| 成分 | ●パトラコトキシン:LD50(0.002mg) ●『プミリオトキシン』 中南米に生息するヤドクガエルはプミリオトキシンなど複数の毒を持っていて、その毒の大半は捕食したアリなどが持つ毒を取り込んでいることが分かっている。ただ、プミリオトキシンの生成過程が不明だった。 2005年、京都大学の桑原保正名誉教授と森直樹助教授らの研究チームは、屋外に生息するササラダニ類を調べ『プミリオトキシン』という毒を持つことを発見した。研究チームは「現地のダニを食べて毒をため込んだ可能性がある」としている。 |
| 種類 | 「Dendrobatides」 「Colostethus latinasus」 |
| 実例 | 「ヤドクガエルは種によって毒の効き方が異なるらしく、ブラジルの生物学の専門家であるアウグスト・ルスキー教授(リオデジャネイロ連邦大学、70才)が研究旅行中に被害にあった時は、症状が違う。ヤドクガエルであることは確かだが、即死(普通は一瞬のうちに麻痺し、すぐに死んでしまう)するほどの猛毒でなく、じわじわと体が弱っていったという。日に日に衰弱し、息が切れて歩けなくなり、連日鼻から出血し、高熱と体中の痛みで夜も眠れなくなった。 末期症状を示し始めたとき、アマゾンの熱帯雨林に住むインディオの祈祷師だけは解毒剤を知っているとの情報で、マト・グロッソ州のシングー保護区に住むチュカラマイ族のラオニ酋長とカマユラ族のサパインの2人の祈祷師がリオの病院に招かれた。全身を黒い塗料で彩ってルスキー博士の病室に入った2人は、まずタクペアーの実でこすった手で病人の体をなでさすり、次に、ペテンカオーの葉を巻いて作った長さ30cmほどのタバコを吸っては、この煙を両手で作った輪を通して病人の体中に吹き付ける『バジェ・ペタンの療法』で毒を抜き取ろうとした。 しばらくして祈祷師サパインの手のひらに、ルスキー博士を致命的状況に追い込んでいたデンドロパテスの毒が、緑色のネバネバした液となって現れた。2日目はその液が白っぽくなり、3日目には黒ずんでくると、もう毒が無くなった証拠だと言う。後は体中の毛穴が呼吸できるように正常にして体を強くする薬草トロンコンを煎じた湯を体にかけて解毒作用は終わった。ルスキー博士はウソのように回復したという。」 (今泉忠明著・データハウス発行「猛毒動物の百科」より) |
| 鎮痛物質を 人工合成 |
中南米に生息する希少動物のヤドクガエルから取れる鎮痛物質を人工合成することに、東京薬科大学の樹林千尋教授らの研究グループが成功した。 この物質は鎮痛作用が強く、麻薬性もないため、ガンの痛みを抑える鎮痛薬の有力候補と見られている。 人工合成したのは『エピバチジン』と呼ばれる鎮痛物質。本来はヤドクガエルの皮膚を煮詰めた煮汁の中に含まれ、鎮痛効果がモルヒネの200倍。ただ毒性もあり、鎮痛薬にするには類似化合物の中から毒性のない物質を探す必要がある。 合成ではメントールと呼ばれる物質を核にして原料を次々に反応させ、最後にメントールを取り除き、天然のエピバチジンを作り上げた。合成法は類似化合物づくりにも使える。 |