ウツ病 |
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| 関連情報 |
「仮面うつ病」「うつ状態」「躁病」「無気力」「憂鬱(ゆううつ)」「気疲れ」「抑ウツ症」「感情が不安定」「不安」「ストレス」「気ウツ」「手首自傷症候群」「やる気がない」「寝言」「恐怖症」「子どもを虐待」「無月経」「不眠症」「蛋白漏出性胃腸症」「男性更年期障害」「便秘」「譫妄」「慢性疲労症候群」「非行」「パニック障害」「亜鉛」「栄養補助食品」 |
| 「アルダクトンA」「エビリファイ」「タガメット」「タキソール」「テノーミン」「プレドニン」「ロヒプノール」 | |
| [インターフェロンα] [メチルフェニデート] [ラウオルフィアアルカロイドとその合剤]=(レセルピンなど) |
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| [パロキセン] | |
| ウツ病 | =「鬱病」「抑うつ症」「メランコリーmelancholy」 憂鬱な気分、どんよりした気分が半月~1ヶ月以上続く。 気力がわかず、自分がダメ人間になったような気分がどんどん強まる→うつ状態
(うつ病の一般的症状)
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| 診断基準 | 2つの診断基準:
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| ウツ病 | ||
| うつ病とはどんな病気ですか? | ||
| 永山素男・日本赤十字社医療センター精神科部長に聞く。 「21歳の女子学生。ここ数週間、何もやる気が起こらず、人に会うのもおっくうになり、憂鬱な気分が続いています。病院では、うつ病との診断を受けました。薬を飲みながら通院を続けていますが、なかなか良くなりません。将来を考えると不安になります |
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| 気分が落ち込んで悲しく寂しい気分になり、何に対してもおっくうで疲れやすくなります。 | ||
| 考えも集中出来ません。 自分がつまらないものに思えて、なかには死を考える人もいます。 こうした症状が時間にによって変化し、朝に重くて夕方から軽くなるのが特徴です。 |
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| 20歳代で初めてかかる人が多く、40歳代から60歳代の人にも多い。 | ||
| 女性がかかりやすい病気です | ||
| “ゴルフをしたら肩が痛くなり、夜も寝られない”と訴える患者が、実は憂うつで食欲が無く、うつ病の可能性があった。 | ||
| 日常的に気分が落ち込んで、憂鬱(ゆううつ)だと思うのとはどう区別しますか? | ||
| 症状の強さ・長く続く点が違う。うつ病の方が重い。 | ||
| 食欲が落ちて、体重が減少 | ||
| よく眠れない | ||
| 便秘 | ||
| 無月経 | ||
| 性欲低下 | ||
| どうして起こるのですか? | ||
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| 周囲が気を付けることは? | ||
| 叱咤・激励は禁物 | ||
| 正常な悲哀反応 | うつ病 |
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| 正常な悲哀反応は、 愛する人と死別したときなどの、誰でも悲しくなって無理のない状況で生じる |
ウツ病は必ずしもそうではなく、仕事や家庭は順調で心配事の無いときの転勤などで発症している。
(秩序の変化)
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| ★身体症状がない | ★身体症状を必ず伴う (イ)食欲不振 (ロ)体重減少 (ハ)便秘 (ニ)その他の自律神経症状 |
| 正常な悲哀反応では悲しみの理由がその当人にはよく分かっている。 | (イ)きちょうめんで完全主義者。 (ロ)責任感が強く、 (ハ)対人関係でも波風を立てない人。 「きちんとした性格の人が秩序の変化に対応出来なくなると鬱病に陥る。ただし、患者自身は自分の性格や発症状況について自覚していないことがほとんど。 原因を自覚していない点で、『正常な悲哀反応』と異なる。 |
うつ病の特徴:「悲嘆反応」との違い
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| 診断技術 | ||
| うつで増える血中物質 | ||
| 2009年、産業技術総合研究所と国立精神・神経センターなどはうつ病の患者の血液中で増える物質を突き止めた。脳内でこの物質が増えると神経細胞が障害を受け抗うつ薬の効きが悪くなる可能性がある。 発見したのは『proBDNF』というタンパク質。 脳の神経細胞の成長を促す因子である「BDNF」ができる前の前駆物質で、proBDNFが増え過ぎるとBDNFの量が減少して神経細胞が働かなくなり、うつ病が悪くなるとみられる。 うつ病と診断された患者約200人を調べたところ、健康な人約500人と比べて血中に含まれるproBDNFの量が約2倍多かった。 また[統合失調症]や[躁鬱病]などの患者よりも2倍以上増えていた。 脳で作られたものが血中へ漏れ出た可能性がある。 うつ病の診断は気分や食欲、睡眠状態などの問診だけで診断しており、客観的に調べる方法が求められている。 |
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| 2003年、千葉大学の清水栄司講師と橋本謙二助教授らは、うつ病患者では血液中の特定のタンパク質量が減少していることを突き止めた。治療を受けるとタンパク質の量が回復する。 研究グループは、脳神経の栄養因子である『BDNF』というタンパク質に着目。未治療のうつ病患者16人、治療を受けている患者17人、健康な人50人の同意と協力を得て、血液中のタンパク質量を比較した。 未治療の患者は、タンパク質が健康な人より4割程度少なかった。抗ウツ薬を使っている患者では健康な人とほとんど変わらなかった。未治療患者でも投薬を始めると、タンパク質量が増えるのを確認した。 動物実験で抗ウツ薬を投与すると、脳でBDNFが増加することが知られていた |
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| 脳血流量 | ||
| 2008年、香川労災病院のグループが、うつ病に罹った40~50歳前後の労働者25人の脳血流量を調べたところ、18人で脳の左前頭葉の特定部分の血流量が低下していた。さらに、うつ病が治りつつある時期の脳血流を調べると、75%の患者でこの部分の血流が回復していた。 | ||
| 問診でしか判断するしかなかったうつ病などの心の病を、検査装置で客観的に調べる技術が進んでいる 横河電機と島津製作所・金沢大学は神経の活動を調べる脳磁計と脳血流を読み取る近赤外光脳機能計測装置を組み合わせ、短時間で簡単に脳の働きを調べられる検査装置を開発した。 頭皮から7cm下の位置までミリメートル単位で診断部位を絞り込み、ミリ秒単位で脳活動の変化を捕らえられる。2009年4月には厚生労働省も脳血流を調べる装置を医療現場で診断の補助として使うことを認めた。 |
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| ハミルトンうつ病評価尺度 | ||
| 下記の17項目について、最近1週間の症状に最も近い番号を選択してください。 | ||
| ① | 抑うつ気分(悲哀感、絶望感、無力感、自信喪失感) | |
| 0 | なし | |
| 1 | 聞かれた場合にのみ、抑うつ気分を訴える | |
| 2 | 自発的に、言葉で抑うつ気分を訴える。 | |
| 3 | 抑うつ気分を言葉以外(表情、態度、声、よく泣く)の方法で訴える。 | |
| 4 | 抑うつ気分が、言葉や言葉以外の行動の端々に現れている。 | |
| ② | 罪業 | |
| 0 | なし | |
| 1 | 自己批難し、ほかの人を気落ちさせてしまうと考える(自責感)。 | |
| 2 | 過去の過ちや悪行に対して沈思黙考する。またはそれに対する罪悪感を持つ(罪業念慮)。 | |
| 3 | うつ症状を罰だと考える(罪業妄想)。 | |
| 4 | 非難や弾劾的な幻聴が聞こえる。幻覚症状がある。 | |
| ③ | 自殺 | |
| 0 | なし | |
| 1 | 生きるだけの価値が無いと思う。 | |
| 2 | 死を願う、または考える。 | |
| 3 | 希死念慮がある、または自殺の意思表示を行う。 | |
| 4 | 自殺企図がある(深刻な自殺未遂は、すべてこの「4」に属する)。 | |
| ④ | 入眠障害 | |
| 0 | なし | |
| 1 | ときおり寝付きが悪い(30分以上)。 | |
| 2 | 毎晩寝付きが悪い。 | |
| ⑤ | 熟眠障害 | |
| 0 | 問題なし | |
| 1 | 夜間、落ち着かず睡眠が途絶えがちになる。 | |
| 2 | 夜中に目が覚める。寝床から出る場合は、すべてこの「2」に属する(排泄時は除く)。 | |
| ⑥ | 早朝睡眠障害 | |
| 0 | 問題なし | |
| 1 | 早朝に覚醒するが、再び眠ることができる。 | |
| 2 | 早朝に覚醒し、再び眠ることができない。 | |
| ⑦ | 仕事と興味 | |
| 0 | 問題なし | |
| 1 | 仕事や趣味などのアクティビティに関して無力感、倦怠感、虚弱感がある。 | |
| 2 | 仕事や趣味などのアクティビティに関する興味の欠如。本人による直接の訴えや、関心の欠如、ためらい、迷いなどの間接的な間接的な場合がある。(仕事やアクティビティを、自分自身に強制する必要性を感じる)。 | |
| 3 | アクティビティに費やす時間や生産性の減少。病院では、1日に3時間以上をアクティビティに費やさない場合は、「3」とする。 | |
| 4 | うつ症状のため、作業を放棄。病院では、病棟の雑用以外のアクティビティに参加しない場合、または病棟の雑用を一人でできない場合は「4」とする。 | |
| ⑧ | 精神運動抑制(思考や会話の遅延、集中力の低下、自発的運動の減少など) | |
| 0 | 問題なし | |
| 1 | インタビュー時、わずかな遅延が表れる。 | |
| 2 | インタビュー時、顕著な遅延が表れる。 | |
| 3 | インタビューが困難。 | |
| 4 | 完全な昏迷状態。 | |
| ⑨ | 激越 | |
| 0 | なし | |
| 1 | 落ち着きがない。 | |
| 2 | 手や髪などを触る。 | |
| 3 | 落ち着きがなく、じっと座っていることができない。 | |
| 4 | 手を動かす、爪を噛む、髪を抜く、唇を噛むなどの動作を行う。 | |
| ⑩ | 精神的不安 | |
| 0 | なし | |
| 1 | 緊張、いらいらする傾向にある。 | |
| 2 | 些細な物事が気になる。 | |
| 3 | 不安感が表情や会話に現れる。 | |
| 4 | 常に恐怖に怯えている。 | |
| ⑪ | 身体的不安(不安感に伴う生理学的発症。胃腸に関しては口渇、ガス、消化不良、下痢、腹痛、げっぷが、心臓血管に関しては動悸や頭痛が、呼吸に関しては過換気やためいきが、それぞれ発症する。その他、頻尿や多汗など。) | |
| 0 | なし | |
| 1 | 軽度。 | |
| 2 | 中度。 | |
| 3 | 重度。 | |
| 4 | 身体障害の発生。 | |
| ⑫ | 消化器系の身体症状 | |
| 0 | なし | |
| 1 | 食欲不振だが自主的に食事をする。胃がもたれる。 | |
| 2 | 強制されないと食事をしない。下剤や胃腸薬を要する。 | |
| ⑬ | 一般的な身体症状 | |
| 0 | なし | |
| 1 | 手足、背中、頭が重い。背中の痛み、頭痛、筋肉痛、体力の低下、疲労感など。 | |
| 2 | その他の明らかな症状が認められる場合は、この「2」に属する。 | |
| ⑭ | 生殖器に関する症状(性欲の低下、生理不順など) | |
| 0 | なし | |
| 1 | 軽度。 | |
| 2 | 重度 | |
| ⑮ | 心気症 | |
| 0 | なし | |
| 1 | 身体のことばかり考える。 | |
| 2 | 健康に気をとられる。 | |
| 3 | 不満を漏らす、助けを求めるなど。 | |
| 4 | 心気症的妄想を抱く。 | |
| ⑯ | 体重の減少 | |
| A)過去の経緯と比較した場合 | ||
| 0 | なし | |
| 1 | うつ病に起因する体重の減少。 | |
| 2 | 絶対的な体重の減少(患者による申告)。 | |
| B)精神科医による毎週の体重検査において、体重の変化が実際に測定された場合 | ||
| 0 | 週に1ポンド(500g)未満の減少。 | |
| 1 | 週に1ポンド(500g)以上の減少。 | |
| 2 | 週に2ポンド(1000g)以上の減少。 | |
| ⑰ | 病識 | |
| 0 | うつの症状を認め、病気であることを認識している。 | |
| 1 | 病気であることを認識しているが、食物、気候、過労、ウイルス、休息不足などが原因だと考えている。 | |
| 2 | 病気であることを認めない。 | |
| 合計点数 点 医療者が患者の病状の変化を評価するために利用する |
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| メランコリー | ディスティミア |
| (自罰的なタイプのうつ病) | (他罰的なタイプのうつ病) |
| 「まじめで几帳面」 「責任感が強く頼まれたら“NO!”と言えない」 「対人関係で細やかな配慮を欠かさないで周囲に気を遣う」 |
「世の中が悪い」 「自分が幸福を感じられないのは親のせい」 |
| うつ病を隠したがる。 うつ病になった後も「迷惑ばかりかけて申し訳ない」と過度に自分を責め続ける。 |
「私はうつ病です」と自分から言うことが多い |
| 日常生活に大きな支障がある | 何も楽しいことがないと不満を述べながらも日常生活は何とがやっていける状態。 やや調子のいい日が数日続いてまた落ち込むなど波がある。 |
| 楽しいはずのことも苦痛になる | 好きなことは楽しめる |
| 叱咤激励は逆効果を招く | ときには叱咤激励が必要。 |
| うつ病のタイプ | |
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| うつ病の症状 | ||
感情の憂鬱と意欲の抑制が主症状で、
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随伴症状・・・・・・・・・・「関節が痛い」
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| 痴呆との区別が難しいことがある | ||
| うつかも? | |
| 睡眠 | まず『睡眠』では “夜中に何度も目が覚める”とか、 “朝早く目が覚めることが続いていないかどうか?”。 もちろん年齢による変化もあるが、これらは眠りが浅くなったためであり、長く続いて日常生活に支障を来すことなどがあったら気を付けなければならない。 |
| 食事 | 『食事』では、 “食べ物の味が分からなくなった” “食欲が湧かない”といったことがないかどうか。 “きちんと朝食をとっていたのに、最近は抜くことが多くなったかどうか?”も大切なチェック項目。 |
| ウツが進むと1日中食欲も元気もなくなるが、初期には午前中の気力が低くなることが多くなる。 | |
| ・仕事 ・家事 |
『仕事』では“気が乗らない” “ミスが増えた”ということはないだろうか? “食事の後片付けや掃除がおっくうになった”ことがないだろうか? これらはウツの初期にしばしば見られる、日常のことに集中できないという症状が現れたものと見て良い。 |
| ・タバコ ・アルコール |
『酒・タバコ』では、“量が増えた”とか、 “今まではしなかったのに最近は寝酒を始めた” ということにも気を付けたい。酒やたばこをたしなむことよりも、それらの変化をみることが大切だ。 |
| ・趣味 ・スポーツ |
『趣味・スポーツ』では、“これまで趣味にしてきたことに関心が薄れた”とか、“運動したあとでも疲れがとれにくい”ということはないだろうか? よく「気分転換にスポーツをしたら」というが、ウツの人には逆効果。かえって“負担”になることが多い。 |
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| 心の 風邪 |
「うつ病で一番の問題が自殺です。昨年8月に警察庁が発表した1年間の自殺者数は過去最悪の33048人。50年前の2倍以上です。うつ病になったら一定の割合で自殺者が出ているのは事実ですから、正しく対応し、自殺を防ぐ事が大切です。うつ病は“心の風邪”です。 精神障害は高血圧や糖尿病のようにありふれた病気で、誰にでもかかる可能性があります。」 2002年度 厚労省の調査結果では、うつ病を中心とする気分・感情障害の患者数は約711000人だった。 |
| 早期 発見 |
うつ病と診断された100名に身体症状(つらいと感じた)を聞いた結果。 以上(複数回答あり)が多かった。 |
| 自殺 の サイン |
自殺者の7割がうつ病と言われている。 責任感の強い者ほど心の病になっても隠そうとするので、うつ病と気づくのが遅れる。 2003年度の自殺者(34000人) アルコール 「うつ病の場合、まずアルコールは厳禁」と大野慶応大教授は忠告する。眠りを浅くし、ウツ症状を強める作用があることに加え、衝動的に自殺に及んでしまうこともある。楽しい酒場の雰囲気も気分の沈んだ人にはつらいので、アルコールに頼るのはよくない。 |
| 女性に 多い |
女性に多い・ホルモンと関係 バリバリ仕事に励んできた人が突然、元気をなくし、重苦しい気分になり、人にも会いたがらない。自分をつまらない人間と思いこみ、会社にも家族にも申し訳ないと言い出す。このような状態が2週間以上続くのが、うつ病(大うつ病または単層性うつ病)だ。 うつ病は世界で患者がとても多い、心の病である。わが国でも人口の5%に相当する600万人が苦しんでいるという。患者があまりに多いため、うつ病は“心の風邪”とも呼ばれている。 うつ病のかかりやすさに、性差があるといわれる。女性の患者の割合が高いことは、精神医療携わる人々には良く知られていた。ただ1つ疑問があった。本当に、女性が男性よりもうつ病にかかりやすいのか?それとも、より多くの女性が助けを求めて病院を訪れるのか?・・・ この疑問は、世界保健機関(WHO)が世界の十数カ国でうつ病の患者数を調べ、女性の数が男性の約2倍になると報告したことで終止符が打たれた。 悲しみ 米国立衛生研究所(NIH)のマーク・ジョージ氏は1997年人が悲しむとき、脳のどの部分が働くかを調べた。脳の働いている部分は、血液の流量が増大する。陽電子断層撮影(PET)装置でそれを測定する。彼は男性10人と女性10人を被験者に選び、悲しみを思い出している最中に彼らの脳をPETで観察してみた。被験者の悲しみの程度によって結果が左右されるから、あらかじめ別の試験によって、悲しみが同程度と判定しておいた男女の脳の興奮部位を比較した。 すると、男女とも脳の左半球の前頭前野が同じ程度に興奮したが、女性では特に、大脳辺縁系の血液量が男性の8倍にも増大していた。 彼は、怒りや不安、幸福についても同様に、男女の脳の血液の流量をPETで調べたが、悲しみの測定で得られたほど大きな男女差は見られなかった。 その研究で大事な発見は、悲しみの際に活性化された脳の2つの部分が、うつ病になったとき、正常に働かない部分と一致することだ。 つまり、悲しみで大脳辺縁系が過剰に消耗し、この部分の働きが低下してうつ病となる。その傾向が、女性に強かったことを示している。 うつ病とホルモンの関係も調べられている。 睡眠を誘発するホルモンにメラトニンがある。「暗闇のホルモン」とも呼ばれるメラトニンは、夜だけ脳の松果体から放出される。これにより体温が下がり、睡魔が訪れる。人が朝に目覚め、夜に眠るという1日の周期、いわゆる体内時計を制御する重要な物質である。 NIHのトーマス・ウエア氏は女性では冬の夜にメラトニンの分泌量が増え、夏の夜には減少することを発見した。男性は対照的に、夜のメラトニン量は年間を通じて変わらない。女性のメラトニン量は、季節や環境の変化によって左右されるのだ。 うつ病の時に眠りすぎる女性がいる。日光が乏しい状態でメラトニンが分解されず、眠りが長くなる状態に似ている。この症状の緩和には、光を当てる方法が効果をあげる。 2倍以上 うつ病はごくありふれた精神疾患だ。欧米での調査では、ある時点を区切って地域を調べると約5%の人がウツ病にかかっているということが分かっている。ところが、その男女比で見ると明らかに女性に多く(男性の約2倍)、この傾向は、一生の内に一度はウツ病にかかる割合でも同じようになっている。米国の調査データだが、男性で5~12%、女性で10~25%と、やはり2倍以上になっている。 これには女性特有のホルモンの変化が影響しているかもしれないと考えられていた。月経周期に合わせて月経前に精神的に不安定になったり気分が沈み込んだりする月経前緊張症や月経前気分不快症は月経周期に連動するホルモンの変化が影響していることは良く知られている。 出産後に気分が沈み込んだり精神的に不安定になったりする産褥期うつ病や、中年期の月経がなくなってくる時期にウツ状態になる更年期うつ病もホルモンの変化が関係しているそうである。しかし、最近の研究からは女性がおかれている社会環境の厳しさの方がずっと強くうつ病の発症に影響していると考えられるようになっている 働く女性に急増 過重労働や仕事上のストレスが原因で「うつ病」などの精神障害を発症したとして労災を申請、認定される女性の数が急増している。成果主義の導入やリストラといった雇用均等の進展で重責を担うようになった女性の心を直撃しているとの指摘もある。 体を動かす気力が出てこない・・・・・大手電機メーカーのエンジニアとして働いていたS子さん(38)が、初めて体調の異変に気づいたのは入社11年目を迎えた時だった。 理科系出身で女性では数少ない技術部門の総合職として入社。工場勤務で認められ10年前に半導体関連の新設ラインのリーダーに抜擢された。早朝から深夜まで会議や設計に追われる日々が続き、ひどい頭痛や気分が悪くなる日が増えていった。しかし、「私が休むわけにはいかない」とがんばり続けた。 診断は「うつ病」。発症前の半年間、1ヵ月当たりの残業時間は80時間に達していた。就業規則で定められた休職期間2年の満了が近づいて、会社から解雇予告通知が届いた。すぐに労災申請。3ヵ月後に「発症は会社が過酷な労働をさせたのが原因」として、解雇の無効と損害賠償を求めて会社側を提訴した。 過重労働で、男性は過労死につながる脳・心臓疾患を発症するケースが目立つが、女性はストレスから精神障害となることが多いと言われる。 厚生労働省によると、過労が原因の精神障害の発症や自殺で女性が労災認定された件数は1999年度には2件だったが、2000年度には12件と急増し、2003年度には31件となった |
| 順調希求 |
「78歳の女性が不眠を訴えて、神経科外来を受診。 よく聞いてみると、3ヶ月前より、息子夫婦と同居するようになってから、気分が憂鬱で、イライラし、眠れない。頭が重く、胸に圧迫感があるという。元来、神経質で、ささいなことが気になり、取り越し苦労をするという。軽度の欝病と診断し、抗ウツ剤と睡眠剤を投与した。1週間後、眠れるようになったが、ウツ気分が取れないとのことで、さらに抗ウツ剤を追加した。 「1ヶ月ほどで、ウツ気分も改善したが、頭重感と胸部圧迫感が頑固に続いた。この人は、頭がすっきりしてほしい、胸のつかえがすっきりとれてほしいという希望がとても強く、体のどこかが少しでも具合が悪いと、それを受け入れるのが難しいという傾向があった。 これを専門的には『順調希求』と呼ぶ。 これはいつも順調でありたいという気持ちがとても強くて、不調な状態を受け入れにくく、欝病になりやすい人の性格特徴の1つになっている。誰でもいつも順調でありたいと望むが、その望み方が強すぎるわけだ。 「この患者の場合も「順調希求」が強すぎて、それがウツ状態の回復を遅らせた。80近くになると、ウツ状態をきっかけにして、自律神経系が敏感になり、頭が少し重かったり、胸の圧迫感があったりするのは避けられないことも多い。「まあ、こんなものだろう」程度に受け止めて、症状を無視しておれば、次第に落ち着いてくるものだ。 「順調であることを望み過ぎると、少しの体の不調が気になり、神経が疲れて、ウツ状態になることがある。体の不調が重大な病気の前触れであることも、もちろんあるが、多くの場合、気にしない方が健全な精神生活につながるようだ。」 |
| 見守って | うつ病に・・・はげましは禁物 「J氏(56)は、マジメで責任感も強く、仕事熱心な人で、昨年4月に部長に昇進 した。仕事量が増え、人間関係も複雑となったが、春から夏秋にかけては張り切って仕事をこなしていた。 ところが、初冬にちょっと風邪を引いたのをきっけに食欲が無くなり、不眠に悩み、頭が重く疲れやすくなった。内科を受診したが、異常なしとされた。朝、起きるのがつらく、いつもの元気が出なくなり、何とか出勤はしていた、仕事をするのも何をするのもおっくうになり、人と話すのも面倒になった。 当然、集中力がなくなり、決断するのに手間がかかり、仕事も滞りがちとなってきた。その内に何もする気がなくなり、憂鬱な気分となった。頑張らなくてはと思うが空回りするばかりだった。自分を責めるようになり、「自分ほどダメな人間はいない。会社にも家族にも迷惑をかけている」「自分のために会社は倒産しそうになっている」と思い詰めてとうとう辞表を出してしまった。 責任感が強く、几帳面で凝り性で、融通がきかず、仕事熱心であることが挙がられる。いわゆる執着性格である。 「白か黒か」「良いか悪いか」「好きか嫌いか」という二者択一の思考をとり、柔軟性に乏しい性格の人である。このような性格傾向の人に、過度の心理的プレッシャーがかかって発病することが多い。 まず不眠となる。次に食欲が無くなり、頭が重く動悸がしたり、息苦しくなったり、目がかすんだり、便秘、下痢、微熱、疲れやすさなど身体全体の症状を訴える。そぞれの症状の薬を飲んでも少しも良くならない。環境の変化がキッカケで鬱病になることもある。いわゆる 『引っ越し鬱病』 『配転鬱病』 『昇進鬱病』 『荷下ろし鬱病(一生懸命仕事した後になる)』 などである。 家族は決して励ましてはいけない。本人の苦悩する姿を静かに温かく見守り、本人の話を聞いてあげることである。心のどこかで死を考えていることがあり、自殺には要注意である。」 |
| coming out | 自分が社会から誤解や偏見を受けている立場であることを公表すること。 勇気もってカミンングアウト 「私はバリバリのウツ(鬱)です」。女優の木の実ナナさんが語りかける製薬会社の新聞が話題を呼んでいる。イライラや不安な気分からなかなか回復できない「うつ病」に悩んでいる人は多い。周囲に理解がないと、これを隠そうと苦しみは倍加する。そんななか木の実さんのように自らウツ病を告白、いわゆるカミングアウト(自ら告白)して周囲に理解を求める人も出てきた。心の病だからと偏見を持たれがちだった「うつ」を巡る状況が、少しずつ代わり始めている。 ・・・<遭難信号を送ろう>・・・遭難していることを周りに知らせよう。ウツは日常生活での遭難状態なのです。 ●広告に大きな反響 ある時、人前で笑うことが出来なくなり、いくら自分を励ましても症状は良くならない。こみ上げてくるイライラから、スタッフにもつい八つ当たりしてしまう・・・・・。更年期を迎え、5年間、うつ病と闘う生活をしていた木の実ナナさんは、そのスタッフから「大丈夫ですよ。これからは一緒に治していきましょう」と励まされ、立ち直るきっかけをつかんだ。 「笑顔を忘れないで」と木の実ナナさんがエールを送るこの全面広告は、うつ病の新薬の開発を勧めている塩野義製薬が普及させる啓発運動「DANCEプロジェクト」の一環で企画した。これを見た人から400通以上の手紙が寄せられ、同時に掲載した治験者募集には6000件以上の電話が殺到した。 プロジェクトチームの塩野芳嗣さんは「数多くの手紙を読むと、ウツがひどくて効率が上がらないので病院に行きます。などと職場でいえる米国のような環境が、日本でも夢ではないと思い始めた」と手応えを感じ始めている。 こんな例もある。社会人2年目の会社員、佐々木祐二さん(仮名。24)は、大学時代にケガで入院。長い闘病生活を送るうちに、進路や人間関係を巡る悩みから、うつ病になった。就職は薬を飲みながら突破したが、入社後、生活のリズムが大きく変わり、昨秋、重いウツになってしまった。 佐々木さんは死にたいとさえ思い、面倒を見てくれていた先輩に「実は、うつ病に悩んでいるんです」と告白。すると先輩は「何だ、うつ病の友達がいるけど、薬を飲めば乗り切れるそうじゃないか」と励ましてくれた。 「その一言で、すっと楽になり、どん底の気分を抜け出すことが出来た」と佐々木さんはほほえむ。 うつ病とは精神疾患の一種で、 [興味を持てたことがつまらなくなったり]、 [いいことがあってもいやな気分が改善されなかったりする]症状が続き、元に戻らない状態を指す。 研究が進む米国の精神学会の診断基準では △体重が5%以上変化する。 △集中力が減退する △自殺を考える・・・・・ といった5つの症状が・・・・・2週間以上続く状態をうつ病という。 ■脳動脈硬化などの病気からくる「身体因性」、 ■試験に落ちたなどの要因がはっきりした「心因性」、 ■これといった理由がないのに不安になる「内因性」 に分類される。 厚生省の患者調査では(96年度)によると、うつ病で治療を受けている人は約20万人いるが診断を受けていなくても鬱状態の人は多い。国立精神・神経センターなどが国内の18歳以上の220人から聞き取り調査したところ、米精神学会の基準にあてはまる人は30人と、7人に1人になる結果が出た。 新薬 うつ病に悩む人たちに福音になりそうなのが、副作用の少ない新薬の相継ぐ登場だ。、昨年5月にSSRIという新薬が発売され、さらにSNRIという薬も発売される。これまでの抗うつ剤に見られた、便秘やのどが渇くといった副作用が少ないのが特徴だ。 ストレスケア日比谷クリニック精神科医の酒井和夫氏は「ウツは、放置すれば症状が悪化するが、きっちり対処すれば治ると理解してほしい」とアドバイスする。 「決して1人で悩まないこと。耐えきれなくなったら、信頼できる周囲の人にうち明けることも1つの方法かもしれない。ウツは薬と治療で対処できるということを信じて根気強く治してほしい」と木の実ナナさんは訴える。 |
| 小学生 にも |
「昨今、ウツの低年齢化が進み、小学生の間でもじわじわ広がっているという。親の期待に応えようとする「良い子」が疲れ切った結果、憂鬱な気分から抜け出せなくなると専門家は指摘する。 ●頭痛・不眠などが予兆 小学校の音楽クラブに所属する6年生のA子さんは、厳しい指導の先生から高い評価を受ける模範児童だった。しかし、ある時、練習の取り組みを引き締めるため、先生は模範生のA子さんをあえて「怠け者だ」としかった。練習についていくのに精一杯だったA子さんは、その一言で緊張の糸が切れ、以来、 「疲れた」 「カリカリする」と口にするようになり、 朝起きられなくなった 国立精神・神経センター国府台病院の心理・指導部長、精神科医の斉藤万比古氏が下した診断は「うつ病と強迫神経症」。A子さんの顔から表情がなくなり、親が言葉をかけても返事すらしない。元々おしゃれだったのに着るものも無頓着に。こうした無気力な状態は典型的なウツ症状と言っていい。 このように、ウツに悩む小学生は少しずつ増えているという。「以前は子どもにうつ病は無いというのが定説だったが、10数年前から米国を中心に研究が進み、うつ病と診断されるケースが出てきた。もし、無気力な症状が出た場合、親は疑ってみた方がいい」と斉藤氏は助言する。 「私なんていなくていい」 という自虐的な考えが強まり、自殺を考えるまでになるのは、大人と同じだ。 違うのはイライラが周囲への攻撃に結びつくこと。投げやりになり非行に走るのも、子どものウツの特徴という。 「ウツに悩むのは良い子であることが多い。 親、教師、周囲の期待にこたえようと自分でがんばり、その結果、ある時点で疲れ切ってしまう」と斉藤氏は分析する。「だから親も急にイライラをぶつけたり、逆に無気力になったりする我が子を診て、“こんな性格じゃ無かったのに”とびっくりすることになる」 米国精神医学会の診断基準によると、うつ病とは、1日中ほとんど毎日、抑鬱気分があったり喜びの気持ちが無くなってしまう。不眠や睡眠過多、過剰な罪責感にさいなまれるいった5つ以上の症状が2週間以上続くこと。児童では明確な定義はなく、この大人の基準に準じて診断される。 国内での子どものうつ病についての疫学調査はないが、海外に目を転じると、例えば、英国では思春期に2~8%、思春期前でも0.5~2.5%がうつ病に罹るという研究結果がある。また米国でも、小学生以下でも1%程度がうつ病になるという研究報告がある。 親の期待が重圧に 小学校入学時からバレエを習っていたB子さんは、3年生になって発表会が近づくと、急に不安な様子を見せるようになった。「失敗したらどうしよう」。そんなB子さんに「そんなことないよ。がんばろう」と母親は励ましの言葉をかけ続けた。 しかし、がんばりたいという気持ちとは裏腹に体はついていかず、体調を崩し、どうしてもけいこ場に行けなくなってしまった。楽しく通っていた学校にさえ、「休みたい」と言い出す始末。ゆう鬱状態から抜け出せず、だんだんと気力を失っていった。 「本来なら元気良く駆け回る小学校低学年の子どもでもウツにかかる」そう話すのは、思春期の子供らの心の相談に乗る民間相談機関、東京メンタルヘルス・アカデミーのカウンセラー、Mさんだ。 B子さんの母親は「もっとレッスンを積まなきゃダメ」と強要し子どもを追い込むような“教育ママ”だった訳ではない。自分からがんばる姿に「よくやったね」と言葉をかけることが多かった。 しかし、B子さんは親に反抗する兄の姿を見て、「自分は親に心配をかけたくない。親が期待するバレエでがんばらなきゃ」と良い子になる努力をしていたという。「親や周囲の期待に敏感な子どもは本音や自分の感情を表に出さず、心の中で親の期待にこたえなければとつい頑張ってしまう とMさんは分析する。 くもん子供研究所の調査によると、 「自分のことがイヤになることがある」と答えた小学生(4~6年生)は23.1%、 「疲れている」のは46.1%に上っている |
| 問題 社員 |
ある会社の管理職が部下の相談をするために診察室にやってきた。この部下は新しく異動してきた社員で周囲になじめないでいるというのだ、しかも、ささいなことでイライラするので、話しにくくて困っているという。 この部下は異動当初からもの静かな雰囲気だったものの、仕事はきちんとこなしていてさほど問題があるようには思えなかった。しかし、3ヶ月ぐらい経過した頃から次第に仕事にミスが目立つようになった。注意をするとぶっきらぼうに返事をして仕事をやり直すが、反省する様子は見られない。かえって注意した方がわるいような印象さえ受けて気まずくなる、ほかの社員ははれものに触れるように接するので、その社員だけが孤立したようになってしまい、職場の雰囲気も悪くなった。 上司の話だけ聞いていると、性格に問題がある社員が回されてきて苦労しているのかなと考えてしまう。そこで、上司には異動してくるまでの様子を前の職場に確かめるように勧めた。すると、いまの職場の印象とはまったく違って、礼儀正しくて仕事もきちんとこなしていたことが分かった。 この時点で私は、異動してきた社員がうつ病にかかっていて行動に問題が表れているのではないかと考えた。異動のような環境の変化をきっかけにしてうつ病が発症することは珍しくない。それも、異動してすぐというより、3ヶ月ぐらいたってからのことの方が多い。異動して間もないころは、つらくても弱音を吐いてはいけないと、表面的には分からないように何とかがんばってしまえるからだ。 ウツ症状が強くなっても表面上はがんばりすぎてしまうため、悩んでいるということが周囲の人たちにわかりにくい。異動前のことが分からないと、性格に問題があるように見えてしまう。本人も周りからそのように見られることに気づいて、孤立感を深め、さらに症状が増悪することになる。 こうした行動上の問題は、自分の気持ちを言葉で表現するのが苦手な子供によく見られるが、成人でも起こるので注意が必要だ」 |
| 午前3時 症候群 |
精神疾患の症状は誰もが体験することがあるのものだけに、いろんなニックネームが着けられている。「午前3時症候群」というのは普通の睡眠障害をうまく表現した良いネーミングだ。 ■ウツになると睡眠のリズムが崩れて、寝付きが悪くなったり、夜中に何度も目を覚ましたりするようになる人が多い。同時に、早朝覚醒といって、普段起きる時間の2時間も3時間も早く起きるようになることがある。午前3時でも午前4時でもよいのだが、早く目が覚めてしまう状態が午前3時症候群と表現されているのである。 朝早く目が覚めたからといって、そのままスッキリ起きあがれるわけではないし、眠ろうとしても眠れるわけではない。体も心もずっしり重くて起きあがることが出来ない。布団の中でイヤなことやつらいことを色々思い出して、くよくよ思い悩む。 これがうつ病の典型的な症状の1つである。 ■ただ、うつ病になると眠れなくなるだけでなく、体が重くて眠りすぎるようになることもあるので注意しなくてはならない。 ■睡眠障害のような体のリズムの乱れは、食欲にも現れる。気分が晴れなくてつい食べ過ぎてしまうということもあるが、食欲が低下してくる事の方が多い。「食欲が全くわかない」というだけでなく、「何を食べてもおいしくない」「味が感じられず砂を噛むような感じがする」と表現するウツ病の人もいる。その結果、体重が減ってくるが、無理してきちんと食べていても体重が減る人がいる。食べたものを消化したり吸収したりする力がストレスで低下しているのだろう。 食欲低下は、特に朝に顕著になる(朝食が欲しくない)。 朝の方が体のリズムが乱れやすく、ウツ症状も朝に強く現れやすいからである。軽いウツ症状が、朝の活動性の低下で気づかれることも少なくない。 ■毎朝必ず目を通している朝刊を読む気がしなくなると要注意だ |
| 原因仮説 |
○モノアミン学説(1960代) ドーパミンやアドレナリンをまとめてモノアミンといいます。 うつ病ではシナプスの中にモノアミンが足りなくなっていると考える。 ○レセプター学説 肥満と関連 「肥満とうつ病に密接な関連があることが分かった。肥満の人は肥満でない人に比べて「気分が優れない」「不安」といったウツ症状にかかる確率が25%高いとしている。また、学歴が高い人や収入が高い人にその傾向が見られる。 調査は男女9000人を対象に、ハーバード大学が個人面談した。肥満の定義をBMI30以上とした Per2・・・時計遺伝子 マウスと人間の行動パターンは、動きの速さを別にすれば、休息の取り方などが全く同じであることを大阪バイオサイエンス研究所や東京大学などの研究チームが突き止めた 成果は、2008年4/30付けの米科学誌プロスワンに発表した。 発表したのは内匠透・大阪バイオサイエンス研究室長や山本義春・東大教授(生体情報論)ら。」 研究チームは、体内のリズムを生む遺伝子の機能を失ったマウスと、うつ病のヒトの休息パターンが同じことも発見。 生物の行動の背景に種をを超えた基本法則が存在する可能性を示すとともに、うつ病の原因究明にもつながる成果として注目される。 マウスはカゴに入れ、重みに反応するセンサーを敷いて動きを記録。人には腕時計型の加速度センサーを着けて普通に生活してもらい、体の動きを記録した。 活動時間や休息時間について、長いものや短いものがどんな頻度で現れるかを分析すると、パターンは全く同じで、人の動きを100倍の速さで早回しにすればマウスと同じになることが分かった。 山本教授は“人とマウスの脳には同じ回路があって、行動を支配する同じ法則を作り出しているのではないか?”と語る。 体内のリズムを作る「時計遺伝子」のうち、『Per2』の機能を失ったマウスと、うつ病の人では長い休息時間の頻度が高いというパターンが同じだった。 Per2に変異がある人では睡眠障害が起こることは知られていたが、うつ病との関連は不明。 内匠室長は“時計遺伝子の機能が失われることで、うつ病になる可能性はある”と語る |
| 神経伝達物質 細胞の情報伝達 |
セロトニン 「福岡大学とスウェーデンのカロリンスカ研究所のグループは、生きたままのラットやマウスで神経伝達物質の量を計測する手法を開発、2種類の神経伝達系が互いに関係していることを2003年突き止めた。うつ病などの精神疾患の解明、新しい治療法の開発につながる。 福岡大の山口正俊教授らは、脳に直径0.2~0.3mmの細いハリを刺して脳内の物質を取りだして、うつ病に関連するセロトニンなどの神経伝達物質だけを蛍光標識して計量する技術を確立。この手法をラットに応用してセロチニン伝達系と、別の神経伝達物質であるガラニンとのかかわりを調べた。 神経細胞の末端(シナプス)でセロトニン放出量を調節する自己受容体を刺激するとセロトニン量が低下した。繰り返し刺激するとこの効果は弱くなったが、ガラニンを投与するとセロトニン量が再び大きく減った。 自己受容体を刺激する前処理によって、ガラニンによるセロトニン抑制効果が高まることも分かった。ガラニンだけだと7割までしか減らないセロトニンが、前処理と組み合わせた場合は5割以下になったという。 一方、自己受容体の働きを妨げる物質を投与すると、ガラニンによってセロトニン抑制効果が弱まることも判明。自己受容体の活性と、ガラニン伝達系の働きがお互いに影響を及ぼしあっていることが確認できた。 ガラニンと結びつく受容体タンパク質などを標的に新しいタイプの抗ウツ薬を開発できる。 うつ病では、シナプスでのセロトニン伝達が弱まる。セロトニンを放出する側の神経細胞が同物質を再び取り込んでしまうのが原因とされ、この働きだけを妨げる副作用の少ない新型の薬剤などが開発されている。ただ、こうした治療薬が効かなかったり、副作用が出たりする患者もいる。 ガラニンは老人性の痴呆などで増加することなどが知られているが、うつ病との関係はよく分かっていなかった ガラニン 「福岡大学とスウェーデンのカロリンスカ研究所のグループは、生きたままのラットやマウスで神経伝達物質の量を計測する手法を開発、2種類の神経伝達系が互いに関係していることを突き止めた。うつ病などの精神疾患の解明、新しい治療法の開発につながる。 福岡大の山口正俊教授らは、脳に直径0.2~0.3mmの細いハリを刺して脳内の物質を取りだして、うつ病に関連するセロトニンなどの神経伝達物質だけを蛍光標識して計量する技術を確立。この手法をラットに応用してセロトニン伝達系と、別の神経伝達物質であるガラニンとのかかわりを調べた。 神経細胞の末端(シナプス)でセロトニン放出量を調節する自己受容体を刺激するとセロトニン量が低下した。繰り返し刺激するとこの効果は弱くなったが、ガラニンを投与するとセロトニン量が再び大きく減った。 自己受容体を刺激する前処理によって、ガラニンによるセロトニン抑制効果が高まることも分かった。ガラニンだけだと7割までしか減らないセロトニンが、前処理と組み合わせた場合は5割以下になったという。 一方、自己受容体の働きを妨げる物質を投与すると、ガラニンによってセロトニン抑制効果が弱まることも判明。自己受容体の活性と、ガラニン伝達系の働きがお互いに影響を及ぼしあっていることが確認できた。 ガラニンと結びつく受容体タンパク質などを標的に新しいタイプの抗ウツ薬を開発できる。 うつ病では、シナプスでのセロトニン伝達が弱まる。セロトニンを放出する側の神経細胞が同物質を再び取り込んでしまうのが原因とされ、この働きだけを妨げる副作用の少ない新型の薬剤などが開発されている。ただ、こうした治療薬が効かなかったり、副作用が出たりする患者もいる。 ガラニンは老人性の痴呆などで増加することなどが知られているが、うつ病との関係はよく分かっていなかった |
| タンパク質 | BDNF不足 千葉大学の清水栄司講師と橋本謙二助教授らは、うつ病患者では血液中の特定のタンパク質量が減少していることを突き止めた。 治療を受けるとタンパク質の量が回復する。 研究グループは、脳神経の栄養因子である『BDNF』というタンパク質に着目。未治療のうつ病患者16人、治療を受けている患者17人、健康な人50人の同意と協力を得て、血液中のタンパク質量を比較した。 未治療の患者は、タンパク質が健康な人より4割程度少なかった。抗ウツ薬を使っている患者では健康な人とほとんど変わらなかった。未治療患者でも投薬を始めると、タンパク質量が増えるのを確認した。 動物実験で抗ウツ薬を投与すると、脳でBDNFが増加することが知られていた BDNFの一塩基多型→産総研 |
| 診断 | 脳血流 2008年、独立行政法人・労働者健康福祉機構は、労働者の脳内の血流を調べ、うつ病の診断に役立てる新しい評価方法を開発した。単光子放射線コンピューター断層撮影装置(SPECT)を使って実施する。うつ病に罹った40~50歳前後の労働者25人の脳血流量を調べたところ、18人で脳の左前頭葉の特定部分の血流量が低下していた。さらに、うつ病が治りつつある時期の脳血流を調べると、75%の患者でこの部分の血流が回復していた。 βフィブリノーゲン 2009年、国立精神・神経センターの川村則行室長らのチームは、うつ病の患者に多く含まれる血液中の成分を突き止めた。 健康な人とうつ病患者とを比較して、血液中のタンパク質と代謝産物を詳しく調べたところ、『βフィブリノーゲン』の分解物が、うつ病患者の多くで見つかった。 うつ病患者の8割にβフィブリノーゲンの分解物が見つかったが、健康な人には無かった。 光トポグラフィーを使った補助診断 ・・・2009年4月に先進医療に承認された。 光トポグラフィーは数百本の極細光ファイバーと近赤外線を使って頭の表面から2~3cm内部の血流量を捕らえる。 先進医療に指定された第1号は前橋市にある「群馬大学付属病院」。6月から約10名の検査を実施した。 検査は、小さなコブがたくさん取り付けられたヘッドギアをかぶり、約3分でOK。“た”で始まる言葉・・・など言葉を続けて話す試験を行い、血流を測定。試験の前後に数回「あいうえお」を言っている時とのデータを比較する。 健康な人はテスト中に血流量が大幅に増える。 うつ病の人の血流量の増加幅が少ない。 躁鬱病では、血流量が増えるまでに時間がかかる。 うつ病などの診断は、患者に症状を聞く問診が主体。本人の主観による情報なので、正確とはいえない。躁鬱病なのに躁状態を自覚していない患者の場合、うつ病と誤認するケースもある。 |
| 簡易抑うつ症状尺度(QIDS -J) | ||||||||||||
| とは 簡易抑うつ症状尺度(Quick Inventory of Depressive Symptomatology:QIDS -J)は、16 項目の自己記入式の評価尺度で、うつ病の重症度を評価できるほか、アメリカ精神医学会の診断基準DSM-IV の大うつ病性障害(中核的なうつ病)の診断基準に対応しているという特長を持っています。 世界的に知られた精神科医John Rush 先生によって開発され、世界10 カ国以上で使用されています。日本語版は、慶応大学医学部の藤澤大介先生のグループによって作成されました。 採点の方法 睡眠に関する項目(第1-4項目)、食欲/体重に関する項目(第6-9項目)、精神運動状態に関する2項目(第15、16項目)は、それぞれの項目で最も点数が高いものを1つだけ選んで点数化します。それ以外の項目(第5、10,11,12,13,14項目)は、それぞれの点数を書き出します。うつ病の重症度は、睡眠、食欲/体重、精神運動、その他6 項目を会わせて9 項目の合計点数(0点から27点)で評価します。 原版QIDS では、点数と重症度は下記のようになっています。
QIDS-J の使い方 各項目が大うつ病性障害の症状に対応しているので、うつ症状の評価やスクリーニングに使えるほか、合計点を算出することでうつ状態の変化を見ることができます。6 点以上の場合にはうつ病の可能性がありますので、まず医療機関に相談してください。 携帯サイトhttp://cbtjp.netを使えば、自動的に計算できます。 |
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| 治療 | うつ病の治療は ①休養 ②薬物療法 抗うつ薬で脳内の機能低下している神経伝達物質の機能を高める。 抗不安薬 入眠剤 ③カウンセリング(認知療法) ④通電療法 精神的休養が大切で、仕事を休んだ方が良い場合が多い |
| 断眠療法 | “徹夜をして眠らないでいるとウツ症状が改善する” という記述は古くからあったが、うつ病に対する最初の治療的断眠療法がドイツのミュンスター大学精神科で行われたのは1960に入ってからだ。 断眠療法で完全に徹夜すると抑ウツ症状の急速な改善が見られた。 典型的なうつ病では、「日内変動」といって、ウツ症状が夕方~夜になると軽くなるが、一晩眠るとまた悪くなっている。このような人で、断眠後の朝の症状改善が、特に著しく改善された。断眠中の患者を注意深く観察すると、早朝の3時~4時に急激に気分が改善する。この時間帯に眠ってしまうと気分の改善が見られない。 夜間前半部は眠り、後半部起きて過ごせば、ウツに対する効果は十分だと分かった。 一方、断眠後に眠たいから昼寝をすると[憂うつ]になったり、 次の晩に通常通り眠ると翌朝に再びウツ症状が出たりする。 まれに効き過ぎて躁状態が出ることも分かった。 典型的うつ病では、
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| 認知行動療法 | 考え方や行動を変えることで、気持ちを変えていこうとするもの。 たとえば、うつ病患者は、知人が自分の前を通り過ぎると・・・・ 「自分は無視された」 などと思いこみがち。 ・・・これを「知人は忙しかったからだ」「近眼で見えなかったからだ」と、より現実的な考え方に変えることで、落ち込むのを防ぐクセをつける。 |
| 電気治療 | 難治性うつ病 2009年、放射線医学研究所と日本医科大学なとのチームは、薬が効かない難治性うつ病患者に電気刺激治療が効果を示すメカニズムの一端を明らかにした。 うつ病患者では脳内のドーパミン放出量が減っている場合が多い。ドーパミンを増やせば症状改善につながる。これまで、電気刺激とドーパミンの関係が不明だった。 研究チームは、難治性うつ病患者7人を、電気刺激治療前後の脳の状態をPETで調べた。その結果、、電気刺激を受けた後ではドーパミン受容体が減少していた。 一般的にドーパミン放出量が増えるとドーパミン受容体が減る関係にあることが知られている。 難治性ウツ病患者にはセロトニンやノルアドレナリンを調整する薬は無効。 |
| うつ病に用いる西洋薬 | ||
| 三環性抗ウツ薬 | (1)三環性抗ウツ薬には以下のものがあります: 1.塩酸イミプラミン(一般名):「イミドール」「クリミチン」「トフラニール」 2.塩酸クロミプラミン(一般名):「アナフラニール」 3.塩酸アミトリプチリン(一般名):「アデプレス」「アトリプタール」「アミプタノール」「アミプリン」「塩酸アミトリプチリン「トリプタノール」「ノーマルン」「ミケトリン」「ミタプチリン」「ラントロン」 |
第1世代 |
| (2)アルコール 「アルコールと三環性抗ウツ薬を一緒に摂取すると、血中のアルコール濃度が急激に上がる。原因は良く分かっていない。 |
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| 主にノルアドレナリンの再取り込みを阻害する薬 | 1.アモキサピン(一般名):「アモキサン」 2.塩酸ドレスピン(一般名):「プロチアデン」 3.塩酸ロフェプラミン(一般名):「アンプリット」 |
第2世代 |
| ノルアドレナリンだけの再取り込みを阻害する薬 | 塩酸マプロチリン(一般名):「ルジオミール」 | |
| ノルアドレナリンの放出を抑制している受容体を遮断して抑制を解除し、ノルアドレナリンの量を増やすもの | 1.塩酸ミアンセリン(一般名):「テトラミド」 2.マレイン酸セチプリン(一般名):「テシプール」 |
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| セロトニンの再取り込みを選択的に阻害する薬 | 塩酸トラゾロン(一般名):「デジレル」「レスリン」 | |
| 選択的セロトニン再取り込み阻害剤 | SSRI | |
| セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤 | SNRI | |
| 2009年7/7承認。「リフレックス」「レメロン」 『NaSSA』と呼ぶタイプの抗うつ薬で、NVオルガノン(現シェリング・プラウ)が開発し、約90ヶ国で発売中。従来の抗うつ薬とは効き方が異なる。 |
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| 『NaSSA』・・・2009年9月に “効き始めるのが早い”国内の臨床試験を担当した木下利彦・関西医科大学教授。 うつ病と診断された患者280人を対象に、プラセボを投与した群との比較試験を実施。 新薬は平均すると飲み始めて1週間でウツ症状が軽減した。 一般に抗うつ薬は効果がでるまで約2週間必要だった。
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| SSRI | =選択的セロトニン再取り込み阻害剤。 (SSRI=selective serotonin reuptake inhibitor)。 ・・・うつ状態の脳内で減少している神経伝達物質セロトニンの働きを強め、抗うつ作用を示す。三環系抗うつ薬と薬が効く仕組みや効果はほぼ同じだが、純粋にセロトニンだけの濃度を高めるため、副作用が少ないとされる・・・・ 従来の抗うつ剤と異なり副作用が少ないため、長期、継続投与が可能になるという。鬱病と鬱状態のほか、“戸締まりや火の始末が気になり外出できない”といった症状がある強迫性障害の患者への投与を日本で初めて厚生省に認められた。 神経伝達物質の1つであるセロトニンの量を調節する作用を持つ『SSRI』と呼ばれる医薬品。SSRIの国内販売は初めて。ベルギーの医薬品メーカー、ソルベイが開発、国内では明治製菓とソルベイ明治薬品が開発を進めてきた。明治製菓は『デプロメール錠』、併売する藤沢薬品は『ルボックス錠』という商品名で1999.5発売する。」 「うつ病・ウツ状態のほか、強迫性障害に対する効能・効果も初めて取得。SSRIは神経伝達物質の1つであるセロトニンの量を調節する働きを持ち、すでに海外では高い実績があった。欧米では抗うつ剤の市場の3/4を占める。「三環系」「四環系」に比べ、ノドの渇きやめまい・便秘といった副作用が少ない。欧米では仕事で悩みを抱えるビジネスマンが服用するよになり市場が拡大。日本でも「ハッピードラッグ」などの名で並行輸入業者が紹介、承認前からも愛用者も少なくないと言われる。 <1>マレイン酸フルボキサミン(一般名): 「デプロメール」(明治製菓) 「ルボックス」(藤沢) <2>塩酸パロキセン水和物(一般名):「パキシル」(スミスクライン) 「うつ病の治療薬として広く使われている塩酸パロキセチン水和物(商品名・パキシル)を18歳未満の重症のうつ病患者に投与した場合、自殺の危険性が増すことが2003年10/20」までに判明。厚生労働省は輸入販売元のグラクソスミスクラインに対し、18歳未満の大うつ病性障害患者への投与を禁止するよう添付文書の改訂を指示した。同省は「急に投与を中止すると、めまいや知覚障害などの症状が出る危険性がある。中止する際には徐々に減量してほしい」と強調している。 同社によると、グラクソ本社が英国で実施した7~18歳の患者に対する臨床試験では、大うつ病性障害の患者に対しては有効性が確認できず、逆に自殺を考えるようになるなどリスクが2倍以上になったという。パロキセチンは、選択的セロトニン再吸収阻害薬(SSRI)と呼ばれる新しいタイプの抗ウツ薬 2010年、持田製薬は「エスシタロプラム」の製造承認を申請予定。デンマークのルンドベック社が創製し、世界90ヶ国で発売中。 |
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| SNRI | =セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)。 脳内で神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンの濃度を高める効果がある。副作用が少ない。 ノルアドレナリンを増やすことで意欲や活動性を高める効果が期待されている。 SNRIは脳内の神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの量を調節することで、抗ウツ作用を発揮する。それに対し、SSRIはセロトニンのみを選択的に調節する。SSRI・SNRI、どちらのタイプも、従来抗ウツ剤の主流だった「三環系」「四環系」といわれる薬剤と比べ、のどの渇きやめまい、便秘などの副作用が少ないのが特徴。 SSRIは、三環系などの薬に比べて副作用は少ないものの効果は劣るという指摘があるが、SNRIは旧世代の薬と同等の効果があり、さらに効果が早く現れる。
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| 攻撃性 | 抗うつ薬で「攻撃性増す」 2009年6/24、抗うつ薬として広く処方されている「SSRI」は「SNRI」について、厚生労働省は・・・・「そううつ病患者や衝動性が高い障害を併発している場合など、他人への攻撃性が増す可能性がある」・・・として医薬品安全性情報をだして<慎重に投与するよう>医師に注意喚起した。 |
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| ミルタザピン | オランダの製薬会社が開発した飲み薬。1994年に発売、80ヶ国で使われている。 1週間以内に薬効が出る。 症状が重い患者にも |
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| 抗不安薬 | ベンゾジアゼピン系に注意 | ||
| マオ 阻害剤 |
MAO阻害剤 =monoamine oxidase inhibitor「MAOI」 ◎MAO阻害剤は、3種類の生物起源のアミン、すなわちノルアドレナリン、ドーパミンおよび5-HTならびに他のフェニルエチルアミン類の酸化的脱アミノ化を阻害する。MAO阻害剤は正常な気分に対してはほとんど影響を及ぼさない。 ◎消化管から吸収されやすく、2~3日で血中濃度は最高になる。 (1)MAO阻害剤には以下のものがある: 1.「フェネルジン」 2.「トラニルシプロミン」 3.「イソカルボキサジド」 (2)「ノルアドレナリンやセロトニンが足りないとウツ病になる(モノアミン理論)。ウツ症状を改善するためにMAO阻害剤(MAOI)が使われる。非定型うつ病に対しても使われる。
1.肝障害:服用量や投与時間に関係なく肝実質障害を起こす。 2.起立性低血圧 3.発疹 4.中枢神経症状:頭痛・振戦・眩暈・幻覚・不眠など。 5.ときに異常高血圧・異常高体温。 ★相互作用→「ロヒプノール」 |
| 【宝石療法】 | <1>[ルビー] <2>[珊瑚] <3>[ガーネット] |
| 【芳香療法】 | <1>ベルガモット <2>バジル <3>カミルレ <4>クラリセージ <5>ゼラニウム <6>ジャスミン <7>ラベンダー <8>メリッサ <9>ネロリ <10>パチュリー <11>サンダルウッド <12>イランイラン |
| 栄養療法 | 葉酸 |
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加味逍遥散 加味逍遥散+四物湯 甘麦大棗湯 桂枝加竜骨牡蛎湯 牛黄清心丸 四逆散 小柴胡湯 神秘湯 大柴胡湯 女神散 |
| [亜鉛][コウジン(紅参)][カルシウム][南極オキアミ][セントジョンズワート][有機ゲルマニウム][ローヤルゼリー][SOD][イソフラボン][真珠][胎盤エキス][西洋カノコソウ] |
| 高齢者のうつ病の症状の特徴(厚生労働省) | |
| 「年をとると誰でもうつっぽくなるし」と言われることがありますが、一般的な老化現象とうつ病はまったく異なるものです。 しかし、高齢者のうつ病は、通常の診断基準に頼るだけでは見落とされてしまう可能性があります。高齢者では典型的なうつ病の症状を示す人は1/3から1/4しかいないと言われています。症状の一部がとくに強く現れたり、逆に一部が弱くなったりしていることが多いので注意が必要です。 特徴
・不安が前景にあると背後にあるうつ病を見落としてしまうことがあり、注意が必要である。 高齢者のうつ病では、身体愁訴はとくに重要です。
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うつ病と身体疾患との関係
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老年期うつ病の誘因 (厚生労働省)
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| うつ病について(厚生労働省) |
うつ病とは
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症状
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| 気分障害の分類 ・大うつ病性障害 ・小うつ病性障害 ・気分変調性障害 |
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頻度
危険因子
受診行動
経過
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治療
補足:双極性障害
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躁病エピソードの特徴的症状
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| 薬剤惹起性うつ病 (厚生労働省) 英名:Drug-induced Depression |
| 疾病の治療を目的として投与された医薬品により、「薬剤惹起性うつ病」を発症する場合があります。インターフェロン製剤、副腎皮質ステロイド薬などの服用により起こることが知られています。 もしも、何かのお薬を服用していて、次のような症状がみられた場合には、医師・薬剤師に連絡して、すみやかに受診してください。 「眠れなくなった」、 「物事に興味がなくなった」、 「不安やイライラが出た」、 「いろんなことが面倒になった」、 「食欲がなくなった」、 「気分が落ち込んだ」 |
| 1.薬剤惹起性うつ病とは 薬剤惹起性うつ病とは、治療を目的として投与された医薬品によって生じたうつ病のことです。うつ病を起こしやすい薬物としては、インターフェロン製剤や副腎皮質ステロイド薬がよく知られています。 また、 レセルピン、 ベータ遮断薬、 カルシウム拮抗薬といった降圧薬や、 抗ヒスタミン薬、 経口避妊薬などでも報告があります。 2.早期発見と早期治療のポイント
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インターフェロン製剤によるうつ病
(1)IFN の副作用
(2)IFN による精神神経症状
(3)IFN による精神症状発現の危険因子
(4)IFN による精神症状の発現機序
(5)IFN による精神症状の予防と治療
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| 3.副腎皮質ステロイド薬によるうつ病 (1)ステロイド薬による精神症状の種類
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| 【症例1】 50 歳代、女性 既婚、主婦、出産時輸血歴あり、まじめな性格 約5年前より肝機能障害を指摘される。2年前の健康診断で、トランスアミナーゼの上昇を認めたため、近医受診し、C 型慢性肝炎と診断され、大学病院を紹介された。 大学病院内科入院後、ジェノタイプ、高ウイルス量のため、Peg-IFNα2b 100μg 1回皮下注/週とリバビリン 200mg錠4錠 2×朝夕を48 週間の予定で開始した。 2週間後、退院した。 4週後より、食欲不振の持続と、不眠(入眠困難、熟睡困難)を認めたため、ゾルピデム10mg/日を眠前に服用開始した。 その後、ゾルピデム服用により、不眠は多少改善したが、次第に、食欲不振、全身倦怠感、意欲低下、興味の減退、日中のいらいら、人に当たる(焦燥感)が強くなり、家事が手につかなくなる。 6週後、内科より、精神科に診察依頼。中等度のうつ状態との診断であったが、本人はIFN の継続を希望し、かつ、希死念慮を認めなかったため、Peg-IFNα2b を60μg に減量、リバビリンは同量で継続しながら、ミルナシプラン50mg/日 2×朝夕を投与開始した。 8週後、ミルナシプラン100mg/日に増量した。 10 週後、次第に、全身倦怠感、焦燥感、意欲低下改善、家事が可能となる。 20 週後、ミルナシプランを使用しながら、Peg-IFNα2b を100μg に戻す。 その後は、大きな変化なく、48 週間のIFN/リバビリン併用療法を終了した。 ミルナシプランは、IFN 療法終了後、4週目より、50mg/日に減量、6週目より、25mg/日に減量し、8週目には中止した。 その後、うつ状態の再発はない。 (ミルナシプランは肝臓代謝酵素阻害が少ないため、肝機能障害患者のうつ状態治療に向いている) |
| 【症例2】 40 歳代、女性 既婚、明るくまじめでがまん強い性格 突然、右手の脱力と運動失語が生じた。脳血管障害を疑われ神経内 科へ入院した。精査の結果、全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された。 SLE の治療目的で40mg/日のプレドニゾロンが開始された。 その1ヶ月後に抑うつ状態を呈し、自殺念慮、不安感、焦燥感、食欲低下、不眠が出現した。この時点で既にSLE の活動性は低下していたため、抑うつ状態はSLE の精神症状というよりはむしろプレドニゾロンの副作用と考えられた。そのため30mg/日へ減量されたが改善を認めず、内科治療にも拒否的となり、離院を試みたために精神科へ入院した。 入院後、マプロチリンやミアンセリンなどの四環系抗うつ薬を順次開始したが、いずれも効果なくむしろ焦燥感や自殺念慮が増悪し、自殺企図を繰り返した。そこで、気分の安定化を目的にリチウムを600mg/日から開始したところ、数日以内に改善した。しかし、SLE に伴う腎機能障害のために、増量せずとも血中リチウム濃度が0.4mEq/L から0.8mEq/L へ上昇した。さらに、手指振戦が粗大になったので、いったんリチウムを中止した。その結果、まもなく抑うつ状態は再燃し焦燥感や自殺念慮も顕著となった。今度はリチウムを400mg/日から再開したところ、血中濃度は0.4 mEq/L で抑うつ状態も改善した。 その後、精神状態はさらに安定し、患者は自ら進んで歩行訓練を始めるようになった。 リチウム400mg/日とプレドニゾロン20 mg/日を継続しつつ、入院から2 ヶ月後に退院した。退院6 ヶ月後、プレドニゾロンが10 mg/日へ減量された時点でリチウムを中止したところ再燃は認めなかった。さらに退院3 年後、経過を尋ねたところ、プレドニゾロンは5mg/日へ減量されており、患者はリチウムを服用する必要もなく精神的に安定していた。 |
| その他の精神障害との関連 (厚生労働省) | |||
| 1) | 発動性障害 | ||
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| 2) | 認知症(痴呆症) | ||
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| 3) | 器質性気分障害 | ||
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| 4) | 双極性障害(いわゆる躁うつ病) | ||
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| 5) | 血管性うつ病vascular depression | ||
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