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感覚失語 Wernicke
「言葉によるコミュニケーションがうまく出来ない、ということをうまく生かすと、より深いコミュネケーションに到達することが出来る」
(「ことばの海へ失語症ケアのはじまりと深まり」遠藤尚志著)
 Q おはようございます。
 A はい
 Q 朝起きて何するんですか?
 A 今週でしょ。頭も痛かったし
 Q 駅は何ていう名前かな?
 A そうね、七時ごろかな
やりとりがかみ合う気配は一向にない。6月上旬の東京・国分寺の西東京警察病院。男性患者のAさん(54)が質問に懸命に答えながら言語訓練を受けていた。
 地方公務員のAさんは今年1月末、脳卒中で倒れ、言語を操る左脳に損傷を受けて「失語症」になった。3月から週一度、言語訓練を受けている。
 失語症とは、言語中枢が損傷されて言語機能が失われ、「話す聞く読む書く」が不自由になる症状をいう。損傷の部位により障害の程度や種類は様々だ。
 Aさんの場合は冗舌に話せるが理解する能力が著しく低下し、会話が成立しにくい「ウエルニッケ失語」に当たる。幸いのも先月下旬、Aさんは余り言葉を交わさずにすむ仕事に変わり役所に復帰した。
 失語症の患者は、言葉を介さない知的作業には何ら支障を来さず、人格も以前と変わらない。ただ、それまで当たり前と考えていた「話す」ことが出来なくなるストレスに加え、周囲の様々な誤解がのしかかってくる。
 全国失語症友の会連合会(東京・新宿)の橋本一夫理事長(54)は34歳の時、脳卒中で失語症になり、訓練で言葉を取り戻した。橋本理事長は自分の体験に照らしてこう指摘する。「言葉は本当に大切なんです。言葉を失ってしまうと、人間の社会的な価値が8割方失われてしまったような気になるものなのです」
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