タ バ コ |
百害あって一利なし 喫煙者にとって、肩身の狭い時代になってきた。 我が国における死亡原因の一位はガンであるが、なかでも肺ガンによる死亡率は年々増加の傾向を示し、1位の胃ガンに並びつつある。1日20本のタバコを吸う人の肺ガン発生率は吸わない人の約5倍。40本では約15倍にもなる。また喫煙年数とも関係があり、1日の喫煙本数×喫煙年数=400を超えると、肺ガン発生率が高まる。 喫煙は心肺機能にも悪影響を及ぼす。もともと肺は、吸気の通り道である気管が20数回枝分かれを繰り返してどんどん細くなり、其の先に約3億個の肺胞をつけている。気管には産毛のような細かい「繊毛」が生えており、空気と一緒に誤って吸い込んだ塵(チリ)や異物を、痰(タン)として排除する。しかし、喫煙により繊毛の働きが衰えると、異物を除去しにくくなる。喫煙者の痰がなかな切れないのはそのためである。 一方、肺胞では細かい血管が網の目のように分布しており、ガス交換を行っている。 つまり肺胞内の酸素が血液中の赤血球に結合するするが、喫煙によって生じる一酸化炭素 が酸素よりも赤血球に結合しやすい。それで一酸化炭素に妨害されて、赤血球の酸素運搬機能が低下する。 その対策として喫煙者では赤血球の数が増加して、其の機能を補っているが、そのため血液の粘り気が高くなり、その分心臓の負担が増加する。さらに喫煙の都度、動脈が収縮し、高血圧や動脈硬化をもたらすことも良く知られている。 現在の米国では、喫煙者の保険料が高くなり、ほとんど毒物扱いされつつある。 |
ア ル カ ロ イ ド |
<1>「ニコチン」: <2>「ニコテイン」 <3>「アナバシン」 |
催 奇 形 性 |
成分 | 含有するもの |
インドスピシン | Indigofera spicataに含有。 | |
ヒポグリシンA | アキー | |
ミモシン | キンゴウカン、オジギソウ。 | |
シチジン | ルーピン。 | |
コニイン | ドクニンジン | |
シクロパミン | バイケイソウ。 | |
ニコチン | タバコ |
ニ コ チ ン |
2009年、京都大学の矢崎一史教授らは、タバコの根で作られたニコチンがタバコ葉に溜まっていく際に働く遺伝子を発見。 岡山大学の森山芳則教授、ベルギーのゲント大学などとの共同成果。 ニコチンは根で作られ葉に運ばれることで、蛾(ガ)などに食べられるのを防いでいる。 矢崎教授らはタバコの細胞実験で、ニコチンを作る遺伝子が活動すると活性化する遺伝子を見つけ、『NtJAT1』と名づけた。 酵母にこの遺伝子を導入して調べると、葉で働き、葉の細胞にある液胞の中にニコチンを運び入れて入れているのが分かった。 2010年、タバコでニコチンが作られる量を調節する遺伝子(NIC2)を、奈良先端科学技術大学院大学の橋本隆教授らが突き止めた。 ニコチンは害虫に葉を食べられる際などに合成される毒性化合物。 根で作られ葉に移動してたまる。 ニコチン作りに関わる遺伝子は10個以上見つかっているが、これらを制御する遺伝子の存在が予測されていた。 研究チームは通常の品種の根では働くもののニコチンをあまり作らない品種では働かない遺伝子を調べ、「NIC2」を見つけた。根の培養実験で、この遺伝子の量を抑えると他のニコチン関連遺伝子も抑制されニコチンもほとんど出来なかった。 食害を受けるとジャスモン酸というホルモンができ、さらにNIC2が働く経路があった。 抗ガン剤をつくる「ニチニチソウ」でもNIC2とよく似た遺伝子が見つかっている。 |
放 射 性 物 質 |
ストロンチウム90 2009年8/20、日本たばこ産業(JT)浜松工場で使われていたたばこ製造装置内の放射性同位元素ストロンチウム90が一時所在不明になったと文部科学省が発表した。 たばこの葉の密度を確認するための放射原として放射性同位元素(RI)を使っている。 |
発 ガ ン 性 |
「ラーク」ブランドで知られる米タバコメーカー、リゲトが、喫煙で生じた州政府の医療費負担の支払いを巡る損害賠償訴訟で原告の全米22州政府と和解したことで、特に、今回はリゲットが「喫煙は肺癌など疾病の原因になる」ことを初めて認めた為、他のタバコメーカーの訴訟にも影響が出るのは必至と見られる。 和解内容 <1>たばこ(ニコチン)には中毒性がある <2>喫煙は肺ガン・心臓病・肺気腫の原因になる。 <3>14歳〜18歳の未成年者を対象に販促運動を展開してきた。 <4>メーカー幹部のこれまでの証言は偽りだった。 ■自分もごまかす 1950年代に、米国の心理学者フェスティンガーは、「タバコとガンの関係」を調べました。その結果は、タバコを吸わない人は「関係がある」と答え、タバコを吸う人は「関係ない」と答えた人が多かった。 フェスティンガーは、人間が自分に都合の悪い情報やイヤな情報は拒否しようとする心理が働くことを見つけ、それを『認知的不協和』と呼びました。 |
因果関係 | 証明されて いる |
証明されて いない |
意見無し |
ヘビースモーカー | 7% | 85% | 7% |
中程度の喫煙者 | 16% | 75% | 9% |
経度喫煙者 | 20% | 68% | 12% |
非喫煙者 | 29% | 55% | 16% |
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「ニコチン依存症」「タバコ依存症」「喫煙」間接喫煙「喉頭ガン」「肺ガン」「脳卒中」 |
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