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| ウツ | 「近年、ウツが増えている。厚生労働省の調査によると、1998年には約43万人が医療機関でうつ病またはうつ状態と診断されている。これは94年の2倍強、84年の4倍強である。「ウツ」の人が増えているのは世界的な傾向という。 「ウツ」は気持ち(気分)が沈み込んだ状態を指す言葉である。 そうしたことを広く捕らえる概念として『うつ状態』ということがよく使われる。 1.仕事がうまくいかなかったり、 2.ガンなどの病になりふさぎ込んでしまうのもうつ状態である。 このうつ状態が主たる症状になり、生活に大きな支障を来すようになるのが『うつ病』である。 |
| 中毒? | チェック→「有機リン化合物の慢性中毒」 |
| うつ 状態 |
国立国際医療センター精神科医長の笠原敏彦さんは、「ウツ状態というと、精神的な症状だけを考えますが、実は身体的な症状の方が先に現れます」と言う。 ・・・・・・うつ状態になると・・・・・・・・ 1.意欲や気力の低下がみられ、 2.何事にも悲観的になるほか、 3.自責の念が高まるなどといった精神症状が見られる。 しかし、それより先に見られるのは身体症状である。 1.疲労感、倦怠感 2.睡眠障害 3.便秘 4.動悸 5.肩こり 6.性欲減退 7.発汗 8.頭痛 などさまざまな症状が現れる。精神医学の教科書を見ると、 →「睡眠障害」はうつ状態の人の80〜100%の人に、 →「頭痛・頭重」は50〜90%の人に現れるという。 こうした人はまず身体的な症状を治そうと内科などに行くことが多い。これには「うつ状態かな?」と思っても日本では精神科へ行くのはちょっと勇気がいるし、精神症状よりも身体症状の方が訴えやすい、という背景がある。 うつ状態が根底に原因としてあると、身体症状は治らないことが多い。 |
| ウ ツ に な る 人 た ち |
友人がウツだと言う。彼は40歳である。会社では中間管理職という地位にいるらしい。親切ないい奴だ。私とは10年のつきあいになる。 昨年末、私がメールマガジンで「今年は1年間、本当につまらなかった。精神的に落ち込んで辛かった」という記事を書いたら、久しぶりに彼からメールが来たのだ。 実はこの記事を書いた後、ものすごくたくさんの人からメールをもらった。みんな「実は自分もそういう鬱状態で・・・」と書いてくる。世の中には、ウツな人がこんなにいるのか。とビックリした。みんな顔で笑って暗い気持ちで生きていたのね。 ちなみに、ウツとうつ病は違う。ウツというのは塞いだ心の状態のこと。ウツがひどくなるとうつ病になることもある。 「ものすごくくだらない事で、気力が萎えちゃんです」と彼は言う。たとえば、会社の女の子の「オヤジくさい」という一言。キオスクの店員が不機嫌にお釣りをくれたこと。電車を降りるときに後ろから押されたこと。そんな日常の些細なことで、ガックリ気分が暗くなる。 「あんまりくだらないので、人には言えないんですけど」 そうだな。確かにくだらないかもしれないけど、キッカケは何でもいいのだろう。 「ランディさんは、どうしてウツになっちゃったんですか?」 「う〜ん。私はね、いつのまにか他人に自分を合わせすぎてたの。それでつまんなくなっちゃってたの。だけど、ウツになる人の多くは、自分を他人に合わせすぎてしんどくなっているんだと思うよ」 私がそう言うと、彼は首をひねる。 「そうかなあ、自分ではそんなつもりはないんだけどなあ」 「あのさ、たとえばね、仕事でトラブルがあったするでしょ。それで、部下から相談を受けたとする。そのときに、クレーム処理の方法を指示するだけじゃなくて、部下と一緒に自分も残業するタイプじゃない?」 「うん、まあそうかな。部下まかせにはしないと思う。だけど、それは部下に合わせているわけじゃないからね」 「そうかな」 「そうだよ」 「でもね、考えてごらんよ。自分のことは自分でやれ、ってなんで言わないの?なにかにつけて世話を焼いてしまうのは、その方が部下から嫌われないからじゃない?」 「う〜ん」 「他人の目から見た自分ばかり気にしていると、人間はどうしたって人に合わせるようになっちゃうんだよ、疎まれてもいい、好かれなくてもいい。そう思えないと、自分らしく生きられないんだよ。実は私も編集者や読者を意識するあまり、だんだんウツになって、書けなくなりました」 友人は、ちょっとだけ心あたりがあるような感じで、 「他人に合わせてんのかな、気がつかないうちに・・・」 話を聞いていると、イイ人ほどウツになる。でも、自分が暗くなってまで他人にイイ人である必要なんてないんだよ。時には、“うるせえ勝手にしやがれ”って怒鳴りましょうぜ。 ハイ、せ〜の! (田口ランディ・作家) |
| 関連情報 |
「ウツ病」 「仮面うつ病」 |