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| バンコマイシン(VCM)の検査 | |
| VCM | 分子量1448のグリコペルチド系抗生物質で、塩酸バンコマイシンとして使用される。 作用機序は細胞壁合成阻害であり、ペプチドグルカンのD-alanyl-D-alanine末端と固く結合し、ペプチドグルカンの生合成を阻害する。 |
| メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対し著効がある | |
| 基準値 | 有効治療域: ピーク値(20〜40µg/ml) トラフ値(5〜10µg/ml) |
| 検査目的 | 副作用防止と治療効果をあげるために |
| 参考 | 腸管からの吸収が悪いので、消化管感染以外はほとんどの場合、静脈投与が行われる。投与後1時間でピークを示す。 |
| VRE | =「バンコマイシン耐性腸球菌」 「VREは人間の腸内にいる腸球菌の中で、ほかの抗生物質が効かない耐性菌にも効果がある強力な抗生物質「バンコマイシン」でも効かない菌のこと。 |
| 家 畜 飼 料 が 問 題 |
VREが病院外で最初に分離されたのは、1994年に英国でブタから、ついでドイツでブタと鶏からであった。VanA型耐性菌は発育促進剤として家畜の飼料に混入していたG1pの一種、アボバルシンによって選択されたらしい。ヨーロッパでは1975年以来アボパルシンを使用している。東南アジアでも使われている。今は禁じられているが日本でもかっては使用された。 あきらかにヒト型とは異なるブタ型あるいは鶏型のVREが人から分離されることがあり、食用動物から人へ移った可能性が示唆されている。また、農場で食用動物にアボパルシンを使用したことと動物糞便中にVREがいることとの間に疫学的に有意の関連性が示されている。 VREは病院で出現して、一般社会に拡散したとされているが、この逆もあり得るという研究者も多い。今では牧場の家畜、食用鶏や下水道など広く環境からも分離される。最近、入院した経歴もなく、抗菌薬の投与を受けたわけでも無いのに、無症状の一般人の糞便からVREが検出されることがある。(吉川昌之介著「ヒトは細菌に勝てるのか」丸善) |
| ザ イ ボ ッ ク ス |
米系製薬会社のファルマシア(東京・新宿)は、新しい抗生物質「ザイボックス」を1日発売した。院内感染などで問題視されている治療困難な耐性菌に強い効果がある。同社によれば従来と作用メカニズムが全く異なる抗生物質の発売は35年ぶりという。 ザイボックスはVREと呼ばれる既存の抗生物質が効かなくなった最近に対応する。同細菌に効果がある製品は初めて。オキサリジノン系という作用メカニズムを持ち、細菌の増殖につながるタンパク質の合成を早い段階で阻害し、増殖を防ぐ。錠剤と注射剤の2タイプがある。 VREには有効な治療法が無く、集中治療室に入院中の重症患者や移植手術を受けたり、抗ガン剤投与などで抵抗力が落ちた人に感染の危険性が高い。感染すると敗血症などを起こす。国内では1996年に初めて存在が確認され、2000年に36件、今年5/13日現在で14症例が確認されている。 |
| (VRE) バ ン コ マ イ シ ン 耐 性 腸 球 菌 |
「腸球菌は腸に常在し、病原性は弱い。主に体の弱っている人に[尿路感染症][創傷感染症][敗血症][心内膜炎]などの院内感染症を起こす。米国では、院内感染菌として首位の座を伺っている 腸球菌は「抗菌剤時代に見事に適合した」と言われる。普通の抗菌剤がもともと効かなかった上に、新しい抗菌剤も次々に効かなくなってしまうからだ。 心内膜炎や髄膜炎のように、血中に菌が入って全身に広がる危険な腸球菌感染症は、菌の細胞壁合成を阻害するペニシリン・セファロスポリン系の抗菌剤(ベーター・ラクタム剤)かバンコマイシン系抗菌剤のどちらかに、タンパク質合成を阻害するストレプトマイシンやカナマイシンの仲間(アミノ配糖体)の1つを加えて、2種類の抗菌剤の協力作用によって治療する。 腸球菌はベーター・ラクタム剤にも、アミノ配糖体にも順次、耐性を獲得したため、今では信頼して使える抗菌剤はバンコマイシンだけになった。 日本では最近までバンコマイシンを使わなかったが、欧米では30年以上も使用し、それでもほとんど耐性は問題になってこなかった。ところが、バンコマイシンはMRSAに良く効くので一躍有名になり、使用量が急速に増え、ついに86年にフランスでバンコマイシン耐性菌(VRA)が患者から初めて見つかった。 その後、欧州でも、米国でも報告が相次いだ。米国での調査によれば、見つかったほとんどすべてのVREが入手可能な抗菌剤のすべてに耐性であった。89年に0.3%だったVREの頻度が93年には7.9%となった。集中治療室にいる患者ではもっと頻度が高く、今や病院全体にまで広がっていまった。 バンコマイシンが効く腸球菌が原因の敗血症患者の死亡は6人に1人の割合だったのに、耐性菌が原因の場合には1/3が死亡した。入院期間が長い患者に「万能の抗菌剤」としてバンコマイシンが使われると、VREが出現しやすい。 VREの多くは別の菌と接合して耐性を伝達出来る。高度なバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌はまだ患者から分離されていないが、黄色ブドウ球菌以外のブドウ球菌では患者から耐性菌が出ている。試験管内では、黄色ブドウ球菌にも伝達出来ることが実証されており、困りもののMRSAにバンコマイシン耐性が伝わったら、非常に厄介な高度耐性のMRSAが出現することになる。 VRAがどこで生まれ、どこから来たのかは不明だが、家畜や下水道にいることは分かっている。バンコマイシンに似た抗菌剤を家畜の飼料に入れていた国があり、それが耐性菌を生み出した可能性は否定できない。 病院は感染源があり、罹りやすい人が集まるから、院内感染は避けられない。VREの院内感染を防ぐために残された方法は感染経路の遮断だけだ。そのため、感染源を隔離し、医療従事者の手指、医療器具、医療に伴う接触感染を防ぐことが特に重要である。 |
| バンコマイシン 耐性に効く 抗 生 物 質 |
「米製薬大手のファルマシア&アップジョンは、現在使われている抗生物質が全く効かない、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対しても効果がある新抗生物質を開発した。『リネゾリド』と呼ぶオキサゾリジン系の抗生物質だ。皮膚や軟部組織の感染症患者273人を対象にした臨床試験(フェーズU)で93.2%の患者に効果が有ることを確認した。 患者からは黄色ブドウ球菌や化膿性連鎖球菌、腸球菌などが検出され、これらの細菌に効果があった。静脈注射用と経口用の2種を開発しており、99年内に米国で承認申請する予定。 |
| 新型VRSE | 2002年。米CDCは入院患者から新型のバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSE)を検出した、と発表。 欧州では、バンコマイシン耐性腸球菌が食肉から人間に感染した経路もすでに確認されている。 |
| 関連情報 |
「院内感染」 「感染症」 |