|
|||
| 血中ビタミンB群 | ||
| 種類 | (基準値) | 低値が見られる病態 |
| ビタミンB1 | <35ng/ml(全血) | (ビタミンB1欠乏症) ・脚気 ・ウエルニッケ脳症 ・コルサコフ症候群 |
| ビタミンB2 | <58ng/ml(全血) | ビタミンB2欠乏症 |
| ビタミンB6 | <4ng/ml(血清) | (ビタミンB6欠乏症) ・手根管症候群 ・血液透析 ・抗うつ薬(フェネルジン) ・抗結核薬(INH) |
| ビタミンB12 | ・摂取不足 ・悪性貧血 ・胃の全摘出 ・胃粘膜破壊 ・内因子分子機能異常 ・小腸内細菌過増殖 ・広節裂頭条虫症 ・薬剤起因性(PAS・ネオマイシン) ・慢性膵炎 ・回腸切除 ・クローン病 |
|
| ニコチン酸 | <2850ng/ml(全血) | (ニコチン酸欠乏症) ・ペラグラ ・Hartnup病 ・慢性アルコール中毒 ・カルチノイド症候群 |
| パントテン酸 | <300ng/ml(全血) | (パントテン酸欠乏症) |
| ビオチン | < 0.6ng/ml(血清) | (ビオチン欠乏症) ・掌蹠嚢胞症 ・乾癬 ・Leiner落屑性紅皮症 |
| 葉酸 | < 4.8ng/ml(血清) | (葉酸欠乏症) ・巨赤芽球貧血 ・吸収不良症候群 ・小腸の浸潤・肉芽形成・切除 ・B12欠乏 ・甲状腺機能亢進症 ・妊娠 ・ホモシスチン尿症 ・血液透析 ・葉酸代謝拮抗薬(アメトプテリン) ・抗ケイレン薬(ジフェニルヒダントイン) ・抗マラリア薬(ピリメサミン) |
| ビタミンB1の生理作用 | |||||
| 補酵素として | 糖質代謝にあずかる体内酵素の作用を補う「補酵素」として働き、成長促進、心臓機能の安定、中枢神経や末梢神経の正常化、消化液の分泌、食欲増進などをつかさどる。 | ||||
| 食物より腸管を経て吸収されたチアミンは各組織・細胞に運ばれ、大部分はチアミンホスホキナーゼの作用で、チアミンピロリン酸(TPP)の形になる。 | |||||
チアミンピロリン酸は以下の酵素反応の補酵素として作用している。
|
|||||
| 神経機能に 直接関係 している |
神経細胞はエネルギー供給の際のエネルギー源を絶対的に血糖(グルコース)に依存している。グルコース代謝の上でエネルギーとNADPH+H+の産生という2つの働きのためにチアミンが必要。 | ||||
| @神経を電電気刺激するとチアミンが遊離され、細胞から放出される。 A神経の活動電位がB1拮抗剤によって低下する。 「チアミンのTPP(ピロリン酸エステル)が細胞膜に存在し、神経伝達に際して伝達物質であるアセチルコリンの機能に影響を与えている。 |
|||||
| B1の低値を示す疾患 | |
| 脚気 beriberi |
@末梢神経にビタミンB1欠乏が現れたもの。 A元来チアミンは脳での含有量が多いビタミンで、動物実験ではチアミンの含有量が正常時の1/5以下になると欠乏症状が現れる。その時には脳の酸素消費、言い換えるとエネルギー産生が低下している。 B主な原因には、インスタント食品、清涼飲料水の過飲、動物性タンパク質不足といった、糖質の過剰摂取・タンパク質欠乏・カルシウム不足であり、スポーツをする青少年層に偏っている |
| 手足のシビレ | 多発性神経炎 「ビタミンB1の欠乏症は、ほかのB群ビタミンの欠乏症が皮膚に現れやすいのとは異なり、末梢神経or中枢神経と心臓に現れる。特にB1欠乏症の初期には多発性神経炎として発症することが多い」 |
| ウエルニッケ脳症 | @中枢神経にビタミンB1欠乏が現れたもの。 Aこの症状は眼球運動障害・運動失調・精神障害などが特長で、「脚気」と異なり心臓に病変が起きない。 多量の飲酒、脳の病変を招く 「1881年にウェルニッケが発表した眼球運動マヒ・歩行運動障害などを起こす病気は、ウェルニッケ脳症と名付けられた。1887年にコルサコフが報告した記憶力の低下や作話症などの症状を示す精神病はコルサコフ症と呼ばれた。この2つの病気は脳の病変を起こした部位が同じで、ウェルニッケ症が慢性化するとコルサコフ症に移行することなどから、本質的に同じ病気と判明し、ウェルニッケ・コルサコフ症候群と呼ばれるようになった。 この症候群は慢性アルコール症がきっかけになることが多いが、感染症や肝硬変に伴って発生することもある。直接の原因はビタミンB1の欠乏である。日本では従来少なかったが、アルコール摂取量の増加に伴い近年、増える傾向にある。 アルコールとビタミンB1は関係が深く、アルコール中毒などで入院した患者は例外なくビタミンB1欠乏状態にある。筆者が名古屋保健衛生大学精神科の中澤恒幸名誉教授と共同研究をお此方時、健康な大学生に平均200gのウイスキーを飲ませて、経時的に採血し、血液中のビタミンB1とアルコール濃度を測定した。その結果、血中アルコール濃度は上昇した後、急速に低下し13時間後にはゼロになった。しかし、ビタミンB1濃度は徐々に低下し、13時間後に最低になった。この実験をウサギで追試したところ、ビタミンB1濃度はアルコール濃度が退化し始める頃から減少し出し、12時間後に最低になった。 その後は徐々に上昇したが、元に戻るには72時間もかかった。これはアルコールが代謝される過程でビタミンB1が消費されるためである。連日、多量の飲酒は血中のビタミンB1濃度を低下させるので、ウェルニッケ・コルサコフ症に罹るきっかけになる。」(糸川嘉則) |
| チアミン | 化学名「チアミン」 ★補酵素のチアミンピロリン酸の前駆体である。チアミンピロリン酸は炭水化物の代謝過程で重要な役割を果たす。 ★エネルギー摂取量1000Kcalにつき、0.4mg必要。 ・ビタミンB1は、精神状態の改善や、炭水化物の代謝に役立つビタミンで、ダイエットにも有効だと言われていますが、熱に弱い特性があります。 |
| イノシトール | ビタミンbの一種で、ビートから砂糖を取ったあとの廃糖蜜やトウモロコシ・米ぬかなどに含まれている。 【抗ガン作用】 野菜などに含まれるビタミンの一種、イノシトールとリン酸が結合した物質に抗ガン作用があることを、北海道大学農学部の原博教授と松井博士のグループが、ヒトの大腸ガン組織で確認。 イノシトールがリン酸に結合できる場所が理論上6カ所ある。結合の組み合わせを変えて実験した結果、特定の3カ所に結合した[イノシトール三リン酸]に抗ガン作用があった。 |
| 薬理作用 | ●通常の10倍〜100倍のor脂溶性ビタミンB1誘導体の投与で効果を発揮する。 1950年、藤原氏はビタミンB1にニンニクの臭物質アリシンが結合するとアリチアミンが生成されることを発見。アリチアミンは水溶性のビタミンB1誘導体であるにもかかわわず[S-S結合]により側鎖がつくことで脂溶性に変換していた。 ●「アルコール性小脳変性症」 「球後視神経炎」などビタミンB1欠乏症でない神経疾患にもビタミンB1誘導体の大量投与が有効。 |
| アルコール 常飲者 |
潜在的ビタミンB1欠乏症: 欧米では脚気の活性は少なく、患者はすべてアルコール常用者である。アルコールはチアミンの吸収を阻害する。 |
| B1欠乏症状 | 消化不良 食欲減退 疲労感:運動で生じた乳酸などの疲労物質が筋肉内に蓄積。 血圧異常 |
| 欠乏症 | ■基準値(20〜100ng/ml)以下の者 [脚気] [Wernicke症候群] [Korsakoff症候群] ■(検査) 胸部X線・・・心胸比拡大 乳酸・・・・・基準値以上 ピルビン酸・・・基準値以上 溶赤血球トランスケトラーゼ活性・・・・基準値以下 ビタミンB1負荷試験 ■(診断) @[発作性神経炎][全身浮腫][心不全]が古典的3徴。 Aスポーツマン・肉体労働省は食物からの摂取をチェック。 Bアルコール多飲・偏食傾向はWernicke脳症を発症しやすい。 |
| 夏バテ | ・食欲はあるのに夏バテ気味という人は、体内でエネルギーを生み出すために必要なビタミンB1が不足していることが多い。 ・ビタミンB1は水溶性。一度に大量に摂取しても尿から出てしまう。こまめに摂り続ける必要がある。。 ・汗と共に簡単に失われる。 ・糖やアルコールの分解でも消費されるので、[ジュース]や[ビール]をガブ飲みするときは要注意。深刻なビタミンB1の不足から、体内に疲労物質がたまりやすくなる。 ・[うなぎ][豚肉][レバー][紅ザケ][たらこ][大豆][枝豆][玄米][全粒粉の小麦粉]などがオススメ。 |
| ストレス | 栄養機能成分として「皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素」と位置づけられています。肌の健康とストレスは大きな関係があります。ストレスがかかったり、それによって睡眠不足などが重なると、肌のターンオーバー(通常28日)が正常に行われなくなったり、活性酸素の増加によって、皮膚の荒れを招きます。ビタミンB1は、そのストレスの緩和に大きな役割を果たしています。 |
| 水道水 | 「我が国は水道水が安心して飲めるという点で恵まれている。浄化技術が進んでおり、塩素消毒が全国的に実施されているからである。筆者が研究者に成り立ての頃、ビタミンB1の実験をするときに水道水をそのまま使うと、うまくいかないという話を聞かされていた。そこで、なぜうまくいかないのか検討を加えてみた。 まず、水道水にビタミンB1を入れて放置すると時間が経つにつれ、ビタミンB1量が減少していくことが判明した。蒸留水に入れた場合はビタミンB1の減少は認められなかった。 水道水に含まれ、煮沸すると蒸発する物質には塩素が考えられる。そこで蒸留水に塩素を加えてビタミンB1に対する影響を調べたところ、添加した塩素の量が増えるにつれ、ビタミンB1の量が早く減少することが分かった。ビタミンB1と塩素が反応すると、ビタミンB1が2つの部分に分かれて、本来の作用が無くなってしまうのである。 実生活において塩素の影響を見るために蒸留水と水道水を用いて米を調理した。その結果、米を研ぐ過程で蒸留水も水道水もビタミンB1の量が60%に減少した。これは米糠や胚芽など、米の中でビタミンB1を豊富に含んでいる部分が、米を洗うことにより脱落するためである。 炊飯に蒸留水を使用するとビタミンB1の量は減少しなかったが、水道水では35%にまで減少した。これは塩素の影響と考えられる。水を安全に保つには塩素消毒が欠かせないので、塩素の作用によってビタミンB1の量がある程度分解されるのは仕方がない。その分、余計にビタミンB1を摂る必要がある」(糸川嘉則) |
| 関連情報 |
「炭水化物」 「酵素」 「ビタミンC」 ビタミンB2」 「ビタミン」 |