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| 薬物依存症 「薬使わぬ」 仲間得て |
24歳のとき自動車事故で額に傷を負い、以後季節の変わり目には頭が割れるような痛みに悩まされていた。79年秋、耐えきれずに会社にあった市販の鎮痛剤3回分の粉末を飲んだ。「スーッと開放感を感じて、心地よかった」。 快感が忘れられず、1日8回は鎮痛剤を飲むのが習慣になる。「飲むとしばらくは酒に酔ったようにハイになった」。妻や同僚の目を盗んで飲むのに苦労したが、「薬が切れると不安でどうしようもなかった」という。 次第に記憶力が落ち、感情のコントロールが出来なくなる。「子供が会社に忘れ物を届けに来ても、怒鳴って追い返した」。89年、禁断症状ともいえる自殺願望と対人恐怖の症状が出始め退職。仕事を点々とし、精神病院に入院したが、「やめられなかった」。結局、妻とも離婚した。95年1月、2度目の病院から退院した日、借りたアパートには1人分の食器しかなかった。「やめたい。でも薬なしでは生きられない」。 強い絶望感の中で、立ち直りのきっかけとなったのは薬物依存から回復した人々を見ていると「自分も薬を使わずに生きられるかもしれない」と希望がわいた。 ダルクに入ってからも薬に手を出し、出入りを繰り返す人は多い。しかし、 さんは「ここには希望がある」と話す。「依存症から回復し、明るく生きている人の姿を見ることが出来る」。 さんは空きを待って東京都荒川区にある「東京ダルク」に入寮した。ダルクの施設はこの他大阪・名古屋など全国11ヵ所にある。 依存症から回復したスタッフが運営する同施設は、85年の開設以降1000人を越す依存症者を受け入れてきた。規則は「毎日3回ミーティングに参加することだけ」。 さんほか7人が生活し、今も2人が空きを待っている。 自分で見つけた文房具店のアルバイトの初給料を受け取った。駅のホームで封筒の中の紙幣を見た瞬間、涙があふれてきた。「薬に頼らず、誰も苦しめずに得たこのお金は価値がある」と思った。 |
| 230万人 | 2003年度の厚生労働省研究班の推計では、覚醒剤・麻薬。シンナーを使ったことがある人は230万人に上った。脱法ドラッグや市販薬などを含めると乱用者は数倍にふくらむ。 |
| 関連情報 |
アルコール依存症」 「不安」 「ストレス」 「覚醒剤中毒」 「ニコチン依存症」 「タバコ依存症」 |