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トップへ戻る病名・症状>腸チフス typhoid fever                 メールを送る

病態 Salmonella Typhiの経口感染による全身感染症
2類感染症
腸チフス菌 腸チフス菌Salmonella typhiが感染して起こる急性感染症で、腸壁リンパ節に病変をおこすと共に菌血症によって全身性の疾患を起こす。
<1>ヒトへの感染は汚染された飲食物による経口感染で口から侵入した菌は小腸に達した後、腸リンパ管に侵入、更に血中に入り40℃くらいの発熱がみられれ、さらに肝臓・脾臓・骨髄などに病変を作る。
<2>すなわちバラ疹や脾腫などが見られる。
<3>重症例では下痢が激しくなり白血球が減少し合併症として腸出血がきられることがある。(薬学大辞典p356)
<4>腸チフスでは体温上昇の割には脈拍数が少ない。
<5>腸チフスでは舌上の乳頭が萎縮して表面が平滑となり、蒼白な光沢を放つ。しばしば発赤を起こして疼痛を訴える(Hunterの舌炎)
<6>好発年齢:成人。
<7>好発時期:特にな
し。
3主徴 @比較的徐脈・・・50%
A脾腫・・・・・・・・20〜30%
Bバラ疹・・・・・・30〜50%
症状 頭痛、便秘、咳、鼻血、脾腫、徐脈。階段状に上昇する発熱、次いで稽留熱。白血球減少、好酸球消失。」
<1>発疹: →「発疹
  (1)部位:
     胸部・腹部に発症。
     背部・顔面・四肢には見られない。
  (2)性状:
     バラ疹(10〜20%に認められる)
     皮膚よりやや隆起し、新旧混在する
  (3)発疹の出現:
     発熱後1週間で発疹する。
<2>悪寒、熱感、頭痛。
<3>熱は、階段状上昇。
<4>脾腫。
<5>舌苔:厚
<6>徐脈
血液像 白血球:減少
・重症例・・・<2000/µl
・核左方移動・・・顕著
・極期→好酸球消失・好中球優位
・解熱期→リンパ球優位
[GOT][GPT]・・・200IU/l
LDH・・・・・・・1000 IU/l
検査項目 1.血液:白血球数・像
2.チフス菌の検出:第1週----血液
3. 第2週----尿・便
   Widal反応(第2週後)
腸チフス 腸チフスをあらわすティフォイドという言葉は「恍惚状態」という意味で、治療を受けていない腸チフス患者の精神状態を示している。原因菌のサルモネラ・ティフィには50種以上の菌株があって、いずれもヒトの消化器系にしか住み着かない。この病気は現在のアメリカではめずらしくなっているが、病名だけは我々アメリカ人の共通言語のなかに深く定着している。というのは、メアリー・マローンという、自分は一度も発病したことがないのに、チフスを広く伝播した料理女が「チフス・メアリー」として名を残したからである。
 腸チフスは不衛生な環境で起こりやすい病気であり、普通は汚染された食物と飲み水から罹る。従って、よく混同されがちな『発疹チフス』と同じように、腸チフスは常に戦争や貧困のために清潔な環境や衛生設備が損なわれた時に現れやすい。ボーア戦争の間、腸チフスで死亡したイギリス兵は13000人(戦死者は8000人と対照的に)にのぼり、他に64000人が早期に帰還させられた。米西戦争では、アメリカ軍の20%が腸チフスにかかり、1500人以上が死亡した。第一次世界大戦のころには、感染者の糞便がはたす役割が理解されるようになり、軍隊もきれいな水とトイレットペーパーが補給された為患者の発生は激減した。この時期には、アメリカの都市や町では腸チフスがよく起こって、ピッツバーグやニューヨーク州トロイではとりわけ死亡率が高かった。
  「チフス・メアリー」の一件で知れ渡ったように、腸チフス菌には宿主に発病させることなく長期間寄生しながら、他の人々に感染して典型的な症状を起こさせる能力がある。このために腸チフスの予防はむずかしいのである。メアリー・マローンはティーンエージャーのときにアイルランドからアメリカに渡ってきて、裕福な家庭の料理人として雇われた。1906年から7年にかけて、衛生設備技師でもあるジョージ・ソーパーという疫学者がニューヨーク州オイスターベイにある家の持ち主に雇われ、前年の夏にその家を借りた金持ち一家で腸チフスが発生した原因を調査するっことになった。ソーパーははっきりしている水源を検査したが、病原体は見つからなかった。最期に彼はマローンと面会して、その就労記録から7つの別々に起こった腸チフスと彼女の雇用期間が一致していることを発見した。ソーパーがその証拠をメアリーに突きつけたところ、彼女は大型フォークを振り回して食ってかかった。そもそも、当の本人はすばらしく健康だったのだ。ソーパーはやがてニューヨーク市の公衆衛生局の役人に、メアリーを逮捕するように勧告した。またしてもフォークを振り回すメアリーとの激しい一幕のすえ、市警はようやく逮捕にこぎつけ、検査と治療のためにメアリーを隔離した

  
新聞王ハーストの新聞はただちに、市の公衆衛生の役人がつけた、「チフス・メアリー」という仮名を使って、センセーショナルな記事を書き立てた。メアリーはノース・ブラザー島の病院のバンガローで2年暮らした後、1910年に法律上やむをえず釈放されることになった。よその家庭の料理人という商売をしないという条件がついていたが、彼女はさっそく偽名を使ってホテルやレストランで常勤の仕事を見つけた。メアリーの感染源としての足跡は皮肉なことに、1915年にスローン婦人科病院で終わった。というのは、そこで20人の腸チフス患者が発生し、彼女が厨房で働いていたせいだとされたのである。メアリーは再びノース・ブラザー島に閉じこめられていたが、1932年に激しい卒中を起こしてブロンクス病院に転送され、入院したまま67年後に肺炎で死亡した。合計すると、彼女が直接関係ありとされた腸チフス患者は、少なくとも53人にのぼり、そのうち3人は生命を奪われたのだった。「A Field Guide to Germs by Wayne Biddle]春日倫子訳p130
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