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海馬(脳の)






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海馬(かいば)
海馬に情報が入力される仕組み


2013年、東北大学の飯島敏夫教授と大原慎也助教らは、2つの情報入力が互いに独立していることを世界で初めて解明した。

感情を伴う記憶と空間的な記憶はそれぞれ別の神経細胞のルートで海馬に伝わっていた。

海馬は目や耳などからはいってきた情報を統合して空間の認識や記憶を担う。

細長い海馬は
  1. 上側がものの配置などの空間な記憶を、
  2. 下側が感情を伴う記憶を司る
と考えられている。

研究グループは光るタンパク質を使い、ラットで実験した。神経細胞は海馬と言葉で表現できる記憶に関わる「嗅内皮質」をつないでいる。海馬上側に赤色、下側に緑色タンパク質の遺伝子を、狂犬病のウイルスを使って神経細胞に組み込んだ。

ウイルスは情報が進む向きとは逆に細胞から細胞へと感染していく。

海馬からの色の連なりを観察すれば神経細胞のつながりが分かる。

海馬の上下に入る2種類の情報をのせた神経回路は、混戦せずに並列に進んでいた。

海馬の上側と下側はそれぞれ、嗅内皮質の外側と内側から情報が独立して送られていた。




海馬の働きが悪くなる仕組みの一端を解明
2013年、慶應義塾大学の松田信爾専任講師と柚崎通介教授らは、脳の海馬は、神経細胞の受容体がリン酸を失うことをキッカケに細胞内に取り込まれてしまい、隣の神経細胞からの情報を受け取れなくなって、応答が悪くなるという。 成果はネイチャー・コミュニケーションズ

記憶や学習に関わる海馬の神経細胞の表面にあるタンパク質「AMPA受容体」は、隣の神経細胞から放出されたグルタミン酸を浮けと手情報を伝える。

細胞同士がつながっていても、受容体が減るとうまく情報伝達できない。

研究グループはマウスの海馬の新家医師ロ棒を取り出し、培養皿の上で細胞同士を結合させた。1秒に1回の頻度で電気刺激を与えると受容体が減って応答が悪くなった。

詳しく調べたところ、受容体についていたリン酸が外れて、これが引き金になって細胞の中に取り込むことを促すタンパク質「AP-2」が働き、受容体が細胞内に入り込み分解された。




海馬の形成を可視化
2014年、慶應義塾大学の仲嶋一範教授らは、脳の海馬が形成される過程をマウス実験で明らかにした。

海馬の深いところで誕生した神経細胞が、海馬表面に向かってジグザグにゆっくり移動していた。

成果はジャーナルオブニューロサイエンス(電子版)に掲載

海馬は深部で幹細胞から細胞分裂によって神経細胞が誕生し、脳の表面近くまで移動していき、複雑な神経ネットワークをつくることが知られている。

研究チームは、子宮内にいる発生過程のマウスの海馬に、電気を使って蛍光タンパク質の遺伝子を導入。

神経細胞が形成される様子を可視化することに成功した。

通常の神経細胞は1本の突起を伸ばして深部から表面に移動していく。しかし海馬の神経細胞は複数の尖端突起を伸縮させながら、ゆっくりとジグザグ状に移動していた。

ロッククライマーの動きにも似ていることから、この動きを「クライミング様式」と命名した。





海馬にある「ガーディン」がリンと結合して
2014年、脳の海馬にある「ガーディン」というタンパク質がりんと結合することで、記憶が形成・維持されていることを、名古屋大大学院の山田清文教授のグループが確認した。

研究グループによると、海馬の細胞中にはガーディンのほか、「BDNF」や「NMDA受容体」などのタンパク質が存在する。

そのタンパク質の間を電気信号が伝わることで記憶が形成、維持されている。






BDNF(脳由来神経栄養因子)
2002年、「東京大学の山田麻紀助手と松本則夫教授らは、記憶と学習に関わると見られる脳のタンパク質が、長期的には神経伝達を抑える働きがあることを突きとめた。学習など脳の高次機能の解明や記憶障害など脳の疾患の治療に役立つ。

研究グループは記憶に関わる脳の「海馬」という組織の細胞をラットから採取して培養。脳由来神経栄養因子『BDNF』というタンパク質の働きを詳しく調べた。

このタンパク質を沢山含む培地で約5日間育てた海馬細胞に刺激を加えると、神経の働きを抑える物質『GABA』を通常の1.5倍放出した。一方、神経を興奮させる物質の放出量は変わらなかった。抑制物質を合成する酵素の働きが高まっているのも確認した。

神経伝達物質を受け取る側の神経細胞でも、抑制作用のある物質と結びつく受容体タンパク質が2倍以上に増えていた。その一方で、興奮性物質を受け取る受容体の量は変わらなかった。こうした実験から、BDNFは長期的に神経伝達の抑制作用を高める働きがあるとみている。
脳では神経細胞同士の結びつきが強まったり弱まったりすることで記憶や学習が進む。山田助手らは「BDNFは短期的には神経回路の結びつきを高める一方、長期的にはそうした変化を抑えてバランスを保つ作用がある」と推測している。



 DICE−K
[海馬]で新しい経験を素早く記憶するのに欠かせない神経回路

DICE−K

「米マサチューセッツ工科大学(MIT)の利根川進教授と理化学研究所は、マウスの脳で信号の伝達を一部阻害したり元に戻したりできる技術を開発した。
新技術を使い[海馬]で新しい経験を素早く記憶するのに欠かせない神経回路を発見した。
成果は2008年1/24付けのサイエンス電子版に発表。
細菌の一種が持つ毒素を利用し、神経細胞をつなぐシナプスでの信号伝達物質の放出を抑える。マウスの遺伝子を改変することで、毒素を脳の特定部位にだけで働かせることに成功した。マウスのエサに毒素を抑える抗生物質を混ぜておくと、信号の伝達が回復する。

海馬断面には、[アンモン角(固有海馬ともいう)CA1〜CA4まで分類される]や歯状回(海馬体を構成する脳回、歯のように凸凹している)などに分けられ、目や耳から入った情報はこうした領域を経由して記憶に蓄えられる。

研究チームは開発した技術を用いて、[CA3]を通る神経回路をブロックした。マウスを箱に入れて電気ショックを与える実験で調べたところ、マウスが新しい環境での危険を短時間で記憶する能力が落ちることが分かった。
特定の神経回路だけを遮断することで、その回路を必要とする記憶の種類と、必要としない記憶の種類が分かる。老化やアルツハーマー病の原因を調べる研究に役立つ利根川教授はレッドソックスの松坂大輔にちなみ「DICE−K」と名づけた」





空間記憶
京都大学の影山龍一郎教授らは、脳で新しく作られる神経細胞が、場所を覚えるなど空間記憶の機能維持に欠かせないことをマウス実験で突き止めた。
成果は2008年9/1のネイチャー・ニューロサイエンス電子版に発表。

脳の一部では大人になった後でも、神経細胞が新しく出来る。

特に盛んなのが、記憶を司る[海馬]の[歯状回]と、ニオイの情報処理に関わる[嗅救]。
海馬では、新しい細胞が従来ある細胞と共に働き、約半年後に全体の細胞数が約15%増えた。

嗅救では、古い細胞が死滅し、約1年後に70%が新しい細胞に置き換わった。遺伝子操作で新しい細胞が作られないようにすると、海馬が持つ新しい場所を覚える機能が障害され、嗅球の機能は維持された




DGKβ
脳の「海馬」に多く存在する特定の遺伝子が記憶に関与

DGKβ

「2010年、岐阜薬科大学や神戸大など5大学の研究グループは、脳の「海馬」に多く存在する特定の遺伝子が記憶に関与していることをマウス実験で突き止めた。
成果は米オンライン科学誌プロス・ワンに掲載。
海馬とは学習や記憶の形成に重要な役割を果たす。研究グループが突き止めた遺伝子は「ジアシルグリセロールキナーゼβ」(DGKβ)で海馬に多く存在する。
実験では、DGKβを持たないマウスは正常なマウスに比べて記憶力が劣り、記憶の形成・保持に障害が認められた。





寝る子は脳も育つ
2012年、睡眠時間の長い子どもほど、記憶や環状に関わる脳の部位「海馬」の体積が大きかったと、東北大学の滝靖之教授らのチームが突き止めた。
9/18の日本神経科学大会で発表。

研究チームによると、うつ病や高齢者のアルツハイマー病患者で、海馬の体積が小さいことが明らかになっている。

2008年から4年かけて、健康な5歳〜18歳の290人の平日の睡眠時間と、海馬の体積を調べた。

その結果、睡眠が10時間以上の子どもは、6時間の子どもより、海馬の体積が1割程度大きいことが判明。
胚場はうつ病患者で萎縮することが知られている。










    
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