の結果、ヘパリン治療へと方針が変更された。しかし、第38病日に構語障害が悪化したため(この時のAPTT 105秒と延長)頭部CTの再検を行ったところ、2ヶ所の新たな脳内出血が明らかになった。そのため、抗凝固療法は新鮮凍結血漿(FFP)で中和され、6週間は抗凝固療法が行われなかった。
その後、90病日に退院したが、新たな血栓、出血ともに見られなかった。
(解説)
本症例のように血栓症のリスクを継続して有している患者で、ワルファリンの副作用による出血(特に致命的な出血)をきたした場合の対処は大変判断に苦慮する。また、個々の症例毎あるいは専門家によっても意見が分かれる場合がありうる。この症例報告8)に関して著者らは、人工弁置換術後患者の脳塞栓などの血栓症は4%/年、人工弁部位での血栓による弁機能不全は1.8%/年であり、両者あわせても0.016%/日であると報告している。そのため6週間の抗凝固療法を中断しても血栓症のリスクは、0.67%/6週間であり、抗凝固療法の継続により血栓を予防するメリットはそれほど大きくなく、むしろ出血の悪化を阻止するためすみやかにFFPや濃縮プロトロンビン複合体製剤などでワルファリンを中和すべきと考察している。
いずれにしても、個々の症例において各領域(血液内科、神経内科、脳神経外科、循環器科など)の専門家と充分議論の上、適切な対処がなされるべきと考えられる。
【症例2】30歳代、女性
心房細動と僧帽弁狭窄症がある妊婦に対して、血栓予防のために低分子ヘパリン(エノキサパリン)が投与された。モニターには抗Xa活性が測定された。
抗Xa活性は0.5 単位/mLかそれよりやや高いが、1.05 単位/mLを超えることはなかった。妊娠約35週目で、子宮に亜急性の巨大な血腫ができたため筋膜の破裂を起し、帝王切開が行われた。
(解説)
低分子ヘパリンといえども出血のリスクがあることが示唆された
【症例3】80歳代、女性
2型糖尿病や虚血性心疾患の既往があり、アスピリン75mgの投与を受けていた。胸部中央に鈍痛が出現し、両腕に痛みが放散した。心電図でSTの上昇があり、心筋梗塞と診断された。レテプラーゼ 10 IU、ヘパリン5000 IUが投与され、さらにレテプラーゼ 10 IUとヘパリンの投与が続けられた。その後、患者は突然視力の低下を訴え、上絨膜出血と診断された。このため、レテプラーゼとヘパリンは中止された
【症例4】15 歳、女性
急性リンパ性白血病(ALL) の診断にて、BFM95 プロトコール(L-アスパラギナーゼを含む)による寛解導入療法が行われた。患者は33 日目で寛解に入り、その後もL-アスパラギナーゼを含む治療が行われた。8 ヶ月目にL-アスパラキナーゼを4 回投与後に、意識障害が出現し、血圧の低下(80/50 mmHg)、頻脈(160 回/分)、左側の痙攣が認められた。PT (60 秒以上)、APTT(120 秒以上) 延長、フィブリノゲン(10 mg/dl 以下)低下、D-dimer 正常(1μg/ml 以下)であり、CT にて両側前頭葉ならびに右後頭葉の脳出血が認められた。このため、新鮮凍結血漿(10 ml/kg)が投与され、さらにリコンビナントFVIIa(総量3.6 mg)が投与された。これらの治療により、APTT、PT、フィブリノゲン値は改善し、痙攣発作は消失した。また、CT 上新たな脳出血は認められず、ALL は1 年後の現在も寛解を維持している
治るTOP栄養外字コード病院ランキング血液検査副作用会員サービス治る治るTOP