体内時計
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脳が
制御
「マスター」説裏付け
「時差ボケなどに関係する体内時計にかかわる遺伝子の働きが、脳の特定の場所によって支配されていることを、工業技術院生命工学工業技術研究所の石田直理雄・時計遺伝子室長、坂本克彦特別研究員らが、ネズミで解明した。
体内時計に関わる遺伝子としてショウジョウバエのピリオドが知られているが、石田さんらは、ネズミにもそっくりな遺伝子があることを見つけた。この遺伝子は1日周期の変化を示すことが分かった。ところが、脳の視交叉上核(SCN)と呼ばれる部分が破壊されたネズミでは、遺伝子の働きの周期がなくなり、昼夜の行動パターンが崩れてしまった
体内時計をリセットする物質
@クリプトクローム
A微生物から人間まで幅広い生物種に存在。
B太陽光の青い光を受けると作用し、体内時計に関与する他のいくつかの遺伝子のスイッチを入れる
リズム確認
2002年、生命のリズムを作る体内時計の働きを担っている脳内の細胞が、体外に取り出されてもシッカリと時を刻んでいることを、神戸大学の岡村均教授と山口瞬教授らのグループが確認した。成体には不可欠なホルモン量などを調節する体内時計の仕組みの解明に結びつくとしている。
体内時計は、大脳の下にある「視交叉上核」と呼ばれる部分が、1日周期で活動が変化することで生まれる。研究チームは、このリズムを作り出す遺伝子に、ホタルノイ電子を組み込んで、細胞が刻む「時間」を発光量で捕らえる手法を確立。マウスを使った実験で、香蘇散の1日周期を生体内で観察する事に成功。さらに今回、マウスの視交叉上核の細胞を体外に取りだし、4ヶ月以上も24時間周期のリズムをとっていることを、超高感度のカメラで突き止めた。
睡眠
リズム
障害
埼玉医科大学と国立精神神経センターなどは、夜眠れずに昼間寝てしまうなど昼夜の周期が狂ってしまう病気の原因と考えられる遺伝子変異を見つけた。之を手がかりに発病の仕組みを調べる。患者によって異なる発症の違いが分かれば体質に応じた最適な治療法の開発につながる。睡眠周期に異常が生じる病気には、眠たくなる時間がどんどん後ろにずれるタイプや昼夜が逆転するケース。1日のリズムが全く無くなるものなど様々。埼玉医大の海老沢尚光子と精神神経センターの高橋清久総長らのグループはこうした病気で悩む患者の遺伝子を調べ健常者と比較した。調査は各器官の倫理委員会の承認と被験者の同意を得て進めた。
その結果、睡眠周期が後ろにずれる患者で、昼夜のリズムを決めるホルモン(メラトニン)と結合するタンパク質の遺伝子の異常が普通の人の3倍近い14%の割合で見つかった。またリズムを作るのに関係する別のタンパク質(PER3)の遺伝子で20種の一塩基変異多型(SNP)が見つかった。SNPは塩基配列(遺伝暗号)の1文字だけが異なる遺伝子の個人差。このうち特定の5つの組み合わせを持つ人は健常者では2%しかいないが、昼夜が逆転するタイプの患者では15%が持っていることが分かった。発見した遺伝子変異と症状の関係を詳しく調べることで昼夜のリズム障害を引き起こす原因の解明につかがると研究グループではみている。
体のリズムを決めるの体内時計は哺乳動物では脳の中心部にある視交叉上核という部分にあり、関連する遺伝子がすでに10個程度見つかっている。皮膚などの組織でも体内時計の遺伝子が発見されている
光照射

リズム
光照射で体内時計にリズム
秋田空港から車で20分ほどのところにある秋田県協和町の協和病院。内科・精神科に老人病棟を併せ持つこの病院のナースステーションに、その奇怪な“装置”はあった。
 透明のプラスチック製の箱の中に12本の蛍光灯が横に並び、眼前と斜め上方から顔を照らす。その前で車椅子に座ったお年寄りが折り紙をしたり、布巾を畳んだりしながら毎朝2時間ほどをすごす。
 協和病院では薬10年前から、秋田大学の指導のもと、痴呆老人にこの装置で光を照射する試みを続けている。その結果、アルツハイマー型痴呆老人にはあまり効果はみられないものの、脳血管性障害の痴呆老人では夜間の睡眠時間が増加し、徘徊・異常行動の回数が減少することが分かってきた。
 通常、人の眠りは昼起きて夜に寝る『二相性睡眠』だが、年を取るにつれて、昼夜関係なく眠気がし、しかも眠りが全体に浅くなる『多相性睡眠』に移行する。“特に痴呆老人の夜間徘徊など介護が社会問題化するなかで、その改善策はないかと考えた”と同病院の穂積慧院長。
人間は1日24時間を1サイクルとして生活しているが、本来の体内時計は約25時間サイクルで時を刻む。昼夜の分からない暗い洞窟で生活する実験をした場合、起床時間が1時間ずつ後ろにずれていくのもその為だ。
 これに対して、目から入る光は体内時計の周期を24時間に同調させることに大きく関与していることが、以前から指摘されている。そこで、意図的な光の照射で、朝を朝だとしっかり認識させ、夜間の深い睡眠を獲得しようという試みは世界各地でも行われている。
“でも一番効果的な光源は太陽。お年寄りはなるべく日光に当たること、そして3食の食事を規則正しく取ることです”秋田大学医学部講師の三島和夫氏はこうアドバイスする。
 毎日決まった時間に起きて会社や学校に行くことは、24時間周期を保つことを手助けする。体内時計をゼロに戻す『リセット機能』が働くわけだ。だが、そうした社会的束縛や緊張感がない高齢者はリズムが乱れ、昼夜のメリハリが無くなりがち。それが睡眠障害をさらに増幅させる。
 三島氏はこうつぶやく、“あまり日光が入らない部屋で、一日中、机に向かい、不規則な食事を取るサラリーマン・OLにも、その危険性があるような気がして・・・”
ひざ
後ろ
ひざの後ろに光センサー
膝の後ろに強い光を当てると、「体内時計」を進めたり遅らせたりすることが出来る。そんな実験結果を、米コーネル大のS・キャンベル博士らが米科学誌サイエンス(1/16)に発表した。
眠り、目覚め、食欲など約24時間周期の生活リズムを支配する体内時計はこれまで、目から入る光で調節されると考えられて来た。だが、目と時計の明確な関係が見つからず、全盲の人にも『時差ボケ』があることから、キャンベル博士らは、皮膚にもセンサーが存在するhずだと考えた。
22〜67歳の男女15人に4日間、薄暗い実験室で暮らしてもらい、体温とメラトニンと呼ばれるホルモンの分泌量の変化を測った。「体温」は昼間高く、夜間低い。一方、眠りと深い関係のある「メラトニン」は、昼間少なく、夜間に多い。
4日間とも午前0時〜正午までベッドに横たわり、2日目だけ眠らないようにした。其の結果、本人には分からないように時間帯を変えて3時間ずつ、光ファイバーを使いひざ(膝)の後ろ側に光を当てた。一部のひとには全く光を当てなかった。
其の結果、光を当てなかった人の体内時計のリズムに変化は見られなかったのに、光を当てた人は体温やメラトニンの変化が最大3時間前後にずれていた
皮膚
細胞

にも
2001年、脳で約24時間のリズムを刻む『体内時計』の働きが、皮膚など末端の組織にもあることえお神戸大学の研究チームがマウスの細胞を使った実験で突き止めた。
体内時計の仕組みは哺乳類ではほぼ共通のため、人間も同様の仕組みを持つとみられる。
研究は岡村均医学系研究科教授らがオランダのエラスムス大学と共同で実施、13日発行の米科学誌「サイエンス」に発表した。これまでに脳の視交叉上核と呼ばれる場所に体内時計の役割をする細胞が存在、細胞内では10個近い遺伝子が協調して働いていることが分かっている。
岡村教授らはマウスの皮膚にある線維芽細胞に注目。複数の遺伝子がはたらくパターンを時間を追って調べたところ、脳内の「時計遺伝子」と同じ動きをしていることが分かった。教授は「のの親時計が何らかの仕組みで体内の子時計を制御しているのでは?」とみている。
松果体 松果体で働く塩基配列
「2002年、東京大学の深田吉孝教授らは、体内時計にかかわる脳内組織、松果体で遺伝子が働くのに欠かせない塩基配列を突き止めた。
深田教授らは実験動物ゼブラフィッシュの松果体で働くエクソロドプシンという遺伝子に着目。この遺伝子は網膜で光を感じ取るセンサータンパク質の遺伝子の仲間で、働く場所だけが異なることが知られている。
この遺伝子周辺の配列を調べた結果、特定の12個の塩基が遺伝子を松果体で機能させるのに必要なことが分かった。この配列を変えると遺伝子が松果体で働かなくなった。逆に、網膜にみられる遺伝子の上流にこの配列を導入すると、松果体でも働くようになった。
従来、体内の時計機能を担う脳組織で遺伝子を働かせる仕組みは不明だった
遺伝子
組み換え
体内時計壊れた動物
独立行政法人の産業技術研究所は10/12、体内時計の壊れた遺伝子組み換え動物を作る技術を開発したと発表した。リズムを整えるタンパク質の遺伝子を改変し、動物の細胞に組み込む。体内リズムの乱れは睡眠障害やウツ病、突然死などの一因とされる。
哺乳類の体内では「ピリオド」「クライ」「クロック」「ビーマル」という4種類のタンパク質が約24時間周期で増減し、一定のリズムを刻んでいる。
研究チームはピリオドたんぱく質の遺伝子を特殊な酵素で改変。これをサルの細胞に入れて正常なピリオドではないが構造の似たタンパク質を作るようにしたところ、体内時計が壊れることを突き止めた。実験につかいやすいマウスでも同じ現象が起きるとみている。
これまで遺伝子組み換え動物では体内時計の乱れを再現した例は無いという。
体内時計の関連遺伝子をすべて除く方法も検討されているが、時計機能を確実に抑えるには手間がかかった。
正常な体内時計では、ピリオドたんぱくとクライたんぱくが結合して細胞の核の中に移動。クライたんぱくが核内のビーマルやクロックたんぱくに取りついてピリオドたんぱくの生産を一時的に抑える。ビーマルとクロックたんぱくの量が次第に増えてくると再びピリオドたんぱくの生産が始まる。こうした反応を24時間サイクルで繰り返し時を刻んでいる
メラトニン メラトニン増減の仕組み解明
「米国立衛生研究所(NIH)の研究チームは人間の体内時計をつかさどるメラトニンと呼ばれる物質が、朝になると少なくなる仕組みを解明した。メラトニンは夜間は脳内や血液中に多く存在し昼間は少ないことが知られているが、その変動のメカニズムは分かっていなかった。
研究チームによれば、メラトニンは脳内である種の酵素の働きで造られるが、太陽光の下ではこの酵素の働きが止まりメラトニンは出来なくなる。さらに酵素そのものが分解する反応が起き、メラトニンの量が減るという
腹時計 眠りなど生活リズムを作る体内時計には、明るさの基づいて動く脳の時計とは別に、食事の取り方で進み具合が変わる『腹時計』もあるーーー。東大医科学研究所と米バージニア大の共同チームがまとめ、19日付けの米科学誌サイエンスで発表した。
ほ乳類では脳の視床下部にある「視交叉上核」が体内時計の中枢で、目に入る光に基づき規則正しいリズムをつくっている。
臓器などのリズムはこの中枢が制御すると考えられている。共同チームは、体内時計を動かす遺伝子の1つ『ピリオド1』とホタルの発光酵素とを組み合わせ、体内の細胞が光るラットをつくり、しかも光り方が周期的に変わるようにした。
このラットを部屋に入れ、照明で12時間ずつ人工的な昼と夜を繰り返しながら、本来の行動時間である夜にエサをやったラットと、本来は寝ているはずの昼にエサをやったラットで、脳や肝臓の細胞のリズムがどう変わるかを調べた。
すると、どちらのラットも視交叉上核の細胞が刻むリズムは同じで、脳の時計はエサのやり方に左右されず、周りの明暗のリズムに忠実に動いていることが確認できた。
一方、肝臓のリズムは、4日間、昼にエサをやったラットと夜にエサをやり続けたラットで、約10時間ずれていた。これは肝臓など消化器が独自の時計を持ち、それがエサをやる時刻を変えたことで脳の制御からはずれたことを意味する
腎臓
細胞
腎臓細胞の増殖に関係
「2003年、睡眠や目覚めなどの1日のリズムを作り出す「体内時計」が、腎臓の細胞の増殖を制御していることを、大阪大学と産業技術総合研究所が突き止めた。体内時計をうまく調節出来れば、腎臓の細胞の増殖を活発にして傷んだ臓器を修復する治療が可能になる。
 実験は、ラット(大型ネズミ)の腎臓の尿細管で、細胞が活発に増殖する時間帯をしたベタ。普通のラットは朝方に増殖が活発になる。ところが体内時計の昼夜を人工的に逆転させると、増殖が活発な時間帯も逆転し、体内時計が細胞の増殖に関わっていることが分かった。体内時計と関連した働く遺伝子も突き止めた。
肝臓
細胞
肝臓細胞の増殖
「睡眠など生物の1日のリズムを作り出す『体内時計』が、肝臓の細胞の増殖を制御していることを、神戸大学の研究チームが突き止めた。医薬品を投与した時の細胞の反応は、分裂時期とそうでない時で異なるケースがある。正常細胞に影響を与えにくい時期に抗ガンなどを投与することで、副作用を減らせる可能性があるという。研究成果は2003年8/22発行のサイセンスに掲載。
神戸大学医学系研究科の岡村均教授と山口瞬助教授はマウスを使った実験で、体内時計が「夜明け」を示すとき、細胞が活発に分裂することを突き止めた。細胞の分裂を止める働きがある酵素が減少することで、細胞が活発に分裂を開始する。細胞の分裂を止める酵素は、体内時計として機能するタンパク質の指令を受けて増減することも分かった。
人間にも同様の仕組みがあるとみられるが、マウスは夜行性のため、体内時計の昼夜は逆転している可能性がある。
ウーロン茶 ウーロン茶
「1日24時間の生活リズムを刻む「体内時計」の乱れを抑える作用がウーロン茶に含まれているという研究結果を、大阪大蛋白質研究所の永井克也教授(代謝生化学)が2002年4月に発表した。
永井教授によると、体内時計は視神経が交差する脳下部の「視交叉上核」と呼ばれる部分にあり、毎朝起床した際、目で感じる太陽光でリセットしながら自律神経を通じ全身に命令を伝え、生活リズムを刻む。
しかし夜型生活などが続くと、体内時計が毎朝リセットされずに自律神経にも異常が発生。命令を正確に伝達できなくなって免疫力の低下やホルモンバランスが崩れ、自律神経失調症などの原因になることがあるという。
脳のエネルギーとなる血糖値が上昇すると、自律神経が乱れた状態となり、体内時計にも異常が生じることがある。実験では、ラットを「水を飲ませ続けたグループ」と、「ウーロン茶を飲ませ続けたグループ」と「ウーロン茶を飲ませ続けたグループ」に分け、自律神経を乱すためにブドウ糖の代謝を抑制する物質を脳に注射した。水を飲んだラットは約30分後に血糖値が急上昇したが、ウーロン茶の場合、血糖値の上昇は緩やかだった
マウス マウスの2時間の体内時計
「2002年、京都大学のウイルス研究所の景山龍一郎教授のチームは、マウスに2時間周期の体内時計が存在することを突き止めた。『Hes1』と呼ぶ遺伝子が時計の役割を担っているという。昼夜のリズムを作る24時間周期の体内時計は知られていたが、2時間刻みの時計が見つかったのは初めて。
マウスの神経や筋肉の培養細胞を使って、この遺伝子がどの程度活発に働いているか調べた。その結果、2時間周期で働きが活溌になったり低下したりするのを繰り返すのが分かった。
この遺伝子はマウスの胎児が成長する際に働く事が知られていた。」
時計じかけのオレンジ 理化学研究所は睡眠や目覚めのリズムなどを司る「体内時計」に関係する新たな遺伝子をショウジョウバエから発見した。
体内時計のシステム全体を維持する役割を担っていた。
発生・再生科学総合研究センターの上田泰己チームリーダーらの成果で、2007年6/19の米科学誌ジーンズ・アンド・ディベロプメントに掲載。
研究チームはまず、ショウジョウバエの頭部で24時間周期のリズムで働く遺伝子200個を選び出した。と黄帝の遺伝子の働きだけを人工的に抑える実験手法を使って体内時計への影響が最も大きかった遺伝子を見つけた。新しい遺伝子は「オレンジドメイン」というタンパク質構造を持つことから、映画名にちなんで『時計じかけのオレンジ』と名づけた
時刻あわせ 名古屋大学の近藤孝男教授らは、微生物のの体内リズムを作るタンパク質に「時刻合わせ」の仕組みがあることを突き止めた。24時間周期で化学反応を繰り返すタンパク質が、互いの動きを見ながら、同期を取って動いているという。生物の恒常性維持機構を分子レベルで解明した。
成果は2007年10/29の米科学誌ネイチャー・ストラクチャル・アンド・モレキュラー・バイオロジー(電子版)に発表。
研究チームは2005年、シアノバクテリアが持つ3種類のタンパク質が24時間周期でリズムを刻み、体内時計を担っていることを明らかにした。
中心となるタンパク質『KaiC』は、バクテリアの体内で、朝から夜にかけてリン酸化し、夜中から明け方にかけて脱リン酸化する。
今回、反応が変わるタイミングが異なる複数のKaiCを試験管内で混合したところ、1日以内に同期し、いっせいに動くようになることが分かった。全体の3割が脱リン酸化を始めると残りのKaiCも脱リン酸化に移行し、全体のリズムがそろうという。
睡眠や活動、体温調節などの生命活動は周期的に繰り返すものが多い。これらの基本となる体内時計の時刻合わせの仕組みが分かったことは、生命の恒常性維持の解明につながる
関連情報
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