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| 段階 | T期(腎症前期)「尿検査はおおむね陰性。自覚症状はない」 U期(早期腎症期)「微量アルブミン尿。自覚症状はない」 V期a(顕性腎症前期)「タンパク尿。自覚症状はない」 V期b(顕性腎症後期)「タンパク尿。手足のむくみなどの自覚症状」 W期(腎不全期)「タンパク尿。全身のむくみなどの自覚症状」 X期(透析療法期) |
| 血中クレアチニン | 腎臓の機能を見る指標として、血中クレアチニン濃度がある。これは筋肉の中にあってエネルギー生産にかかわっているクレアチニンという物質が役目を終えてできる老廃物で、腎臓を通って尿中に排泄される。血中クレアチニン濃度は腎臓の濾過機能によって左右される。血中クレアチニンの濃度は成人男性で1dlあたり0.8〜1.2mg、成人女性で0.6〜0.9mg。腎臓の濾過機能が低下すると値が上昇する。糖尿病と言われた場合には定期的に血中クレアチニン濃度を測定することが必要だ。 |
| 急増 | 糖尿病が原因の腎臓病 「糖尿病患者の増大に伴い、糖尿病が原因で腎臓の機能が低下する『糖尿病性腎症』が急増している。慢性腎不全で人工透析を受け始める人の内、此の病気の人が占める割合も増え続け、今では3割を超えている。 糖尿病と腎臓病という「異分野」の医療のはざまで、医師側の連携がうまく取れていない場合もあって、早期に見つける検査法がありながら、発見は遅れがちだ。 新潟大学付属病院で6月から人工透析を受けている男性(43)は30歳の時、職場の健康診断の尿検査で糖が出て糖尿病と診断された。地元で通院していたが、5年ほど前に糖尿病性の網膜症に罹り、病院を訪れたところ、今度は尿から、腎機能の低下を示すタンパクも見つかった。合併症の一つである糖尿病性腎症が、すでに進行していた。「合併症を気にかけるようになったのは、目が悪くなってから。それまで腎症のことは、ほとんど知らなかった」と男性は言う。今は仕事をしながら、週3回の透析を受けている。 糖尿病で血糖値が高くなると、血圧が上がったり、血管が硬くなったりする。さらに糖が腎臓の組織の中にまで入り込み、そこのタンパクと結びついたりして、組織そのものを変質させてしまう。こうして腎臓は、体内の老廃物をうまく濾過できなくなってしまう。これが『糖尿病性腎症』だ。遺伝的な要因も指摘されているが、長く糖尿病を患っている人の4割近くが発症すると言われている。 日本透析学会によると、毎年、新たに人工透析を始める人の内、糖尿病性腎症は2番目に多い。1994年は約7400人で、全体の30.7%。この10年で4倍に増え、トップの慢性腎炎(約9800人)に迫っている。 「ところが、糖尿病と腎臓病とで専門が分かれている為、現実には診断や治療にあたる医療側の体制が、必ずしもうまく組めていない。早期に見つけて、治療を始めるケースが増えれば、進行も食い止めやすくなるのだが・・・」と新潟大学医学部の荒川正昭教授(腎臓内科) 早い段階で見つけるには、尿にわずかに含まれる『アルブミン』というタンパクの量を測る。血液中の水分を保持したりしている物質で、健康な人の尿にはほとんど含まれていないが、腎機能が落ちると、尿に漏れ出す量が増える。 1日に30mg以上が排泄されるようだと、腎症に進む可能性が高い。300mgを越えれば腎症だ。 ところが、滋賀医大の吉川隆一教授(内科学)によると、職場の健康診断などでは普通、尿にタンパクが含まれているかどうかは調べても、微量のアルブミンまでは測らない。 「タンパクが出るのは症状がかなり進んだ段階で、それから治療するのでは本当は遅い。糖尿病の人は、年に一度は尿中のアルブミンの量を調べて欲しい |
| 透析 |
厳格な血糖管理で回避を 「現在、腎臓病で血液透析を受けている患者は16万人で、年間約1兆円の国費、健康保険料が支払われている。 透析患者は志望者を差し引き毎年約12000人ずつ増加していいる。主な原因は糖尿病性腎症である。糖尿病の患者は50年前はわずか10万人だったが、飽食の現在は約1000万人と激増したので、今後は腎症も増加ずる。しかし、似た状況の欧米でも透析治療はまれで、自助努力の栄養改善と腎移植で患者の苦しみと経済的負担を軽減している。 糖尿病腎症は高血糖の結果起こる。従って、糖尿病がインスリンの依存型か、非依存型かを問わず、血糖値を下げれば腎症は起こらない。そこで食事療法を通じた血糖管理の重要さが見直されている。 糖尿病合併症防止に関する米国の大規模研究では、70歳以前に厳格な血糖管理をした人では透析を要する腎症が従来の療法の24%から7%に、その前段階のタンパク尿が46%から15%に、視力障害が70%から30%にそれぞれ減少した。働き盛りの4、50歳代で厳格な血糖管理をした人はこれらの合併症にほとんど罹らなかった。 日本で透析が盛んなのは、1000円ですむ栄養指導より透析のほうが病院の収入になるからである。栄養指導を徹底しないために、若くて回復力のある糖尿病患者をむざむざ、透析患者にしてしまうのである。(香川靖雄・女子栄養大学大学院教授) |
| 人工透析 | 「新しく人工透析を始める患者がどんな病気で透析を必要としたかをみたところ、去年、糖尿病の合併症である糖尿病性腎症が慢性糸球体腎炎を抜いてついに1位になったことが、25日に横浜市で始まった日本透析学会の調査で明らかになった。生活習慣病の糖尿病が国民病になっている現状を示すものといえる。 調査は、同学会の統計調査委員会が1983年から続けている。今回は、慢性透析療法をしている全国3095施設の調査票を送り、ほとんどの施設から会頭を得た。 それによると、去年、人工透析を始めた患者は30051人で、初めて30000人を超えた。原因となった病気は、糖尿病性腎症が10729人(35,7%)、感性糸球体腎炎の10506人(35.0%)を抑えてトップになった。 |
| 血糖管理で 発症防げる |
「Dさんは56歳の公務員で中年になって糖尿病といわれ、すでに10年以上になる。最近、タンパク尿を指摘された。 糖尿病患者にタンパク尿が認められることは18世紀ごろから知られていたが、糖尿病に特異病変があるとは考えられていなかった。腎臓の糸球体に病変があることが分かったのは1936年で、キンメルチールとウイルソン博士が発見した。 腎症が臨床的に問題になってきたのは、1921年にインスリンが発見されてから糖尿病患者の生命予後が改善し、長期生存が可能になったためである。 糖尿病性腎症は臨床的には無障害の時期、早期、顕性期、腎不全期に分けられる。早期にはアルブミンが微量だが尿中に漏れ出しており、顕性期には持続的にタンパク尿が見られるようになる。アルブミン尿が検出されると将来、腎機能障害になる危険性が高い。ただ、この時期に血糖管理をきちんとすれば、腎症を回避できることが確認されている。 空腹時の血糖値が100ml当たり110mg、食後の血糖値が同180mg、グリコヘモグロビン(HbA1c)が6.5%以下になるように血糖管理をすれば、腎症の発病や進展を防止できることが確認された。また、タンパク摂取の制限と血圧管理を厳密に行うと腎機能障害の進行をかなり軽減できることも知られている。 1999年度に出された米国やWHOの勧告によると、糖尿病患者では最高血圧が130、最低血圧が85が降圧目標とされ、タンパク尿があれば最高血圧125、最低血圧は75とされている。 |
| 治療薬 | 2006年4月、ニューロタンが認められた。ニューロタンはアンジオテンシン受容体拮抗薬と呼ぶ高血圧治療薬。腎症になると、体内の老廃物や余分な水分を濾し取る腎臓の糸球体内部の血圧が上昇、尿タンパクが出てきて腎機能の低下を招く。ニューロタンは糸球体から血液を送り出す輸出細動脈を拡張させ、糸球体内の血圧を下げてくれる。 糸球体が損傷したときに限り尿の中に漏れ出すタンパク質『微量アルブミン尿検査』が有効になる。この検査は糖尿病患者を対象に、糖尿病性腎症を見つける目的で保険適応に成っている。3ヵ月に1回検査を受けることが出来る。 |
| 関連情報 |
「糖尿病」 「人工透析 |