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非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作



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非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作 
英語名:Asthmatic attack due to NSAIDs(non-steroidal anti-inflammatory drugs)
同義語:
  1. アスピリン喘息、
  2. 解熱鎮痛薬喘息、
  3. アスピリン不耐喘息、
  4. NSAIDs 過敏喘息、
  5. 鎮痛剤喘息症候群
「喘息発作」は、
医薬品によって引き起こされる場合もあります。
  • アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)あるいは解熱鎮痛薬でみられ、また総合感冒薬(かぜ薬)のような市販の医薬品などでもみられることがあるので、何らかのお薬を服用していて、次のような症状が見られた場合には、医師に連絡して、すみやかに受診してください。
    • 「息をするときゼーゼー、ヒューヒュー鳴る」、
    • 「息苦しい」
  • 受診する際には服用した医薬品をお持ちください。なお、喘息の治療中で、あらかじめ、吸入や緊急時の医薬品の服用など、指示された処置がある方は、まずそれをおこなってください。





NSAIDs(エヌセイド)による喘息発作とは?
  1. アスピリンに代表される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)あるいは解熱鎮痛薬によって、発作が引き起こされる喘息です。
    アスピリン喘息とも呼ばれます。
  2. しかし、アスピリンだけでなく、ピリン系、非ピリン系に関わらずほとんどの解熱鎮痛薬が原因となります。医療機関で処方される非ステロイド性抗炎症薬だけでなく、市販のかぜ薬や解熱鎮痛薬の多くにアスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬が含まれています。また、ほとんどの痛み止めの坐薬、塗り薬、貼り薬などにも非ステロイド性抗炎症薬が含まれています。
  3. 症状は特徴的であり、典型的な発作では、原因となる医薬品を服用して短時間で、鼻水・鼻づまりが起こり、次に咳、喘鳴ぜんめい(ゼーゼーやヒューヒュー)、呼吸困難が出現し、徐々にあるいは急速に悪化します。意識がなくなったり、窒息したりする危険性もあり、時に顔面の紅潮や吐気、腹痛、下痢などを伴います。軽症例で半日程度、重症例で24 時間以上続くこともありますが、合併症を起こさない限り、原因となった医薬品が体内から消失すれば症状はなくなります。
  4. のみ薬だけでなく、坐薬や外用薬で症状が現れることもありますが、症状の発現までに時間がかかり、医薬品と症状の因果関係が分かりにくいこともあります。
    また、アスピリン喘息のうち、その約半数は患者本人も担当医も非ステロイド性抗炎症薬が原因であることに気づいていないと言われています。
  5. アスピリン喘息には特徴があり、以下のような方はアスピリン喘息の可能性が高いとされています。
    1. 成人になってから喘息を発症した方
    2. 女性(男女比4:6程度でやや女性に多い)
    3. 通年性の鼻炎
    4. 症状(鼻水、鼻づまり)のある方・ 慢性副鼻腔炎(蓄膿症)や鼻茸(鼻ポリープ)を合併している、またはその手術を受けたことのある方・ 嗅覚異常、無嗅覚症(臭いを感じない)の合併のある方
    5. アレルギー検査の結果が陰性(非アトピー型)の方
    6. 季節に関係なく喘息発作が起こる方
    7. 著明な末梢血好酸球増多(一部の血球の増加)がみられる場合



1.早期発見と早期対応、予防のポイント
  • 「息をするときゼーゼー、ヒューヒュー鳴る」、「息苦しい」などの症状に気づいた場合で、医薬品を服用している場合には、医師に連絡して、すみやかに受診(可能な限り救急外来)してください。受診する際には服用した医薬品をお持ちください。なお、喘息の治療中で、あらかじめ、吸入や緊急時の医薬品の服用など、指示された処置がある方は、まずそれをおこなってください。
    喘息と診断されたら、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)過敏症を合併していないか、主治医に検討を依頼して下さい。アスピリン喘息の可能性がある場合は、非ステロイド性抗炎症薬の服用を避けてください。その他にも避けるべき医薬品などがありますので、医師の指導を受けてください。
  • 成人気管支喘息の中にはアラキドン酸シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害作用をもつアスピリン様薬物=非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidalantiinflammatory drugs, NSAIDs)を投与されることにより、喘息発作を主体とする激しい過敏反応が誘発される患者群が存在する1)。
    一般にアスピリン喘息と呼称されるが、アスピリンの他にほとんど全てのNSAIDs で過敏反応が誘発されることを忘れてはならない。
    アスピリン喘息患者には、アラキドン酸代謝経路上あるいはアラキドン酸代謝産物が関わる生体反応に何らかの異常があり、それがNSAIDs によるCOX 阻害(おそらくCOX-1 阻害)で顕在化し、過敏反応として現れてくるものと考えられる。
    過敏反応のトリガーとしては、防御因子としてのプロスタグランジンE2(PGE2)の減少というステップが重要であり、最終メディエーターとしてはシステイニル・ロイコトリエン(cysLTs=LTC4,LTD4,LTE4)が重要な役割を演じているものと考えられている2)。しかし、その間の機序(関与する細胞やメディエーターなど)に関しては不明な点が多い(図1)。
    アスピリン喘息は成人喘息の約10%を占めると言われているが、その4 割は潜在しており、不幸にしてNSAIDs を投与されることにより初めて過敏症をもつことが明らかとなる5)。その際に患者に重大な健康被害の発生する恐れがあり、気管支喘息患者にNSAIDs を投与する際には注意が必要である。アスピリン喘息は鼻茸(鼻ポリープ)、慢性副鼻腔炎などの鼻・副鼻腔疾患を合併することが多く、昔から喘息、アスピリン過敏、鼻茸はアスピリン喘息の3主徴といわれてきた。確かに他のタイプの喘息と比べると鼻・副鼻腔疾患の合併頻度が高いが、3 者の関連性については明らかでない。
    NSAIDs による不幸な事例を回避するだけでなく、適切な管理により喘息を良好にコントロールするためにも、潜在しているアスピリン喘息を可能な限り正しく認識しておく必要がある。
(1)アスピリン喘息患者にNSAIDs で発作を誘発しないために:
  • 潜在症例を見出すためのポイント
    アスピリン喘息はやや女性に多く、ほとんどが20 歳代後半から50 歳代前半に発症する。小児喘息の既往を持つ者は少ない。初診時(確定診断前)には重症者が6 割を占めるが、確定診断されて自己管理を指導すると軽症化する症例が多い。ただし、副腎皮質ステロイド依存症例が半数近くを占め、他のタイプと比べるとやはり重症者が多い。
    ある報告では、慢性鼻炎を持つ者が84%を占め、しかも鼻症状の重いものが多いとされ、また鼻茸(鼻ポリープ)は72%の患者にみられるが、非アスピリン喘息にも8%程度の頻度で認められ、結局鼻茸を合併する喘息患者の約半数がアスピリン喘息であるといえる。慢性副鼻腔炎はほとんど全て(97%)のアスピリン喘息患者に認められるが、非アスピリン喘息患者も30〜40%が慢性副鼻腔炎を合併しており、アスピリン喘息を診断するための所見としては特異性に欠ける。嗅覚障害を合併する頻度が高いのもアスピリン喘息の特徴である。
    末梢血中の好酸球比率は他のタイプの喘息と変わらないが、副腎皮質ステロイドやβ 刺激薬を使用する前には好酸球が多い症例もみられる。アトピー型喘息を合併する症例が2 割程度存在するために、一部血清IgE 値の高い症例がある。
    以上のように、鼻・副鼻腔疾患の合併頻度が著しく高いという特徴などがあり、ある程度アスピリン喘息を疑うことはできるが、確定診断のためには負荷試験が必要である。
    複数の特徴が揃えば、明らかなNSAIDs 過敏歴がなくても、とりあえず、アスピリン喘息として扱うことが適当である。NSAIDs を副作用なく服用できたことが確認できたとしても、それが鼻・副鼻腔症状や喘息を発症する以前の場合、その後のアスピリン耐性(安全性)を担保するものではない。NSAIDs過敏性は後天的に獲得されるものであり、通常は鼻・副鼻腔症状や喘息症状の出現と同時か数年遅れて明らかとなるためである。
    以上のように,NSAIDs による過敏症の既往の確認と臨床像からアスピリン喘息の可能性を考えることが予防にとって極めて大切である。

(2)喘息患者にNSAIDs を投与する際の注意と問題点
  • @ NSAIDs による発作の誘発歴がある場合
    病歴上NSAIDs による発作の誘発歴があっても、実際にはそのうちの20〜30%はアスピリン喘息ではないとされている7)。自然増悪や、同時に服用した抗菌薬などに対する過敏反応をアスピリン喘息と誤診したものである。しかし、負荷試験をしない限りは確定することが出来ないため、アスピリン喘息として扱うことになる。解熱消炎鎮痛薬のうちCOX 阻害作用をもたない塩基性薬剤を考慮する。
    なお、選択的COX-2 阻害薬(rofecoxib,celecoxib)8,9)は日本においては販売されていない(平成18年3月時点)。
    A NSAIDs の服用歴がない場合
    上に述べた臨床像を参考にする。X 線写真を含めた耳鼻科的診断で副鼻腔炎が否定でき、その他のアスピリン喘息の特徴がなければ、アスピリン喘息を否定しても良いと思われる。
    B 喘息発症前にNSAIDs を副作用なしに服用できた場合
    多くのアスピリン喘息患者は、喘息発症前にはNSAIDs を服用可能である。NSAIDs 過敏性は後天的に発現してくるものであり、喘息の発症と同時か喘息より先に現れることの多い鼻炎・副鼻腔炎の発症と共にNSAIDs 過敏性を獲得するようである。したがって、喘息発症前の状況は参考にはならず、上記のAに準じて対処する。
    C 喘息発症後にNSAIDs を副作用なしに服用できた場合
    ほとんどのアスピリン喘息患者は、喘息の発症時にはすでにNSAIDs 過敏性を獲得している。したがって、このようなケースではアスピリン喘息を否定しても良いと思われる。


(3)NSAIDs による過敏症状の早期診断のポイント
  • NSAIDs 使用後の急激な喘息発作と鼻症状の悪化(鼻汁や鼻閉)は本症を強く疑う。ただし、以下のような場合は、NSAIDs による過敏症状でない可能性を考える。
    1. 誘発症状出現のタイミングが合致しない場合
    2. 発作が軽い場合
    3. 鼻症状を伴わない喘息発作だけの場合
  • 注射薬、坐薬>内服薬>貼付薬、塗布薬の順で症状が早くかつ、強く起こることを認識する。またNSAIDs を含んだ点眼薬も原因となりうることを念頭に置く。

(4)早期対応のポイント

@ 基本的には通常の急性喘息発作に対する対応と同じであるが、エピネフリン(アドレナリン)の筋肉内注射、皮下注射が有効であることと、副腎皮質ステロイドの急速静注は危険であることを十分に理解しておく(注)。
(注)静注用副腎皮質ステロイドにはコハク酸エステル型(ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンなど)とリン酸エステル型(デキサメタゾン、ベタメタゾンなど)がある。このうち、コハク酸エステル型のものをアスピリン喘息に急速静注すると高頻度で喘息発作の誘発や喘息症状の増悪がみられる11)。リン酸エステル型の製剤はそのような危険性は少ないが、溶液にパラベン(パラオキシ安息香酸エステル:防腐剤)や亜硫酸塩(安定化剤)が含まれている場合には、これらで一部の患者に症状の増悪がみられる。急速静注を避ければそのような危険性は少なくなる。経口ステロイドにはこのような危険性はない。

A NSAIDs 使用後数時間は急速に症状が悪化しやすいことから、迅速な対応が必要である。

B まずSpo2 をモニターし、十分な酸素投与をし、0.1%エピネフリン(アドレナリン)筋肉内注射(0.1〜0.3 mL)を試みる。エピネフリン(アドレナリン)は皮下注射よりも筋肉内注射のほうが即効性がある。

C その後、末梢静脈を確保する。

D 重症発作の場合は、救命救急施設へ搬送する。

E エピネフリン(アドレナリン)は、喘息症状だけでなく、鼻、消化器、皮膚などすべてのNSAIDs 過敏症状に奏効するため、積極的に用いる。禁忌でなければ2〜3 回繰り返し用いても良い。

F 副腎皮質ステロイド+アミノフィリンは通常の喘息発作と同様に点滴で用いる。特に静注用ステロイドは、その急速投与で発作の悪化をきたしやすいため急速静注してはいけない。

G 鼻閉や顔面潮紅、皮疹を認める症例では、抗ヒスタミン薬の点滴内追加も考慮する(これらの症状の発症にはヒスタミンも関与するため)。

H 内服可能であれば、ただちに抗ロイコトリエン薬を内服させる。

I 最初の数時間を乗り越えれば、原因NSAIDs の薬理学的効果の消退とともに発作も改善してくる。


(5)患者側のリスク因子

普段の喘息のコントロールが不十分な例や喘息発作を繰り返している重症例が NSAIDs で誘発された場合は、非常に重篤な発作につながりやすい。


(6)原因薬に関連したリスク因子

@ 坐薬や注射薬は急激な発作をまねきやすい。
A 解熱鎮痛効果の強い薬剤、COX-1 阻害作用が強いNSAIDs(インドメタシンやアスピリン)は重症発作を誘発しやすい。
B 長時間効果のあるNSAIDs では、誘発症状が遷延化する。





副作用の概要

(1) 自覚症状
原因となるNSAIDs 服用から通常1 時間以内に、鼻閉、鼻汁に続き、咳、息苦しさ、時に嘔気や腹痛、下痢などの腹部症状が出現する。


(2) 身体所見
NSAIDs 使用後、1 時間以内に、鼻閉、強い喘息発作や咳嗽を認める。誘発症状が強い例では、頸部から顔面の潮紅、消化器症状を認めやすいが、皮疹は少ない。過敏症状は軽症例では、約半日、重症例では24 時間以上続くが、症状のピークは、原因となるNSAIDs の効果発現時間である。ただし血管浮腫などの皮疹例は、その発現が遅れ、持続も長い。


(3) 臨床検査成績
急性期には通常の検査で行うべき項目はなく、急性喘息発作同様に治療が優先される。喘息発作が重症であるため、動脈血の炭酸ガス分圧の上昇に注意する。過敏症状に関与する主たるメディエーターは、cysLTs であり、その代謝産物である尿中LTE4 の著増を認める。


(4) NSAIDs 過敏性獲得機序
現時点では、不明である。家族内発症はまれである。


(5) NSAIDs 過敏反応の機序
PG 合成酵素であるCOX-1 が阻害されることにより過敏症状が誘発される。
すなわち,COX-1 阻害で内因性のPGE2 が減少し、何らかの機序によりマスト細胞が活性化され、cysLTs の過剰産生が生じ、過敏症状が発現すると考えられている。したがって、COX-1阻害作用の強いNSAIDs ほど過敏症状を誘発しやすく、かつ誘発症状は強度である。


(6) 薬剤ごとの過敏症状の差
@ 解熱鎮痛効果の強い薬剤、すなわちCOX-1 阻害作用の強いNSAIDs ほど激烈な副作用を生じやすい。
A 吸収の早いNSAIDs ほど急激な過敏症状をもたらす。
B NSAIDs のもつ共通の薬理作用であるCOX-1 阻害により生じる副作用のため、原因となるNSAIDs に化学構造式上の共通点はない。


(7) 副作用の発現頻度
アスピリン喘息は例外なくNSAIDs で過敏症状を呈する。


(8) アスピリン喘息の頻度
成人喘息の約10%とされるが、喘息が重症になるほど頻度は高まる。対象母集団によって頻度は異なり,以下のようにまとめることができる.
@ 小児喘息患者:まれ
A 思春期発症の喘息患者:少ない
B 成人発症の喘息患者:約10%
C 重症成人喘息患者:30%以上
D 鼻茸および副鼻腔炎を有する喘息患者:50%以上




NSAIDs 過敏(アスピリン喘息)
の診断手順
(1)NSAIDs に関係したと思われる喘息発作の判別(鑑別):以下の4点を満たせばNSAIDs 過敏(アスピリン喘息)と確定してよい。
  1. COX-1 阻害作用をもつNSAIDs 投与後の喘息発作
  2. 鼻症状(鼻閉、鼻汁)悪化を伴う。
  3. 中発作以上の喘息発作である。
  4. NSAIDs 投与から1〜2 時間以内に発作が始まっている(ただし貼付薬と塗布薬は除く)。

(2)NSAIDs による負荷試験
  • NSAIDs 過敏症に関する病歴は不確実であり、偽陽性や偽陰性が少なくない。確定診断にはNSAIDs を用いた負荷試験が必要になる。本邦ではスルピリンあるいはトルメチンを用いた吸入負荷試験が行われることが多い。吸入負荷試験は実施に要する時間が短く、全身性の過敏反応を起こすことが少ないという利点があるが、気道以外の症状が誘発されにくいし、非特異的な気道刺激による反応が出やすいという欠点をもつ。
    一方、内服負荷試験はNSAIDs の通常の投与ルートに沿った負荷方法であるが、実施には数日を要し、全身反応の惹起される危険性が少なくない。
    何れにしても過敏症状を誘発することになり、有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、最大限の注意を払って実施されるべきである。

判別(鑑別)が必要な疾患
  • (1)たまたまNSAIDs を使用していた際の喘息発作
    常に鑑別が問題となるが、通常は、3.(1)のA、B、Cを満たさないことが多い。

  • (2)NSAIDs アレルギー
    特定のNSAIDs に対してのみアレルギー症状を発現する場合を指す。過去に原因となるNSAIDs の使用歴があり、感作された結果生じるアレルギー反応である。誘発症状はアナフィラキシー症状や皮疹が主体となるが、もともと気道過敏性を有する例では、喘息発作も誘発されるため、鑑別は難しい。

  • (3)皮疹型NSAIDs 不耐症
    アスピリン喘息と同じく、COX-1 阻害作用の強いNSAIDs で蕁麻疹/血管浮腫を生じるが、気道症状は少ない。




治療方法




N
S
A
I
D
s



通常の急性喘息発作と同様であるが、急激に悪化するため、以下の治療を順番に迅速に行う。救急対応や入院が不可能な施設では、以下の@、Aを行った後に専門施設に転送する。
@ 十分な酸素化
A エピネフリン(アドレナリン)の早期および繰り返しの投与(筋肉内注射)
B アミノフィリンと副腎皮質ステロイドの点滴ただし、ステロイドの急速静注は禁忌。またステロイドはリン酸エステルタイプのものを用いる。
C 抗ヒスタミン薬の点滴投与
D 抗ロイコトリエン薬の内服(可能ならば)







@ 通常の慢性喘息と同様、吸入ステロイド薬が基本となる。
A 他のタイプの喘息と比べて、本症に比較的有効性が高いのは抗ロイコトリエン薬、クロモグリク酸ナトリウムである。
B 鼻茸や副鼻腔炎の治療(内視鏡下手術、点鼻ステロイド薬)は喘息症状も安定化させる。
C 不注意や誤ってNSAIDs が投与されることを防ぐために、病状説明書や患者カードを携帯させる



6.典型的症例概要
【症例1】80 歳代の男性
7年前に高血圧を指摘され、降圧薬を内服中である。喫煙歴は15 本/日× 67年間。2001 年5 月頃より体重減少がみられ、9 月に胸部X線写真で左中肺野に異常陰影を指摘され、検査・加療目的で9 月に入院した。超音波下経皮的生検で肺扁平上皮癌と診断。病期分類ではcT2N1M0、stage IIB で、heavysmoker、間質性肺炎、陳旧性肺結核、腎機能低下(24hrCcr. 38)であり、治療として放射線療法を選択した。胸部照射60Gy を施行し治療効果はpartialresponse(PR)であり、退院となった。
外来通院中に腫瘍が再増大し、2002 年8 月よりゲフィチニブの服用を開始した。しかし下痢による消化器症状が強く服用18 日目にはゲフィチニブの服用を中止していた。服用中止2 日目に朝方のトイレ歩行後に呼吸困難を自覚し、服用中止3 日目には呼吸困難が増悪し意識障害もみられ、救急車で来院し入院となった。
入院時の検査所見は、WBC 10,800 /μL(neut 87%、 eos 1%、 lymph 10%、mono 2%)、RBC 264X104 /μL、Hb 7.6 g/dL、PLT 246X103/μL、TP 4.7 g/dL、Alb 2.7 g/dL、AST 246 IU/L、ALT 245 IU/L、LDH 1408 IU/L、BUN 47 mg/dL、Cr 1.4 mg/dL、CRP 17.2 mg/dL、動脈血液ガス分析は酸素3L の吸入下でpH7.319、Pao2 74.0 Torr、Paco2 50.0 Torr、HCO3- 25.0 mmol/L、Sao2 91.5%であり、低酸素血症を伴う多臓器障害が考えられた。また肺障害のパラメーターである血清KL-6 は、770 U/mL から1,488 U/mL へと、SP-D は362 ng/mLから705 ng/mL(いずれも7 月上旬、服用中止3 日目の採血結果)へとゲフィチニブの投与後に急激な上昇を示した。ゲフィチニブ投与前後の胸部X線写真とCT 画像を図1 と図2 に示したが、投与前は正常と考えられた肺野を含めて、投与後には両側の全肺野にびまん性のスリガラス陰影が拡がっていた。ステロイドパルス療法を施行するも、呼吸不全が進行し入院3日目に死亡した。
剖検により得られた肺の病理組織では、右上葉肺にはびまん性肺胞障害(DAD)の浸出期(図3A)、左上葉肺にはDAD の増殖期(図3B)が主にみられた。また両側下葉には蜂巣肺病変が散在していた。当症例は、肺線維症が既存にあり、ゲフィチニブによる肺障害を来したものである。病理的にはDAD が局所的にかつ経時的に発症したものと判断される。ゲフィチニブによる肺障害は、重篤な例はDAD が本態であるが、当症例のように臨床像はかならずしも典型的な急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を示さず、画像的にも間質性肺炎的なものがみられることも多い。


【症例2】
70 歳代の女性
乳癌の再発肝転移および鎖骨上窩リンパ節転移に対してドセタキセル+ゲムシタビン19)の化学療法にG-CSF も併用され治療中であった。
入院5日前より呼吸困難を自覚していた。4 年前に乳癌で右乳房切除術を施行され、術後局所に放射線療法を施行された。手術の2 年後に肝転移および鎖骨上窩リンパ節転移が再発し、シクロホスファミド+ミトキサントロン+5-フルオロウラシル(5-FU)の化学療法を施行され部分寛解となった。5 ヶ月前に腫瘍が再度増大し、ドセタキセル 75 mg/m2, day 1+ゲムシタビン 800mg/m2, days 1 and 8 を3 週間ごとに投与する二次化学療法を開始した。2 コース目にグレード3 の好中球減少を認めたため、両薬剤の量を25%減量し、day 8 のゲムシタビンは中止し、day 5 からday 10 までG-CSF を併用し、2コース目と3 コース目を施行した。両コースとも薬剤投与1 週間後に咳嗽、軽度の胸部不快感、微熱を認めていた。入院の2 週間前に4 コース目の化学療法が施行された。入院5 日前、第4 コースの10 日目に、激しい咳嗽と呼吸困難を自覚し徐々に悪化した。
入院時に体温37.3℃、血圧120/70 mmHg、脈拍90/分、呼吸数36/分であった。両肺野で広範に吸気時に断続性ラ音を聴取したが、頸静脈怒張や下腿の浮腫などの心不全を示唆する所見は認めなかった。鎖骨上窩リンパ節は縮小し、肝は触知しなかった。動脈血液ガスではPao2 37.4 mmHg、Paco2 37.2 mmHg、pH 7.4、HCO3- 25 mmol/L、Sao2 77%と著明な低酸素血症を認め、胸部X 線写真では両側びまん性の浸潤影を認めた。心電図は洞性頻脈で心エコーでは左室の機能は良好で、駆出率は70%、左室拡張末期径は41 mm と正常であった。WBC 8,000/μL、Hb 12.2 g/L、Plt 12.6×104 /μL、LDH 500 IU/L でその他の生化学検査値はほぼ正常であった。CA15-3 は60 U/mL から48 U/mL へ低下していた。喀痰の細菌、抗酸菌の塗抹および培養検査、血液培養、各種日和見感染症の血清学的検査結果は陰性であった。呼吸状態が不良のため気管支鏡検査は施行できなかった。薬剤によるALI/ARDS と考え、プレドニゾロン 50 mg を1 日2 回点滴し、利尿薬フロセミド20 mg を静注した。第2 病日には臨床症状が改善し、第3病日には胸部X 線写真の浸潤影が改善した。プレドニゾロンは漸減し、第13病日に動脈血液ガスでPao2 76.8 mmHg、Paco2 36.0 mmHg、pH 7.39、HCO3-23 mmol/L、Sao2 90.5%まで改善し退院した。
7.その他早期発見・早期対応に必要な事項

(1)輸血関連急性肺障害(TRALI)について
TRALI は、輸血中あるいは輸血後6 時間以内(多くは1〜2 時間以内)に起こる重篤な非溶血性輸血副作用である。その本態は非心原性肺水腫であり、ALI/ARDS の基礎疾患となりうる病態である。臨床症状及び検査所見では、呼吸困難、低酸素血症、胸部X 線写真上の両側肺水腫影のほか、発熱、血圧低下を伴うこともある。発症要因に関しては、輸血の血液中あるいは患者の血液中に存在する抗白血球抗体が病態に関与している可能性があり、その他製剤中の脂質の関与も示唆されている。臨床の現場でTRALI の認知度が低いことや発症が亜急性であることから、見過ごされている症例も多いと推測される。TRALI の場合には、心不全の治療に有効な利尿剤はかえって状態を悪化させることもあるため、治療に際しては、輸血の過負荷による心不全(volume overload)との鑑別は特に重要である。
TRALI の治療に特異的なものはないが、酸素療法、人工呼吸管理を含めて早期より適切な全身管理を行う必要がある。なお、当該疾患が疑われた場合は、血漿中の抗顆粒球抗体や抗HLA 抗体の有無について検討する。

(2)急性間質性肺炎(AIP)とALI/ARDS との鑑別
原因が不明である特発性間質性肺炎(IIPs)の中に急性に発症する急性間質性肺炎と呼ばれる病態がある。薬剤性肺障害の中にもAIP と類似の病態を呈する場合がある。AIP は、別名、idiopathic ARDS とも呼ばれ、ALI/ARDSとの鑑別が困難な事が多いが、鑑別点として以下が挙げられる。

ALI/ARDS:
・ 両側胸水を認めることがある。
・ 胸部で水泡音を聴取する。
・ 気管支肺胞洗浄液(BALF)で好中球の割合が高い。

AIP:
・ 胸部で捻髪音を聴取する。
・ 比較的早期から牽引性気管支拡張像を認める。
・気管支肺胞洗浄液(BALF)でしばしばリンパ球の割合が高い。

(3)ALI/ARDS の疾患感受性
最近、angiotensin converting enzyme (ACE)のI/D 遺伝子多型がALI/ARDSの発症・重症化に関係していると報告23)された。Insertion (I) 、deletion (D) アリルは、各々、ACE 活性を低下、上昇させる。ACE 活性の上昇はangiotensinII の活性を高め、肺血管の収縮やリモデリングを惹起すると考えられている。ARDS96 症例をICU 入室の非ARDS症例、健康人などと比較検討した結果、DD 型ではARDS を発症する頻度が高く、予後が不良であった。今後もこの方面の研究の発展が望まれる。


チェック
せき」「小児喘息」「気管支喘息」「心臓性喘息」「喘息」「咳喘息」「ケイレン性咳嗽」「人畜共通感染症」「呼吸困難「不安」「ストレス」「アレルギー性鼻炎」「アレルギー性気管支肺アスペルギルス症」「乾咳」「心身症」「慢性閉塞性肺疾患(COPD)









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