テロメラーゼ     
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ガン細胞の中に大量に存在するが、正常な組織の細胞の中には見られない酵素
ガンの診断や治療法としてテロメラーゼという酵素に注目した研究成果が相次いでいる。この酵素は多くのガン細胞で活発に働いており、細胞を生き永らえさせる作用を持つ。ガンの診断キットへの応用やテロメラーゼのの抑制遺伝子を使った遺伝子治療などの研究が注目されている
 
鳥取大学医学部の押村光雄教授らの研究グループは、人間の腎ガンの培養細胞に人間の三番目の染色体の一部を注入するとテロメラーゼ酵素の働きが抑えられることを発見した。テロメラーゼが働かなくなったガン細胞は老化して死滅した。
さらに、皮膚ガンの一種であるマウスの悪性黒色腫を培養した細胞に人間の5番目の染色体を導入したところ、六割強のガン細胞でテロメラーゼの働きが完全になくなった。
押村教授は「染色体に存在しているとみられるテロメラーゼの抑制遺伝子を突き止めて、その遺伝子をガン細胞に組み込めばガン治療できる可能性がある」と話している。
 協和発酵は米ベンチャー企業のジェロン社と組んで、テロメラーゼの働きを抑制する物質を探求し、抗ガン剤として開発する研究に乗り出している。
 また、中外製薬はテロメラーゼの働きの 強さを測定する新手法を開発した。遺伝子に結合する発光物質の量で活動を測定。従来の寒天状のゲルを使う方法は測定するのに最低でも約1日かかっていたが、中外が開発した方法は1時間で済み操作も簡単という
●[生殖細胞への影響回避カギ]
細胞の染色体の端にはテロメアという部分があり、細胞が老化すると短くなる。テロメラーゼはテロメアを長く伸ばす酵素。ガン細胞はいつまで立っても死なないが、この細胞の不死化のカギを握るのがテロメラーゼとされる。
 このほど開かれた癌学会では広島大学医学部の檜山英三講師らのグループが胃ガン・大腸ガン・肺ガン・膵臓ガンなどの細胞の85〜90%でテロメラーゼ活性を確認したほか、東京大学のグループは悪性脳腫瘍の53%で高い活性を認めるなど、ガン細胞との関連を裏付ける報告が相次いだ。
 テロメラーゼの働きを抑制すれば、ガン細胞は正常細胞のように死滅するとみられる。ただ、テロメラーゼは生殖細胞などでも活発に働いているため、生殖細胞への影響をいかに回避するかがテロメラーゼ阻害剤を開発する際のポイントになりそうだ
分離精製 石川助教授らは、ごく微量しかないテロメラーゼを高純度に分離精製することに成功し、中に含まれる分子量約24万のタンパク質『TLP1』について、それをつくるDNAの塩基配列を解明した。TLP1が部分的にちぎれて分子量が約1万小さくなると、テロメラーゼが働くようになるらしいこともつかんだ。
<1>テロメラーゼは分子量約15万のリボ核酸(RNA)とタンパク質の複合体で全体の分子量は約150万あるが、その働きを左右するタンパク質部分をつくる遺伝子を突き止めたのは初めて。
<2>『TLP1』を調べれば、ガンの悪性度が診断できる




ガン不死と関係するタンパク質発見
米マサチューセッツ工科大学(MIT)なその研究チームは人間のガン細胞の不死化に関係するタンパク質を発見した。[乳ガン]と[卵巣ガン]の腫瘍細胞から見つけた。抗ガン剤の開発につながる成果だという。
タンパク質は老化に関係する遺伝子配列[テロメア]を合成する酵素[テロメアーゼ]の1つ。酵素が働くとテロメアを合成して不死化が起きる。研究チームは酵素を作る遺伝子も特定し『hEST2』と名付けた




を抑制
ガン増殖酵素を抑制・・・土壌微生物から
「東京大学分子生物学研究所の新家一男助手らの研究グループは、ガン細胞の増殖を促す酵素(テロメラーゼ)の働きを抑制する新物質を発見した。土壌微生物の生み出す物質で、試験管レベルの実験ではこれまで知られている物質の100倍胃《女科撮要》の効果があった。
 新たに発見した物質は、放線菌という微生物が作り出す有機化合物の一種で、『テロメスタチン』と名付けた。新家助手らは各地で採取した土壌を分析。1万数千個の試料の中から、約3年がかりで見つけだした。
テロメスタチンを、ガン細胞の増殖を促進する酵素であるデロメラーゼに反応させたところ、テロメラーゼの働きを従来の100倍以上も強力に邪魔することを突き止めた。
同様の働きをする物質はこれまで数十種類知られているが、いずれも作用が弱かった。このため、抗ガン剤として実用化するのは難しいと言われていた。」
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