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アナフィラキシー(医薬品による)



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アナフィラキシー:Anaphylaxis 
  • 急性の過敏反応である「アナフィラキシー」は、医薬品によって引き起こされる場合があります。造影剤、抗がん剤、解熱消炎鎮痛薬、抗菌薬、血液製剤、生物由来製品、卵や牛乳を含む医薬品(塩化リゾチーム、タンニン酸アルブミンなど)でみられる場合があるので、何らかのお薬を服用していて、次のような症状がみられた場合には、緊急に医師・薬剤師に連絡して、すみやかに受診してください。
  ※「息苦しい」場合は、救急車などを利用して直ちに受診してください。
1.アナフィラキシーとは?
  • 医薬品(治療用アレルゲンなどもふくみます)などに対する急性の過敏反応により、医薬品投与後多くの場合は30 分以内で、じんま疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、そして息苦しさなどの呼吸器症状などを示します。さらに、血圧低下が急激にあらわれることがあります。これはアナフィラキシー・ショックと呼ばれ、生命の維持上危険な状態です。医薬品によるものは年間で数百例が発生していると推測されます。
    頻度の多い医薬品には、造影剤、抗がん剤、解熱消炎鎮痛薬、抗菌薬、血液製剤、生物由来製品などがあります。小児においては内服薬で、食物アレルギーと関連して卵由来の成分を含む塩化リゾチーム、牛乳由来蛋白を含むタンニン酸アルブミン、乳酸菌製剤、経腸栄養剤によるもの、インフルエンザワクチンによるものが主なものです。
    発症機序は主として即時型(I型)アレルギー反応によると認識されていますが、一部の薬物では初回投与時にもみられるなど、これで説明がつかないものも存在します。

2.早期発見と早期対応のポイント
  • 医薬品の投与開始直後からときには5 分以内、通常30 分以内に症状があらわれます。
    内服薬の場合は症状発現がこれより遅れることがあります。
    以前に使用したことのある医薬品の再投与時に発現することが多いのですが、抗がん剤の一部では、この限りではありません。
    多くの場合、まず最初に
    • 「皮膚のかゆみ」、
    • じんま疹」、
    • 「紅斑・皮膚の発赤」
    などの皮膚症状がみられ、また
    • 胃痛」、
    • 「吐き気」、
    などの消化器症状や、
    • 「視覚の異常」
    などがみられ、 などの呼吸器症状が出現してくることもあります。これらの症状がみられる場合であって、医薬品を服用している場合には、緊急に医師・薬剤師に連絡して、すみやかに受診してください。
    • 「息苦しさ」が発現した段階では、ともかく緊急に医療処置を要請する必要があります。
    緊急医療の対象となりますので、医療機関の外におられた場合には救急車を呼ぶことが大切です。
    やがて、循環器系の症状で血圧低下を伴って動悸がしたり、不安、恐怖感、意識の混濁などの神経関連症状が現れてきます。この段階では、血圧が極端に低下して、アナフィラキシー・ショックに至っている可能性が高いものと考えられ、危険な状態です。
    小児の場合には、大人のように症状が明確でない場合や、症状を正確に自分で訴えることができないために注意が必要です。
  • 何となく不機嫌、元気がない、寝てしまうなどということなどがアナフィラキシーの初期症状であることもありますので、大人よりも注意深い観察が必要です。



アナフィラキシーの原因となる主な薬剤
特異的アレルギー抗体(IgE という)によって起こる全身的過敏反応をいう。
同義語 アナフィラキシー症状、アナフィラキシー反応
症状 血圧低下、頻脈、意識障害、発疹など
原因
となる
主な薬剤
ワクチン製剤(ゼラチン含有剤)、
血液凝固阻止剤(乾燥濃縮人アンチトロンビンV)、
殺菌消毒剤(クロルヘキシジン)、
抗生物質(ペニシリン系、セファマイシン系、セフェム系など)、
抗がん剤(シスプラチン、リツキシキマブ)、
ヨウ素製剤、
NSAIDs など




(参考)その他知っておいた方が良いこと
  • 息苦しさなどの呼吸器症状がみられれば、まず、アドレナリン(エピネフリン)という薬の筋肉内注射(通常0.3〜0.5 mL)を行います。一度アナフィラキシーを経験された患者さんでは、再度の接触を避けるとともに、上記の自己注射薬を携帯していただく場合もあります。心配な方は、アレルギー科、皮膚科などの専門家にご相談ください。
    すでにご自分でこの治療薬をお持ちの場合で、医療機関外におられた場合、あるいは医療機関にいても医療者の対応が遅れるような場合には、自己注射を行うことが望まれます。ぜんそくやアレルギー性疾患をお持ちの場合は、お手持ちのお薬、例えば発作止めの気管支拡張薬の吸入や抗アレルギー薬、ステロイド薬の内服をとりあえず行うこともよい手です。
    なお、アナフィラキシーでは一見軽症でも状態が変化することがしばしばおこり、急激に状態が悪化することがあります。
    一定の時間が経過していても、何らかの症状があればできるだけ早急に医療機関に受診してください。
    なお、この病態を起こしやすい方は、

    • @他の医薬品でアレルギー反応の既往のある方、
      A食物アレルギーで特に卵または牛乳アレルギーの方、
      Bぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、アナフィラキシーなどアレルギー性疾患の既往のある方などです。
    高血圧や心臓疾患、前立腺肥大の治療に用いられるβ遮断薬α遮断薬を服用されている場合には、注意が必要ですので、その旨を当該医療関係者にお伝え下さい。



薬剤性のアナフィラキシー反応とは
  • 医薬品(治療用アレルゲンなども含む)などに対する急性の過敏反応により、医薬品投与後通常5〜30 分以内で、じん麻疹などの皮膚症状、消化器症状、呼吸困難などの呼吸器症状が、同時または引き続いて複数臓器に現れることをいう。
  • さらに、血圧低下が急激に起こり意識障害等を呈することをアナフィラキシー・ショックと呼び、この状態は生命の維持上危険な状態である。
    アレルギー領域のマニュアルは、「アナフィラキシー」、「NSAIDs による蕁麻疹」、「喉頭浮腫」、「血管性浮腫」を取り上げ、個々の病態に関するマニュアルで構成されているが、同時に各々が相補的に機能するように構成されていることを理解して活用することが望ましい
1. 早期発見と早期対応のポイント
(1)副作用の好発時期
  • 好発時期:薬剤の投与開始直後から5 分以内に生じることがあり、通常30 分以内に症状があらわれることが多い。一般には医薬品の再投与時に発現することが多い。経口薬の場合は吸収されてからアレルギー反応が生じるため症状発現がやや遅延することがある。
(2)患者側のリスク因子
  • 他の医薬品での副作用、とくにアレルギー反応の既往、アレルギー歴(食物アレルギー(特に小児で卵または牛乳アレルギー)、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、アナフィラキシーなど)、疲労など。米国での統計では女性に多いとされる。
    喘息では重篤化しやすいといわれる。
(3)投薬上のリスク因子
  • 非ステロイド性解熱消炎鎮痛薬(NSAIDs)、抗菌薬、抗がん剤、造影剤、アレルギー性疾患治療用アレルゲン、生物由来製品などで多い。
    抗がん剤などでは初回投与時から発症することがあり、注意が必要である。
    β遮断薬の服用者では出現しやすくなることが想定され、さらに治療に用いるアドレナリン(エピネフリン)の効果が減弱し、重篤化の恐れがある。前立腺肥大などに用いられるα遮断薬との併用では、アドレナリンにより血圧が低下することがあるので、注意が必要である。
(4)患者や家族等、並びに医療関係者が早期に認識しうる症状
  • ・ 医薬品の投与数分から通常は30 分以内に、じんま疹や掻痒感、紅斑・皮膚の発赤などの全身的な皮膚症状がみられ、これが初発症状のことが多く、最も重要な早期の症状である。
    ・ 一部の症例では皮膚症状は先行せず、下記の症状から出現することがあるので注意が必要である。
    ・胃痛、吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状
    ・視覚異常、視野狭窄などの眼症状
    ・嗄声、鼻閉塞、くしゃみ、咽喉頭の掻痒感、胸部の絞やく感、犬吠様咳そう、呼吸困難、喘鳴、チアノーゼなどの呼吸器症状
    ※ これらが出現したときは直ちに治療が開始されねばならない。
    • ・頻脈、不整脈、血圧低下などの循環器症状
      ・不安、恐怖感、意識の混濁などの神経関連症状
(5)早期発見と早期対応
  • ・ 医薬品の投与後に上記の兆候が現れた場合、当該医薬品の投与を継続中であればただちに中止する。血圧測定、動脈血酸素分圧濃度測定を行いつつ、血管確保、心電図モニター装着、酸素投与、気道確保の準備を行う。
    ・ 犬吠様咳そう、呼吸困難、喘鳴、チアノーゼなどの呼吸器症状がみられれば、0.1%アドレナリンの筋肉内注射(通常0.3〜0.5 mL、小児:0.01 mL/kg、最大0.3 mL))を行う。
    ・ 筋肉注射後15 分たっても改善しない場合、また途中で悪化する場合などは追加投与を考慮する。
    ・ 抗ヒスタミン薬、副腎皮質ステロイド薬、気管支拡張薬の投与を考慮する。
    ・ 反復するリスクの高いケースでは医療機関に到着する前にこれらを自己投与できるよう指導する。




副作用の概要
  • 医薬品(治療用アレルゲンなども含む)などに対する急性の過敏反応により、医薬品投与通常5〜30 分以内で、じんま疹などの皮膚症状や、消化器症状、呼吸困難などの呼吸器症状、そして意識障害等を呈する。
  • さらに、血圧低下が急激にあらわれるとアナフィラキシー・ショックと呼び、生命の維持上危険な状態である。医薬品によるものは年間で数百例が発生していると推測される。
  • 頻度の多い医薬品は などである。
  • 発症機序は主として即時型(I 型)アレルギーによるが、一部の医薬品では初回投与時にもみられるなど、これで説明がつかないものも存在する。
(1)自覚的症状
  • 掻痒感、じんま疹、全身の紅潮等の皮膚症状が、はじめにみられることが多い。
    一部のケースでは皮膚症状が認められないが、この場合はしばしば重症化する傾向があるとされる。
    皮膚症状に続き、腹痛吐き気嘔吐、下痢などの消化器症状がしばしばみられる。
    視覚障害や視野の異常がみられることがある。
    呼吸器症状として鼻閉塞くしゃみ、嗄声、咽喉等の掻痒感、胸部の絞やく感、などは比較的早期からみられることがある。
    進展すると咳そう、呼吸困難、喘鳴、などがみられる。やがて動悸、頻脈、などの循環器症状や、不安、恐怖感、意識の混濁などの神経関連症状がみられる。
    そのほか、発汗、めまい、震え、気分不快などがみられることがある。
(2)他覚的症状(所見):じんま疹や紅班などの皮膚所見がまずみられることが多い。
  • アナフィラキシーで見られたジンマシン。
  • 全身、特に前胸部から腹部にかけて膨疹がみられる
  • アナフィラキシーで見られた下口唇クインケ浮腫
   
  • 口蓋垂の水疱形成がみられることもある。
    呼吸器系の所見として嗄声、犬吠様咳そう、喘鳴、呼気延長、連続性ラ音の聴取、また重篤化した場合にはチアノーゼがみられる。
  • 頻脈、不整脈がみられ、ショックへ進展すれば血圧の低下、また意識の混濁などを呈する




表1.アナフィラキシーの主な徴候と症状出現頻度
(J Allergy Clin Immunol 115;S483-S523, 2005 より引用)
  • 皮膚症状・・・・・・90%
    1. ジンマシン・血管性浮腫・・・・・・85〜90%
    2. 顔面紅潮・・・・・・・・・・・・・・・・・45〜55%
    3. 発疹のないカユミ・・・・・・・・・・・ 2〜5%
  • 呼吸器症状・・・・・40〜60%
    1. 呼吸困難・喘鳴・・・・・・・・・・・・45〜50%
    2. 喉頭浮腫・・・・・・・・・・・・・・・・・50〜60%
    3. 鼻炎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12〜20%
  • めまい・失神・血圧低下・・・・・・・・・・・30〜35%
  • 腹部症状
    1. 嘔気・下痢・腹痛・・・・・・・・・・・・25〜30%
  • その他
    1. 頭痛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5〜8%
    2. 胸痛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4〜6%




(検査所見)
  1. アナフィラキシーの現場では一刻一秒を争うことが多いので、医薬品の投与状況と上記の臨床経過と症候で臨床的に診断することが多い。
    後日皮膚テスト(プリックあるいはスクラッチ)や皮内テストが陽性であるか否かなどで医薬品との関連性を確定できることがある。アレルギーの疑いのある場合は、専門医若しくは、専門医のいる総合病院で確認することが望ましい。
    • (参考)
    • プリックテストは原液を100 倍程度に希釈したもので行い、陰性であれば漸次原液でのプリック、ついで皮内テストと行うのがよい。この場合、再度アナフィラキシーを生じた場合の対処を準備しておく必要がある。歯科領域などで用いられる
      局所麻酔薬では実際のアレルギーは1%程度であるとされ、プリックテストと漸増皮下注射によるチャレンジテストによりアレルギーが否定できることが多い。
  2. またアナフィラキシーを生じた後はいわゆる不応期が発現するため、一般に2 週間以上待ってから検査を行うことが推奨される。IgE 抗体の証明は低分子の医薬品では一般に困難である。
  3. 補助的な指標として、好酸球数、総IgE 値、特異的IgE 値の測定などのアレルギー検査で高値あるいは陽性所見を認めることがある。
(発生機序)
  • アナフィラキシーの主たる発生機序は、即時型(I 型)アレルギー反応と理解される。
  • 1902 年にRichet がイソギンチャクの触手から抽出した毒素をイヌに注射し、毒素に対する免疫状態を賦与する目的で実験を行ったところ、2 回目の毒素注射で激しい症状を起こしてイヌが死亡したことから、防御prophylaxis に対して無防御という意味からanaphylaxie と命名したのが語源である。
    花粉症、アレルギー性鼻炎、喘息、ハチ・アレルギーなどのアレルギー性疾患治療のためのアレルゲン免疫(減感作)療法に用いられるアレルゲンエキスや、またワクチン、異種血清、塩酸リゾチーム、カゼイン添加薬物などの高分子の医薬品はそのものがアレルゲンとなる。
  • また抗菌薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、など低分子の医薬品はハプテンとして作用してアレルギー反応が引き起こされる。
    アレルギーの原因となるいわゆるアレルゲン(抗原)が体内に侵入すると、特定の個体ではアレルゲンに対するIgE 抗体が作られ、これが主として、臓器のマスト細胞や、あるいは流血中にも存在する好塩基球の表面上の高親和性IgE 受容体に固着する。その後、同一アレルゲンに再度暴露すると、そのアレルゲンがマスト細胞あるいは好塩基球上のIgE抗体と抗原抗体反応を起こすことにより、これらの細胞からヒスタミン、トリプターゼ(プロテアーゼの一種)、ブラジキニン、あるいはシステニルロイコトリエンに代表されるケミカル・メディエーターが放出される。
  • これらのエフェクター分子が、体内の様々な臓器に作用することで、種々の症状が惹起されると理解される。
    ある種のアナフィラキシーを誘導する一部の薬物ではIgE を介さない機序も存在する(図6)。例えば免疫複合体あるいはその他の刺激により補体系が活性化されると、C3a、C5a といったアナフィラトキシンが形成される。これらはマスト細胞表面に固着でき、高親和性IgE 受容体を介することなくマスト細胞由来のケミカル・メディエーターの遊離を誘導できる。
    マンニトールなどの高張性溶液などのある種の薬物はIgE あるいは補体系を介さない未知のメカニズムによって、マスト細胞からのメディエーター遊離を刺激できる。
    以上が、代表的なアナフィラキシーの発症機序であるが、これら以外にも臨床的にアナフィラキシーを発症させる機序は存在する。その一部のものにはIgG クラスの抗体によるマクロファージの活性化と、血小板活性化因子などの放出が関与することが想定されている。輸血用血液、凍結血漿などでIgG クラスの抗体が関与する可能性が考えられている。
    X線造影剤やモルヒネなどもIgE の関与は必ずしも明らかでなくともアナフィラキシーを惹起する。
  • モルヒネの場合はヒスタミン遊離促進因子のひとつであり、マスト細胞に直接的に作用することが推定される。
    タートラジン,安息香酸塩などの医薬品添加物などもいわゆるアスピリン喘息の患者でシステニルロイコトリエンの放出などを介して発作を誘発することが確立された物質であり、マスト細胞などへの直接作用が考えられる。NSAIDs は本来の作用機序そのものがシステニルロイコトリエンの過剰産生を増強する可能性がある。
    ある種の薬物では初回投薬時からアナフィラキシーが生じる。特に抗がん剤では頻度が高いといわれる。抗がん剤のなかでタキサン系、特にパクリタキセルでは、比較的高頻度に報告され、含有物のポリオキシエチレンヒマシ油が原因物質の一つと想定される。本薬はこれの含有製剤、例えばシクロスポリン注射液等に対し過敏症の既往歴がある患者には禁忌となっている。
    一方で、パクリタキセルそのものにも問題がある可能性も指摘されている。
  • タキサンは、マスト細胞などに発現するトールライク受容体4(TLR4)に結合しえることから直接的にマスト細胞の活性化を惹起できる可能性が理論的に想定しえるが、現段階でこのような機序がアナフィラキシーの発症に関与しているか否かは充分に解明されていない。



NSAIDs 不耐症について
  • NSAIDs 不耐症は、シクロキシゲナーゼ活性阻害作用・物質に関連する薬理学的変調体質を基礎とし、シクロキシゲナーゼ阻害作用を作用機序とする全てのNSAIDs に対して過敏症状を生じる病態を指す。NSAIDs 不耐症は初回投与からでも症状が発現する点で、NSAIDs に対するアナフィラキシーを含むアレルギー反応とは病態が根本的に異なる。NSAIDs 不耐症には気道病変を主に示すものと皮膚病変型とが存在し、前者はいわゆるアスピリン喘息にほぼ相当する。これはNSAIDs 投与に反応して鼻症状やとくに喘息発作が誘発されるものである。
  • アスピリン喘息自体で、アナフィラキシーを呈することは通常ないが、NSAIDs によるアナフィラキシーとの鑑別は重要である。
  • 皮膚病変型のNSAIDs 不耐症は、NSAIDs によってじんま疹や血管性浮腫が誘発されるものである。これには基礎病態にしばしば慢性のじんま疹が存在する
  • ※NSAIDs 不耐症・過敏症に関する参考ホームページ
    独立行政法人国立病院機構相模原病院 臨床研究センターホームページ



(薬剤ごとの特徴)
  • 各医薬品のいずれにおいても、主に数分〜30 分以内に現れる急性のアレルギー反応であるが、経口薬の場合は吸収されてからアレルギー反応が生じるため、症状発現がやや遅延することがありえる。
    アレルゲン免疫療法における治療用アレルゲンの注射は、米国では非常に一般的なアナフィラキシーの原因である。我が国では、この治療自体の普及頻度が米国と比較してはるかに低いため、これによるアナフィラキシーも低率と考えられる。
    投与するアレルゲンの濃度(使用バイアルに表記)、用量を必ず二重確認することが、最も基本的でかつ重要な予防策である。特に投与量の増量過程においては、注射後20 分は待機させ、副作用の出現しないことを確認の上で帰宅させる。20 分後の皮膚発赤径を評価し、無理な増量を回避するよう心がける。皮膚反応の径からアナフィラキシーを予想することは一般に困難といわれるが、発赤径が3 cm を超える場合は、通常アレルゲン量を増量しないことが安全である。
  • ただし入院管理下でいわゆる急速導入療法を用いる場合は例外である。この場合は必ずヒスタミンH1 受容体拮抗薬などの前投与を行う。アレルゲンの注射の250 万回に1 回は致死的なアナフィラキシーが生じると報告されている。このことはあらかじめ予期される副反応であるため、インフォームド・コンセントの内容に含まれねばならない。
    まれではあるが、アレルゲン検索のための皮内テストまたはスクラッチテストでもアナフィラキシーを生じることが指摘されている。検査時においても、患者を20 分は待機させておくことが望ましい。プリックテストでは、非常にまれとされるが、理論的にはその可能性が皆無でないため、同様の対処が望まれる。
    ある種の医薬品では初回投薬時からアナフィラキシーが生じることには、特に注意が必要である。特にタキサン系(パクリタキセルなど)に代表される抗がん薬ではこのパターンの頻度が高いとされる。漢方薬では小柴胡湯、柴朴湯など複数で報告がある。漢方薬の含有成分のうち、遅延型アレルギーに関与する物質としてオウゴンが指摘されているが、アナフィラキシーの発症に関与するか否かは不明である。漢方薬はそもそも複数の生薬の“合剤”であり、原因成分が含有されるものであればいずれの製剤でも生じる可能性が考えられるので注意が必要である。
    医薬品によっては、アナフィラキシーとは異なるが類似する急性の副作用がみられることがあり、注意が必要である。よく報告されているのは歯科領域などで用いられる局所麻酔薬である。この場合は動悸、呼吸困難、震えなどが多くみられるが、含有されるアドレナリンによる心刺激性や、過換気症候群の誘発によるものが多いとされる。実際のアレルギーは1%程度であるとされ、アナフィラキシーはさらに少ないと推定される。




判別が必要な疾患と判別方法
  1. じんま疹
    • 通常のじんま疹では呼吸困難、喘鳴などの呼吸器症状や血圧低下を招来することは、ほとんどみられない。
  2. 過換気症候群:
    • じんま疹などの皮膚症状を起こすことはまれである。喘鳴は通常聴取されず、また動脈血ガス分析によってPCO2 の低下、pH の上昇がみられるが、低酸素状態は呈さない。
  3. 気管支喘息発作
    • 喘息発作自体では皮膚症状や消化器症状を同時に呈することはまれである。アスピリン喘息ではNSAIDs の投与後通常30 分以内に激烈な呼吸困難を呈することが多いので、アナフィラキシーとの鑑別が特に重要である。
      アスピリン過敏には皮膚症状を主とするタイプがあるが、喘息と皮膚症状とを急性に同時に生じることはまれで、また不整脈や血圧低下などは、発作による低酸素血症が著明とならなければ通常は生じない。なおアスピリン喘息は小児ではまれとされる。喘息発作の場合も、アドレナリンの投与が有効であり、とくにアスピリン喘息の場合はこれを第一選択として推奨する見解がある。
  4. 喉頭領域の急性炎症
    • 仮性クループあるいは急性喉頭蓋炎などで喉頭の浮腫性病変による呼吸困難がみられる。これらの病態では発赤,咽頭痛,嚥下痛などの炎症症状を強く伴うことが多い。通常これらはアナフィラキシーでみられる皮膚症状や消化器症状を呈さない。
治療方法(図7)
  1. 原因である可能性の医薬品の投与中であれば、早期に中止する。
  2. ただちに血圧測定を行い、また可能であればパルスオキシメーターによる動脈血酸素分圧濃度測定を行う。
  3. 犬吠様咳そう、呼吸困難、喘鳴、チアノーゼなどの呼吸器症状がみられれば、0.1%アドレナリンの筋肉内注射(小児:0.01 mL/kg、最大0.3 mL、成人:通常0.3〜0.5 mL)、またはアドレナリン自己注射用製剤(体重15〜30 kg:0.15 mg 製剤、体重30 kg 以上0.3 mg 製剤)の投与指示を行う。
    過去に重篤なアナフィラキシーの既往のあるケースで、同類の医薬
    品を誤って投与された場合には、早期に投与する。注射の部位は上腕三角筋または大腿外側広筋とし、筋肉注射後15 分たっても改善しない
    場合、また途中で悪化する場合などは追加投与を考慮する。
    アドレナリン自己注射薬(商品名エピペン)を医療機関外で用いた場合、必ず直ちに医療機関に受診するよう指導する。
  4. なおα遮断薬投与中では、アドレナリンのβ2 作用による血管拡張を介して血圧低下を助長する可能性があり、注意を要する。
    β遮断薬投与中の患者ではアドレナリンの効果は期待できない。グルカゴン1〜5 mg(20〜30 μg/kg)を経静脈的に5 分以上かけて投与し、以降は5〜15 μg/分で投与する。副作用として嘔吐による誤嚥に注意する。酸素投与(6〜8 L/分マスク)を開始する。低酸素状態あるいはチアノーゼがみられれば必須である。
  5. 血管確保し、ショック症状の出現や収縮期血圧の20 mmHg 以上の低下または90 mmHg 以下のショックの場合は、最初の5 分間で生理食塩水5〜10 mL/kg を急速輸液する。改善がなければリンゲル液などに変更して輸液を継続する。さらに改善がなければドパミンの投与を行う。
    喘息や遷延または遅発型薬物アレルギーの既往のある場合、またショックの場合にはヒドロコルチゾン100〜200 mg またはメチルプレドニゾロン40 mg を6〜8 時間間隔で点滴静脈注射する。心電図モニター装着、経時的な血圧および可能であればパルスオキシメーターによる動脈血酸素分圧濃度測定し、同時に酸素投与、気道確保の準備を行う。
  6. 応援医師を要請する。
  7. 抗ヒスタミン薬、気管支拡張薬の投与を考慮する。具体的には血管が確保されていれば、例えば注射薬のクロルフェニラミン、アミノフィリンを点滴投与する。
  8. 再発予防が極めて重要である。特に重篤なショックに至った例や、再発しているケースでは、可能な限りの原因検索、と第三者に明確にするために原因医薬品の名刺・カードなどによる明記、アナフィラキシーの患者教育、アドレナリン自己注射システム(商品名エピペン、図8)の導入・教育が検討されるべきである。
    アドレナリンを使用する前にヒスタミンH1 受容体拮抗薬と副腎皮質ステロイド薬を自己投与できるよう指導することも考慮される。米国ではアレルギー科医に必ず受診するよう指導されるが、日本ではアレルギー科を標榜していても専門医がいない医療機関が大多数であり、またアレルギー専門医を取得していても正しい管理指導ができるとは限らないので注意が必要である。
    少なくともアドレナリン自己注射システムを導入している専門医に紹介・受診させることが合理的と考えられる。



図8.アドレナリン自己注射製品(商品名エピペン)について
※エピペンの使用については、保険適応外である。
@持ち方 Aストッパーを外すところ B緊急時にズボンの
上から打っているところ




発現症状別の対応のポイント
  1. 皮膚症状のみの場合
    • じんま疹、血管性浮腫や顔面紅潮などの皮膚症状のみが認められた場合、ヒスタミンH1 受容体拮抗薬を内服させた後、1 時間程度経過観察する。
      改善が認められたら、その後、2〜3 日分のH1 受容体拮抗薬を処方したうえで帰宅可能である。改善がなければ、その後も病院内で経時的に観察する。
  2. 消化器症状
    • 腹痛、吐き気などの消化器症状が認められた場合、H1 とH2 受容体拮抗薬の点滴静注後1 時間程度経過観察する。改善が認められ、呼吸器症状や血圧の問題がない場合には、その後2〜3 日分のH1、H2 受容体拮抗薬を処方したうえで帰宅可能である。改善がなければ、その後も病院内で経時的に観察する。
  3. 呼吸器症状
    • 喘鳴や喉頭浮腫が認められたら、0.1%アドレナリン0.3〜0.5 mL(小児:0.01 mL/kg、最大0.3 mL)の筋肉注射(大腿部が推奨される)とβ2 刺激薬をネブライザーにて吸入するとともに、低酸素の兆候のある場合には直ちに、酸素投与(6〜8 L/分マスク)を行う。改善が無ければ30 分間隔で同様の手順を繰り返す。また、気管支喘息の既往のある患者は、ステロイド薬としてヒドロコルチゾン(100〜200 mg、小児では5 mg/kg)またはメチルプレドニゾロン (40 mg、小児では1 mg/kg)を6〜8 時間間隔で点滴静脈注射する。上記処置にて治療抵抗性の場合気管内挿管や、喉頭浮腫が著明の場合には気管切開を考慮する。
  4. 循環器症状
    • ショック症状や収縮期血圧20 mmHg 以上の低下または90 mmHg 以下のショック状態の場合、直ちに0.1%アドレナリン0.3〜0.5 mL(小児:0.01mL/kg、最大0.3 mL)を筋肉(大腿部が推奨)または静脈注射する。血管内の血漿や輸液量の50%は血管外へ流出するため、血管を確保し最初の5分間は,生理食塩水5〜10 mL/kg を急速輸液する。5 分後に改善がなければ0.1%アドレナリン0.3〜0.5 mg(小児:0.01 mL/kg、最大0.3 mL)を追加投与し、リンゲル液などに変更し輸液を継続する。更に、改善がなければ、ドパミン(2〜20μg/kg/分)を併用し、収縮期圧90 mmHg 以上に保つように心がけ、5 分間隔でvital sign をチェックする。遷延予防のためステロイド薬を6〜8 時間間隔で点滴静脈注射する。 H1、H2 受容体拮抗薬を投与することもよいとされる。




典型的症例概要
【症例1】1 歳、男児
  • 使用薬剤:インフルエンザワクチン
    使用量:0.2 mL
    卵白アレルギー、アトピー性皮膚炎を有する1 歳児にインフルエンザワクチン0.2 mL を皮下接種したところ約10 分後に局所の発赤、15 分後から咳嗽が出現した。その後、じんま疹、呼吸困難、喘鳴が発現したため、抗ヒスタミン薬、副腎皮質ホルモン剤の投与、気管支拡張剤の吸入、さらにアドレナリンの筋注を行い、呼吸困難は消失した。皮膚のじんま疹などは約6 時間後にはほぼ消失した。


【症例2】 3 歳、女児
  • 急性胃腸炎(アトピー性皮膚炎、気管支喘息、食物アレルギー)
    使用薬剤:止瀉薬(タンニン酸アルブミン)
    使用量・使用期間:0.5 g/回・1 回
    アトピー性皮膚炎、気管支喘息、食物アレルギー(卵、牛乳、小麦)にて外来フォロー中。前日夜から頻回の下痢と嘔吐を認めたため本剤処方。
    帰宅し、本剤のみ内服後、約5 分後に咳、喘鳴、顔面の発赤、腫脹、顔色不良、呼吸困難の症状が出現。直ちに再診し抗ヒスタミン薬、副腎皮質ホルモン剤の投与、気管支拡張剤の吸入、さらにアドレナリンの筋注を行い症状のコントロールを得た。
  • 検査結果(同月)
    Total IgE 365 IU/mL
    RAST ヤケヒョウヒダニ:3、卵白:5、牛乳:4、大豆:3、小麦:3、米:2、ゴマ:3、鶏肉:3、牛肉:3


【症例3】 20 歳代、女性 (図9)
  • 近医で気管支炎の診断にて抗菌薬、セフジトレン・ピボキシルが処方され(現在はカゼインを含有していない)、内服したところ20分後に全身じんま疹が出現しため受診。抗菌薬によるアナフィラキシーを考え、クロルフェニラミン(5 mg)の点滴を開始した。抗菌薬内服45分後に喘鳴が出現し、SpO2(room air)85%、収縮期血圧89 mmHgとなりアナフィラキシー・ショックの治療のため、直ちに酸素投与(マスク6L/分)、アドレナリン 0.3mg 筋注、生理食塩水500 mL(10分)と同時にメチルプレドニゾロン 40 mgの点滴投与と塩酸プロカテロール吸入液 0.3mL(塩酸プロカテロールとして30μg)※ を吸入させた。 内服55分後には、SpO2(マスク6 L/分)93%、血圧110 mmHgとなり、以後、乳酸リンゲル 500 mL/時間の持続点滴し、抗菌剤内服120分後には、じんま疹は消退傾向で、喘鳴は消失し、SpO2(鼻カテーテル2 L/分)98%、血圧120 mmHgまで改善し、内服180分後には、呼吸、循環状態は改善した。※:平成20年9月修正箇所


【症例4】30 歳代、女性
  • 使用薬剤:アレルゲン免疫(減感作)療法用室内塵(ハウスダスト)注射液ダニ・アレルギーによる気管支喘息に対する注射目的で、アレルゲン免疫療法を導入した。同注射液を増量しながら注射を反復していた。ある段階で注射後の皮膚の腫脹が著明となってきたが、喘息発作誘発などの全身的な副作用はなかったために担当医の判断でアレルゲン増量をスケジュールどおり行ったところ、注射30 分後に全身のかゆみ、顔面紅潮が出現した。さらに喘息発作が出現したため、0.1%アドレナリン0.3 mL の筋肉内注射を2 回反復した。同時にステロイド薬の静脈内投与も行った。1時間後に回復した。








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