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| 関連情報 |
「出血傾向(出血性素因)」「出血」「不正出血」「機能性出血」「下血」「不正性器出血」「痔出血」「血便」「紫斑病」「壊血病」「血栓症」「異蛋白血症」 |
| 出血傾向(厚生労働省) 英語名: Bleeding tendency 同義語: 出血 |
何らかの原因で血が止まらない、あるいは出血しやすくなったりする「出血傾向」は、医薬品によって引き起こされる場合もあります。何らかのお薬を服用していて、次のような症状が見られた場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。
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1.出血傾向とは?
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| (参考)臓器症状 (1)頭蓋内出血には、
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医薬品の副作用として発症する血液疾患は、血球と凝固の異常に大別される。
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| 1.早期発見と早期対応のポイント (1)早期に認められる症状
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| 早期発見に必要な検査と実施時期 | ||
| (医薬品) | (項目) | (測定間隔) |
| ワルファリン | PT(INR)、トロンボテスト | 毎日~毎週(安定すれば毎月)1 回 |
| ヘパリン/ヘパリン類 | APTT、ACT、抗Xa 活性 | 直後~毎日~数日に1 回 |
| t-PA 、ウロキナーゼ | フィブリノゲン、FDP、APTT、PIC、α2PI | 投与後、翌日から数日 |
| 画像診断 | 投与翌日~数日 | |
| アスピリン、抗血小板剤、NSAIDs | 皮膚所見、血小板機能 | 1~4 週に一度 |
| 抗生物質の長期投与 | PT、APTT、トロンボテスト | 適宜 |
| L-アスパラギナーゼ | APTT、PT、フィブリノゲン | 2~3 日に1 回 |
| 副作用の概要 | ||
| 自 覚 的 症 状 |
最初は皮膚・粘膜・運動器の出血症状が出現することが多く、紫斑、点状出血斑、創部や穿刺部の出血・止血困難、血腫、関節の腫れ、鼻出血、歯肉出血、過多月経などで気づき、出血部位に疼痛を伴うことがある。出血が進行した場合あるいは大量の場合は、ショック、貧血、心不全、意識障害などの全身性の症状が出現する。また、稀に最初から以下の臓器症状が出現することもある。 | |
| 頭蓋内出血 | 吐き気、めまい、頭痛、項部硬直、意識障害、麻痺、視力障害、感覚障害など。 | |
| 消化器系出血 | 食欲不振、腹痛、吐き気、腹部膨満感などの症状があり、進行すると大量下血や吐血がみられる。 | |
| 泌尿器系出血 | 顕在化する前には頻尿、排尿時痛、下腹部痛の症状がみられ、進行すると肉眼的血尿が出現する。 | |
| 眼部出血 | 初期には目がかすむなどの症状があり、進行すると視力障害が出現する。重症の場合は失明の危険性がある。 | |
| 呼吸器系出血 | 血痰、咳、胸痛、呼吸困難などがあり、進行すると喀血が出現する。 | |
| 他 覚 的 症 状 (所見) |
最初は皮膚・粘膜・運動器の出血症状が多く、紫斑、点状出血斑、鼻出血、歯肉出血、過多月経、創部や穿刺部の出血・止血困難、ドレナージからの出血量の増大、血腫、関節の腫れなどがあり、圧痛を認めることが多い。出血が進行した場合あるいは大量の場合は、ショック(血圧低下)、貧血(顔面蒼白)、心不全(心臓の拡大など)、意識障害などの全身性の症状が出現する。以下に臓器別の所見を示す。 | |
| 頭蓋内出血 | 項部硬直、意識障害、麻痺、視力障害、感覚障害腱反射の亢進、異常反射の出現など。 | |
| 消化器系出血 | 便潜血陽性、血便、 | |
| 泌尿器系出血 | 血尿、尿潜血 | |
| 眼部出血 | 視力障害、視野欠損 | |
| 呼吸器系出血 | 血痰、画像の異常 | |
| 臨床検査値 | |
| t-PA | フィブリノゲンの低下、フィブリンならびにフィブリノゲン分解産物(FDP)やプラスミン-α2 プラスミンインヒビター複合体(PIC)の増加 |
| ヘパリン | APTT の延長 |
| ワルファリン、 抗生物質の長期投与 |
PT の延長(INR の増加)、PT%値やトロンボテストの低下、ワルファリン療法関連遺伝子多型 |
| 抗血小板薬 | 出血時間延長、血小板機能低下 |
| 便潜血、尿潜血 | 陽性 |
| 画像診断検査等 | |
| 頭蓋内出血 | CT、MRI など |
| 網膜の内出血 | 眼底検査など |
| 肺出血 | 胸部XP、CT など |
| 腹腔内出血 | CT、エコーなど |
| 消化管出血 | 内視鏡 |
| 出血傾向の発症機序 | ||
| t-PA、ウロキナーゼの過量投与 | ||
| 線溶系が著しく亢進して、プラスミンが大量に生成され、止血血栓が溶解して、止血部位が再出血する。 | ||
| ワルファリン | ||
| 何らかの理由でワルファリン量が過量になり、ビタミンK依存性凝固因子であるFⅡ、FⅦ、FⅨ、FⅩ活性が著しく低下し、血液の凝固反応が不良となる。 | ||
| ヘパリン/低分子ヘパリン/ダナパロイド | ||
| 何らかの理由で医薬品が過量になり、AT が過度に活性化されるか、凝固因子活性が低下していることにより、止血不良となる。DIC に使用した場合、DIC による出血か薬剤性の出血かの鑑別が難しい場合がある。 | ||
| アスピリン、チクロピジン、シロスタゾール、ベラプラストナトリウム等の血小板機能抑制薬、NSAIDs: | ||
| 血小板機能が抑制されることにより、止血不良となる。 | ||
| インターフェロン | ||
| 血小板減少と炎症反応による血管壁の障害などによる。 | ||
| 一部の抗生物質 | ||
| ビタミンK 欠乏によりFⅡ、FⅦ、FⅨ、FⅩ活性が著しく低下し、出血傾向を呈する。 | ||
| L-アスパラキナーゼなどの抗癌剤 | ||
| 肝での凝固因子や抗凝固因子の産生を抑制する | ||
| 治 療 方 法 |
医薬品の副作用による出血が疑われた場合には、速やかに疑われた医薬品の投与を中止する。また、血液専門医と相談しながら以下の治療を行う。 | |
| ワルファリン | ビタミンK の投与(経口投与が有効でない場合は経静脈的投与)、あるいはより緊急性が高い場合は新鮮凍結血漿の輸血を行う。 | |
| t-PA | トラネキサム酸が有効な場合もある。 | |
| アスピリン、チクロピジン、シロスタゾール、ベラプラストナトリウム等の血小板機能抑制薬 | 致命的出血例では血小板輸血が必要となる。 | |
| 粘膜障害 | 粘膜保護剤の投与 | |
| 頭蓋内出血 | 手術、減圧剤の投与 | |
| 【症例1】70歳代、男性 ワルファリンの副作用により脳出血を来たした示唆に富む症例報告5)を紹介する。 患者は、7ヶ月前に重症の大動脈弁狭窄症に対して人工弁置換術が行われ、INR 3~4を目標にワルファリンによる抗凝固療法が行われていたが、ある日突然右半身の脱力および構語障害が出現し入院した。この時のINR 3.6であった。 頭部CTにより、左脳内出血が明らかになった。 入院当初は、INR 2.0にまでワルファリンコントロールを減弱させる方針としたが(血栓症誘発を懸念して完全に中和することは考えなかった)、院内症例検討会での討論の結果、ヘパリン治療へと方針が変更された。しかし、第38病日に構語障害が悪化したため(この時のAPTT 105秒と延長)頭部CTの再検を行ったところ、2ヶ所の新たな脳内出血が明らかになった。そのため、抗凝固療法は新鮮凍結血漿(FFP)で中和され、6週間は抗凝固療法が行われなかった。 その後、90病日に退院したが、新たな血栓、出血ともに見られなかった。 (解説) 本症例のように血栓症のリスクを継続して有している患者で、ワルファリンの副作用による出血(特に致命的な出血)をきたした場合の対処は大変判断に苦慮する。また、個々の症例毎あるいは専門家によっても意見が分かれる場合がありうる。この症例報告8)に関して著者らは、人工弁置換術後患者の脳塞栓などの血栓症は4%/年、人工弁部位での血栓による弁機能不全は1.8%/年であり、両者あわせても0.016%/日であると報告している。そのため6週間の抗凝固療法を中断しても血栓症のリスクは、0.67%/6週間であり、抗凝固療法の継続により血栓を予防するメリットはそれほど大きくなく、むしろ出血の悪化を阻止するためすみやかにFFPや濃縮プロトロンビン複合体製剤などでワルファリンを中和すべきと考察している。 いずれにしても、個々の症例において各領域(血液内科、神経内科、脳神経外科、循環器科など)の専門家と充分議論の上、適切な対処がなされるべきと考えられる。 |
| 【症例2】30歳代、女性 心房細動と僧帽弁狭窄症がある妊婦に対して、血栓予防のために低分子ヘパリン(エノキサパリン)が投与された。モニターには抗Xa活性が測定された。 抗Xa活性は0.5 単位/mLかそれよりやや高いが、1.05 単位/mLを超えることはなかった。妊娠約35週目で、子宮に亜急性の巨大な血腫ができたため筋膜の破裂を起し、帝王切開が行われた。 (解説) 低分子ヘパリンといえども出血のリスクがあることが示唆された |
| 【症例3】80歳代、女性 2型糖尿病や虚血性心疾患の既往があり、アスピリン75mgの投与を受けていた。胸部中央に鈍痛が出現し、両腕に痛みが放散した。心電図でSTの上昇があり、心筋梗塞と診断された。レテプラーゼ 10 IU、ヘパリン5000 IUが投与され、さらにレテプラーゼ 10 IUとヘパリンの投与が続けられた。その後、患者は突然視力の低下を訴え、上絨膜出血と診断された。このため、レテプラーゼとヘパリンは中止された |
| 【症例4】15 歳、女性 急性リンパ性白血病(ALL) の診断にて、BFM95 プロトコール(L-アスパラギナーゼを含む)による寛解導入療法が行われた。患者は33 日目で寛解に入り、その後もL-アスパラギナーゼを含む治療が行われた。8 ヶ月目にL-アスパラキナーゼを4 回投与後に、意識障害が出現し、血圧の低下(80/50 mmHg)、頻脈(160 回/分)、左側の痙攣が認められた。PT (60 秒以上)、APTT(120 秒以上) 延長、フィブリノゲン(10 mg/dl 以下)低下、D-dimer 正常(1μg/ml 以下)であり、CT にて両側前頭葉ならびに右後頭葉の脳出血が認められた。このため、新鮮凍結血漿(10 ml/kg)が投与され、さらにリコンビナントFVIIa(総量3.6 mg)が投与された。これらの治療により、APTT、PT、フィブリノゲン値は改善し、痙攣発作は消失した。また、CT 上新たな脳出血は認められず、ALL は1 年後の現在も寛解を維持している |
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